薬に副作用はつきものです。例えば抗がん剤等はがん細胞を殺すために他の健康な細胞を傷つけてもやむ得ないとして選択されますが、その分副作用も強く出ます。
もし薬を標的のがん細胞だけを狙って標的臓器に届けることができたら、しかもがん細胞が活性化する時間に最適な濃度の薬を効かせることができたら副作用に苦しむ事もなくなるでしょう。
この様に、薬が体内で量的、時間的、対象的にコントロールされて最適の投薬効果を目指すのがドラッグ・デリバリー・システム(DDS:薬物配送システム)です。
この考え方自体は1980年頃から研究されてきたのですが、これまで成功したシステムは多くはありませんでした。
ところが最近ではバイオテクノロジーやナノテクノロジーなどの最新技術の発展でより有効な方法が実用化されてきています。
例えばモルヒネのように、<ruby>耽溺性<rt>たんできせい</rt></ruby>の副作用を起こさせないで鎮痛効果を得るために、皮膚から適量ずつ吸収させてコントロールする事ができるようになっています。
また経口では吸収できなかった薬剤も鼻などの粘膜からスプレーして吸収させる事もDDSとされています。
さらに経口や経皮では1日から数日しか効かないのが、デポ剤という、1回の注射で数週間もの効果を持続させる事のできる注射等もでてきています。
その他にも超音波を使って皮膚から薬を吸収させたり、マイクロチップを埋め込んで薬をタイミングよく放出させる方法等が期待されており、副作用が少なく、少ない投与量が可能なシステムが開発されていくものと思われます。
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