下痢といえば食中毒、食中毒は感染症、というイメージがありますが、食中毒と腸管感染症はイコールというわけではありません。
確かに食中毒ではウイルスや細菌などが原因である事が多いのですが、添加物、容器等化学物質が原因の事もあって、感染症とは限りません。
何かを食べた直後、急激、大量に患者が発生する様な場合、最初に感染症として対応される事が多いのですが、まずは毒物等の中毒の可能性が高いものです。
いわゆる腸管感染症の場合、これまで赤痢や腸チフスは伝染病、腸炎ビブリオやサルモネラは食中毒というように伝染病予防法と食品衛生法と別々に扱われていたのですが、感染症新法からは1本化され、感染による食中毒は感染症新法の中では食品由来経口感染症として扱われています。
食品衛生法も改正されて、赤痢やコレラも食品由来で発症すれば食中毒としても扱われます。
さて腸管感染症という面から見れば、毒素型と感染型にわかれ、毒素型では黄色ブドウ球菌やボツリヌス菌等があります。
菌その物の感染というより、菌が作った毒素が口に入る事によって下痢や腹痛等が起こるものです。
ボツリヌス菌の毒素は嚥下障害や呼吸困難等の全身性の重篤な症状を起こします。
-方感染型では大腸菌やサルモネラ、カンピロバクター等が下痢や発熱を起こします。
感染型の中でも感染した後体内で毒素を産生して症状を起こす物に腸炎ビブリオ、下痢原性大腸菌、ウェルシュ菌、セレウス菌等があり、O-157はこの生体内毒素型です。
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