1958年に売春防止法が施行されて以来性病は半減しました。その後社会や性風俗の変化等によって増加傾向にありましたが、エイズの出現以来STDの患者は減少していました。
ところが95年頃からまたSTDの感染者が増えていて、疾患の内容も種類もこれまでの、いわゆる性病とは違って来ています。
以前は局所に強い症状が現れて感染を知る事が出来たのが、最近ではクラミジアの様に無症候性のSTDが多くなって、感染に気付きにくくなっています。
例えば性器クラミジア症は男性の場合にはほとんど症状がでない事もあって女性への感染を増やす結果となり、女性ではSTDの半分近く、第1位になっています。
初期には軽い風邪位の症状しか表わさないHIVも無症候性と言えるでしょう。また感染部位が性器だけに留まらず口腔、肛門等に及んでいる事も特徴として注目されます。
性風俗においてはエイズキャンペーン以来性交によるSTDの感染が減少する傾向にあるものの、フアッションマッサージ等性交を伴わない新たな性サービス等の出現で咽喉等性器以外の感染をもたらし、またそれが感染源になって増加しています。
また年齢的には20才代の患者数が最も多いのですが、10代後半の患者も増えて来ています。
これはSTDが歓楽街の特殊な疾患では無く、一般家庭へ広がっている事を意味しています。更に東京都で言えば全国平均の2倍もの感染率であり、STDは大都市集中型の疾患である事も特徴と言えるでしょう。
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