ガンを放って置けば死にますが、ではガンによって何故死ぬのかは本当はよく分かっていません。
ガンが大きくなると体の栄養を独占する様になぅて死ぬという様にも考えられていますが、そう単純でもない様です。
動物実験ですが、Tリンバ球を持たないマウスにヒトの悪性ガンを移植すると、ガンはどんどん大きくなりマウス本体ほどの大きさになってもマウス自体は生きていたというのです。
つまり、ガンその物では生命を落とす事は無いわけで、死なせる原因はガンによって起こる悪液質なのです。
性質の違うガンでも最終的には悪液質の症状(全身の衰弱、るい痩、浮腫、貧血等)をもたらします。
この悪液質の原因はカケクチンと呼ばれていましたが、その本体はTNF-α(腫瘍壊死因子)だったのです。
TNF-αは本来ガンに働いてガンをアポトーシスに導く働きをする物ですが、ガンの進行に伴ってTNF-αが全身に作用し、その為にガンで無い部分の全身にアポトーシスの作用が及んで悪液質の症状をもたらしていると考えられるのです。
TNF-αは脂質、糖、蛋白質の代謝に対して異化作用を進め、また腫瘍の血管の新生も促進します。
上記のマウスにはこのTNF-αが欠けていた為に悪液質になる事なくガンと共存していたのです。
転移とTNF-αのコントロールをすればガンとの共存も可能となる可能性が高くなります。
ちなみにサリドマイドはこのTNF-αを抑える作用でも再評価されてきています。
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