梅毒トレポネーマは性交時に皮膚や粘膜の微小な傷口から侵入し、血行性、リンパ行性に全身に広がり、臓器や組織を侵す様になります。
以前はSTDの代表の様に言われましたが、ペニシリンの登場によって激減し、かつての100分のl、最近の保健所への届け出数は年間1000入程度です。
ですから若い医師は梅毒の患者を診察した事が無く、初期症状ではなかなか特定出来ずに別の病名にしてしまう事もあると言われています。
とは言え、約20年周期で流行を見せていて、終戦時の流行の後、1965、1985年前後にピークを持ち、梅毒の患者数は現行の統計法になった平成12年以前は低い数値でしたが少しずつ増加に転じ昨年あたりから着実に届け出患者が増え始めています。
潜在的な梅毒患者もじわじわと増加していると考えられます。保健所への届け出をみると献血、集団検診、人間ドック等で偶然発見される比率が高くなっているのです。
このトレポネーマの中には性病ではありませんが、皮膚に病変を作る種類もあり、世界各地で伝染病として流行している地域があります。
これらは皮膚の病変に接触する事で伝染します。現在梅毒トレポネーマはエイズの登場で後方に追いやられた感がありますが、潜伏しながら生き延びる為の次の戦略を練っているかもしれません。
撲滅寸前とも言われていますが、だからこそその逆襲に目を光らせる必要がある恐い病気なのです。
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