精神神経免疫学は免疫系と心理的社会的要因の関係を明らかにするものです。
つまり心と体の繋がりを研究する学問だと言えます。この繋がりを示す例としてがん細胞もやっつける細胞性免疫のNK細胞が様々な心のストレスによってどの様な影響があるか調査した報告があります。
それによると免疫細胞数はストレスによって減少する事が分かっています。
配偶者の死や離婚や仕事上のトラブルや対人関係の悩みなど日常的によくあるストレスでもNK細胞は減少します。
感情を抑制したり、したい事がやれない等の抑制的対処行動でも減少します。
また、気分的に落ちこんだり、将来に対する希望が持て無かったり、全てがおっくうになる様な精神症状の時もNK細胞は減少していますし、失感情症でも同様です。
このようにNK細胞は大変ストレスに対する感受性が高い事が明らかになっています。
この具体的なメカニズムが脳の機能との繋がりによって明らかになってきました。
脳の視床下部の前部は副交感神経系を刺激する部位で、休息、生殖等快の感情が伴います。
一方、正中部は交感神経系と関係していて、感情的には不快な怒りや恐怖等を感じています。
脳の破壊実験で視床下部前部が破壊されると肺臓細胞数、胸腺細胞数の減少、同時にT細胞の増殖反応の抑制や、NK細胞の不活性が認められています。
つまり、視床下部の快の感情が伴う部位が破壊されると免疫細胞だけで無く免疫系に深く関与する臓器まで影響がある訳です。
現在ではこれらのリンバ系臓器が交感神経系の支配を受けている事も分かり、視床下部や大脳辺縁系との繋がりが明らかになっているのです。
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