神経細胞の数は生まれた後は増え無いというのが定説でした。
しかし嬉しい事に成人してからも増えているらしい、という事が分かって来ています。
それは成人の脳にも神経幹細胞があり、新しい神経細胞ができているという発見によるものです。
幹細胞というのは、“自己を複製できて、他の細胞に分化することができる”細胞です。
神経幹細胞は分裂して前駆細胞となり、それが神経細胞やダリア細胞(アストロサイト、オリゴデンドロサイト等)に分化します。
この分化前の神経幹細胞は脳の色々な部位にあり、特に海馬では成人してもずっと神経細胞が作られている様です。
この神経細胞の新生は色んな影響を受けますが、ラットの実験によれば電気等の物理刺激によって新生率が上がります。
また外からの刺激だけで無く、環境による生理的な影響にも左右されます。
例えば単純な環境(普通のケージ)のラットに比べて、豊かな環境(広くて遊び道具等がある)のラットでは新生する神経細胞の数が多かったというのです。
また心理的ストレスに晒されると1時間で新生率が低下し、ストレスホルモンである副腎皮質ホルモンを投与した場合も新生率が下がる事から、ストレスは脳の再生にとって大変な悪影響を与えているという事が言えるのです。
年を取るとステロイドホルモン濃度が上がる上に血液脳関門での物質の選択も弱るので、ストレスの影響はより強く受ける事が考えられます。
老化による記憶の低下は海馬の神経細胞の新生が少なくなった事によるのかもしれません。
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