汗の腺にはエックリン腺とアポクリン腺の2種類があり、普通「汗をかく」と言う時の汗はエックリン腺からの汗の事です。
エックリン腺は外耳道や爪で被われている部分や唇など、限られた部分以外身体のほとんどの部分に広く分布しています。
エックリン腺は少ない人で約1200万個、多い人で500万個と差がありますが、全てが汗を出しているわけでは無く、実際に活動しているのは半分程度です。
汗の成分は99%以上が水で、極少量の塩化ナトリウムやカリウム、カルシウム、重炭酸イオン等の電解質、尿素、アンモニア等が含まれ、血漿から作られるので血漿の成分とほぽ同じです。
最初汗の原液は血漿と同じ位塩分濃度が濃いのですが、エックリン腺の導管を通る段階でイオン類が血漿に再吸収されます。
夏の始め頃はかなり濃度の濃い汗を分泌していますが、ひと夏が過ぎる頃には大切なミネラル分は上手く回収、体温調節には水分の多い汗をかく事が出来る様になります。
さてエックリン腺に分布している自律神経は交感神経だけで、その神経伝達物質はアドレナリンとノルアドレナリンですが、エックリン腺のみ例外的にアセチルコリンです。
体温調節に不向きでノルアドレナリンに反応する原始アポクリン腺からエックリン腺が進化した時、伝達物質も皮膚の血管を収縮させないアセチルコリンに変えたのです。
これは人が進化の過程で、体温上昇に弱い脳細胞を異常に発達させた為、求愛行動に不可欠なアポクリン腺からの性的アビールを犠牲にしてまでも、エックリン腺という体温調節器官を発達させる必要があったからなのです。
お電話ありがとうございます、
鶴巻温泉治療院でございます。