人の知的な能力には「流動性能力」と「結晶性能力」とがあります。
流動性能力とは、物の名前を覚えたり並べた数字を逆に数えると言った単純な記憶の能力で、結晶性能力とは、教育や学習・経験と言った文化的な影響を受けて発達する能力の事を言います。
年を取ると衰えるのが流動性能力で、これは20才頃をピークとして年を重ねる毎に低下する一方です。
これに対して結晶性能力は、40~50才代になってもまだ上昇を続け、高齢になっても容易に衰えません。
政治家や重要な役職が高齢者でも務まるのは、総合判断力が70才位まで上昇し続けるからです。
高齢者は運動能力が衰えるので動作が緩慢になり機敏な反応が出来ず、その為に知能まで衰えたと見られる事がありますが、言語性知能は高いまま維持されます。
これは文化・芸術の分野において顕著で、学者や作家、画家には90才でなお活躍中と言う人もいます。
こう言った高い知的機能を保っている高齢者を社会的な活動の段階によってグループ分けし、グループ毎に心理テストを行い、成績を比較して見たら余り大きな差はありませんでした。
これは現行の心理テストでは、知的老人の社会的活動を評価出来ない事を示しています。
老人の知的機能は、環境や社会的・経済的条件、性格と言った要素が複雑に絡み合って成り立っているのです。
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