胃の中に送り込まれた食物は粥状に細かくされ、強度の塩酸で消毒されて、一部消化された状態で十二指腸に送りこまれます。
その時に重要な役割を担っているのが幽門括約筋です。
この幽門括約筋は開いたり閉じたりして十二指腸に送りこむ食物の量を微妙な匙加減で調節しています。
ですから幽門括約筋が閉じている時には、胃の内容物は十二指腸に漏れ出す事はありません。
この幽門括約筋を調節する信号は迷走神経によって大脳との間を行き来しています。
迷走神経は幽門括約筋を開くタイミングを脳が決めるのに必要な情報を届けます。
また脳は胃からの信号を解読して、括約筋を開けと命令して、食物が通り抜けたという信号が届くと脳は閉じろで命令します。
これは胃の内容物と共に流れ込む強度の胃酸や消化酵素のペプシンが十二指腸の粘膜上皮にとって大変危険な物だからです。
胃酸に対する胃の防衛策は上皮をアルカリ性粘液で覆いますが、小腸ではその機能はありません。
そこで、胃酸を中和させる事が大切なのです。十二指腸に開口する膵臓の内壁に分泌器があり、更に十二指腸の壁にもブルンナー腺というアルカリ性の液体を分泌する細胞があります。
これらの分泌液によって中和するのですが、この時アルカリ性に傾き過ぎても、十二指腸の粘膜を溶かしてしまいます。
ですから、正しく中和する為にセンサーがあり、分泌液の量の調節をしているのです。
その調節には幽門括約筋による開閉とも連動して、胃酸の流入を調節しなければなりません。
この中和が上手くいかないと、消化、吸収の為の膵臓の酵素も上手く働かないのです。
ところで、このセンサーによるアルカリ分泌の調節のシステムは、十二指腸の上皮の細胞から分泌するホルモンのセクレチンが関与している事は明らかになっていますが、この精妙なシステムの全体像は未だ謎なのです。
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