高血圧を起す原因は色々で、腎臓疾患、内分泌異常、血管の病気、あるいは薬剤でも起こります。元になる病気が無く、原因が特定できない高血圧を本態性高血圧と呼んでいます。
この本態性高血圧は肥満、運動不足、多量の飲酒、塩分の摂り過ぎ等が原因といわれていて、これらは糖尿病の原因に共通しています。
実際、糖尿病に高血圧症、逆に高血圧症に糖尿病が合併しやすい事はよく知られています。
高血圧症と糖尿病の合併症の場合は心臓血管病が多発する為に生存率が非常に低くなりますが、最近その病因や病態に関連がある事が明らかなってきました。
その共通する原因が高インスリン血症なのです。耐糖異常等で血中に高濃度のインスリンがあると臓器や神経に色々と影響を与えます。
腎臓では糸球体で濾過されたナトリウムは尿細管で再吸収されますが、インスリンはその再吸収を促進してしまいます。
その為、体内にナトリウムが増え、それにつられて水分も増えてしまう結果、心臓の拍出量が増えて血圧が上がります。
また、インスリンは脳の糖代謝や血圧調節の中枢に働いて、交感神経を興奮させる働きもあります。
その為交感神経系が亢進して、末梢血管抵抗の増加と心機能の活性により血圧が上がります。更に、インスリンは血管の平滑筋の膜に働いて、細胞内のナトリウムやカルシウム濃度を増加させ、その結果、平滑筋が収縮しやすくなり血圧を上昇させます。
また、インスリンはこの血管平滑筋を増殖させる働きもあり、血管の壁が厚くなる為内腔が狭くなり、末梢血管抵抗が増大してしまいます。
ですから、糖尿病でなおかつ高血圧という合併症は非常に危険である事を理解すべきです。
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