理学療法や作業療法のリハビリで誤った施術による二次的な損傷を誤用症候と言います。
よく見られるのが脳卒中のリハビリによる肩関節の損傷です。
他動関節訓練の原則は「正常可動域いっぱいに行う事」とされていますが、肩関節については大きな誤りで、180度屈曲または外転を行うと医療過誤を起こしかねません。
肩関節は複合運動で全体の3分のlは肩甲骨の回旋によって行われ、3分の2は狭義の肩関節である肩甲上腕関節で120度が可動域の限界です。
関節の固定は主に筋によって行われますが、完全麻痺に陥ると筋緊張の低下により関節固定は不良になり、他動的に無理な力が加えられた場合の反射的筋収縮による関節保護も行われません。
通常、肩関節が動く場合は肩甲上腕関節が120度まで達してから三角筋、棘上筋等を介して肩甲骨を動かし、筋収縮によって保持されるのですが、それが無い為に、敏帯や関節包に力が加わり損傷、断裂し内出血痛みを起こすのです。
それを繰り返せばほとんど改善不能な拘縮を作ります。更に肩の損傷による痛みは肩手症候群を誘発させます。
この症候群は自律神経が関与した特異な疼痛障害であり、脳血管障害の5~30%で認められ、通常発症後1ヶ月より目立ち、疼痛が激しく患者の活動意欲を低下させます。
初期では、手の腫脹や発赤がみられ、適切な関節訓練や温熱療法で改善が可能ですが、改善されないと手指の筋が萎縮し、完全な拘縮となり、実用的な機能は期待出来なくなります。
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