日本の65歳以上の3人に1人は高血圧で、血圧が高いほど心臓血管病や脳卒中の危険が増します。
一般に血圧は加齢に連れて自然と高めになり、70~80歳にもなれば程度の差は有るものの動脈硬化が進行します。
全身の細胞に行き渡らねばならない血液が血管の内径が小さくなる為に減少するのを、心臓のポンプの力を強める事で補う為に血圧が高くなると考えられます。
老人科専門の診療所等の方針では、比較的若い高齢者に対しては中年と同様に生活指導と平行して降圧剤等でとにかく血圧を低く保つようにしますが、70歳以上の高齢者に対しては投薬は慎重に行う要です。
食事・運動・嗜好の指導等の非薬物療法が主流で、血圧がとても高ければ少量の投薬から始めます。
高齢になればなる程薬による問題が起こる率が高いのです。
若者に比べて薬が体内に残る時間が長く、始めの内血圧が下がら無くても2、3カ月後に急に下がったりする事や、病院で多数の薬をもらっている人の場合「多剤併用」による副作用が起き易い事が大きな問題になっています。
降圧剤を服用している高齢者が急に元気が無くなったり、フラついたり、呆けた要な時はすぐに血圧を確認します。
収縮期血圧がかなり下がっていれば転倒やせん妄を起こす危険があるので注意が必要です。
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