中高年女性の患者さんが訴える症状には、頭痛・肩こり・腰痛・関節痛・神経痛を始め、のぼせ・多汗・動悸・冷え・めまい・便秘・不眠等の自律神経失調症が多数を占めています。
40歳以上の女性が訴えるこれらの不定愁訴の多くは更年期障害だと考えられますが、患者さんは身体の不調は訴えても不安感やうつ・イライラ等の精神症状についてはなかなか伝えてくれないものです。
更年期障害の最も大きな原因は、卵巣機能の低下による女性ホルモンの分泌減少と言えますが、更年期は女性のライフサイクルから見ると、子どもの就職や結婚、老親の介護や死、夫の定年など心理的・社会的な変化やストレス、が非常に大きい時期に当たります。
子どもの巣立ちによる空疎感から起きる空の巣症候群を始め、閉経で女性では無くなったと言う疎外感、老いて行く将来への不安等、抑うつ感・無気力感や様々な心の症状が起きてきます。
頑固な身体症状がなかなか取れない、あるいは一時的に良くなってもすぐまた悪化を繰り返す様な場合、背景に心の問題が隠されている事が多いのです。
身体症状に惑わされて更年期のうつ症状を良逃してしまうと、そのまま老年期のうつに移行して重症化する危険があるので要注意です。
患者さんに心の問題を察知した場合には、心療内科や神経科での受診を勧める事が必要かもしれません。
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