人には「くすぐったい」という感覚がありますが、くすぐったさの感覚受容器がある訳ではありません。
指先で軽く圧をかけて触られたり撫でられたりすると、触、痛、温、冷等の感覚が複合刺激となって脳に伝わり、くすぐったいと感じるのです。
しかし足の裏や腋の下を、自分で触っても何とも無いのに他人に触られるとくすぐったいと感じます。同じ刺激でも、神経の興奮となって脳に上がってきた段階で「それが自分によるか、他人によるか」という判断が加わり、感覚を変化させているのです。
皮膚感覚というのは受け取る側の気持ちや意識やその時の状況により、心理的な面が強く影響して変化すると考えられています。
この心理面に恋愛感情があると、くすぐったさは性感として感じると言われています。大脳の前頭葉でその感覚の意味を覚えていて、くすぐったいのか性感なのかを切り変えるスイッチがあると考えられているのです。
ちなみに人間以外ではチンパンジーが腋の下や足の裏を触ると顔の表情を緩めたりくすぐったそうな仕草をしますが、日本ザルにはみられません。
人間も赤ちゃんの時は感じない様ですが、少し成長するとキヤキヤと騒ぐようになるので、くすぐったさとはかなり発達した感覚の様です。
患者さんのくすっぐたいという感覚を、何とかすると言う事は私たちが施術する上でも重要な課題です。
いずれにしても、患者さんとの信頼感というた心理的なファクターが関係していることは間違いの無いところです。
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