一般的には内臓は痛みを感じないといわれています。確かに胃を半分にしても腸管を切断しても痛みは感じません。
だからといって痛みの受容内の臓器の痛みは病態生理学的に直接的には内臓痛、体性痛、間接的には関連痛に分ける事ができます。
例えば腸管の平滑筋を過度に収縮させたり、拡張させたりすると痛みが起こります。もちろん平滑筋の痙攣でも起こります。
また食道や胃に直接的な化学的刺激が加わると痛みになります。更に、急性の無酸素状態や炎症等によって神経終末の痛みの受容器が刺激されれば痛みが起こるのです。
この内腰痛の特徴として急性に発症し、いわゆる鈍痛、シクシクした痛みで、どの領域か明瞭では無い痛みが持続的に存在している様に感じます。
この内臓痛以外にも体性痛である腹腔内の痛みで、体壁内面から発生する腹膜痛があります。
これは壁側腹膜や腸間膜等の炎症、機械的刺激で起こり局在性の激しい痛みとして感じる事が特徴で、筋性防御(デファンス)がその例といえます。
また、消化管等に強い刺激が持続すると、特定の皮膚領域に知覚過敏、痛覚過敏が生じてきます。これを関連痛といいます。
消化管の痛みで最も注意しなければならないのは、急激に腹部激痛がある時です。このような病態を急性腹症といいます。
原因疾患としては様々なものが考えられますが、消化管の穿孔、虫垂炎、イレウス、急性腹膜炎、腹部大動脈瘤の破裂等緊急を要するものばかりですので、素早い対応が必要です。
腹痛の部位から考えられる疾患
心窩部痛
上部消化管・胆嚢・膵臓の疾患
右季肋岳痛
肝・胆道、右腎疾患
左季肋部痛
膵臓、左腎・脾臓の疾患
臍部痛
腸疾患、イレウス
右下腹痛
急性虫垂炎、イレウス、尿管結石
左下腹痛
潰瘍性大腸炎、尿管結石
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