細菌やウイルスなどの病原体の感染によって嘔吐、嘔気、腹痛、下痢といった症状を表すものを感染性胃腸炎といいます。
この胃腸炎は冬の時期に発生が多く、その原因としてはロタウイルスあるいは小型球形ウイルス(SRSV : small round structured virus)があります。
風邪と似た症状が見られる場合もあり、丁度インフルエンザのシーズンと重なるので「吐くインフルエンザ」「お腹の風邪」とも呼ばれます。
最近ではSRSVによるものが圧倒的に多く、平成9年に食中毒の原因物質に指定され、冬場の食品による食中毒で最も多いのです。
平成10年度の原因別食中毒患者の12%がこのウイルスによるものです。
感染経路はこのウイルスを含む糞便が下水を通じて河川、海へ流れ、カキ等2枚貝等に取り込まれて濃縮されます。
カキの中では増殖できないのですが、そのカキを生食するとヒトの腸内で増殖するのです。更に水を介したり、飛沫感染等人から人ヘ伝播し、秋から冬にかけて流行する事が明らかになったのです。
予防法としては、カキ等の貝類は、生食を避け、十分に加熱調理して食べる、飲料水は煮沸してから飲む、下痢や嘔吐など風邪に似た症状があらわれた場合には調理しないようにします。
二次感染の予防としては手洗いやうがいが有効です。
潜伏時間は24~48時間。発症後3日程で治癒しますが、高齢者や乳幼児など抵抗力の弱い方では重症になる事もあります。
対症療法のみで、熱があっても抗生剤は効果がありません。吐いたり、下痢、そして発熱は体から水分を失い、元は軽い病気であっても悪化する事もあります。
スポーツ飲料、お茶、薄いジュース等、水分を補給する事が大切です。
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