老化その物が癌に繋がる事は明らかです。国立癌センターの山口直人氏は、大体40歳から5年毎におよそ2倍ずつ癌のリスクが高くなると報告しています。
老化によって癌になる確率が高くなるいくつかの原因が考えられます。
まず、癌の発症には長い潜伏期間があり、短くても5年、長ければ20数年と言われています。
その間に年を取り、結果的に高齢者になってから発見される訳です。
また、老化と共に遺伝子を傷つける活性酸素によって作られた酸化物質が細胞のミトコンドリアから漏れて、それに対抗する抗酸化作用が上手く行かなくなります。
この様な状態が長い年月続けば、当然遺伝子の突然変異の頻度が多くなります。
元々、それを修復する遺伝子もあるのですが、それを修復する能力も老化によって落ちて来ますので、癌になる確率が高くなるのです。
また、癌や老化で注目されているのが染色体の末端にあるテロメアです。このテロメアは寿命遺伝子とも言われ、細胞分裂を繰り返す度に短くなっていきます。
テロメアが短くなると染色体上の遺伝子が非常に不安定になってきて、エラーを起し易くなり、その為に細胞がより癌化しやすくなると言われています。
このように高齢化によって癌化する確率は高くなるのですが、癌細胞も老化現象の中で毛細血管新生能力の低下が起こり、活発に増殖出来ずにゆっくりした物になります。
三大生活習慣病の中で癌が死因のピークを迎えるのは男性で60~69歳、女性で50歳前後です。
40歳を過ぎたら定期検診を受けたり、生活習慣の見直しに心掛けて、癌の予防と早期発見に努めるべきです。
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