中国の気功法は調心、調息、調身によって心身のバランスを安定したものにするという考えが基本にあります。
ところで、天台宗の開祖である中国の智者大師はこの三つに飲食と睡眠を加えて、五つの調和と調節を坐禅の修業に採り入れました。
その修行の為の手引きになるのが「天台小止観」で、心と身体の調節法として、具体的な養生法ともいえるのです。
この天台小止観を下敷きにしてこの坐禅のやり方や心構えを説いた日本の書物で有名なのが道元禅師の「普勧坐禅儀」や恵心僧都「止観坐禅記」等です。
これらは坐禅を主眼にして説いていますが、これに対して調息を主眼にしているのが江戸時代の白隠禅師の「夜船閑話(やせんかんな)」です。
この中で呼吸法の重要性と身体の上虚下実の実現の為の臍下丹田を充実させる事の大切さを説いています。
また、軟酥の法は現在の自律訓練法等共通するイメージトレーニング法です。
軟酥という微妙な色合いと清々しい香りの妙薬が自分の頭の上にあると念じて、その軟酥に頭の先から次第につま先までゆっくり溶けて行く事を想像する様にします。
この時に身体の中の五臓六腑の滞りや痛みやしこりがすべて流れ落ちる事をイメージします。
その流れ出て行く音が聞こえ、それが全身を降りて行き、次第に両脚が温かくなる様に想像します。
このイメージを何度も繰り返すと心身とも軽やかになり、気血の滞りも消えて、内臓は調和して、皮膚も光沢を増して行くと説いています。
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