既往歴、生活習慣病の有無、血液の検査数値等の問診で血管の病気はある程度推測出来ます。
しかし、実際の身体に表れる身体の変化は視診や触診がなにより大切です。
血管は先天性の異常もあるし、動脈硬化、血栓症、感染、血管の炎症、腫瘍、外傷等様々な原因で障害されます。
血管の障害により血栓や塞栓が生じると、血液の循環が阻害されてその先の末梢の部位が虚血になったり、その部位が心臓や脳であれば致命的な梗塞が起こります。
また血管に表れる病気は血管が詰まる閉塞性病変だけで無く血管が膨らんでしまう動脈瘤や静脈瘤のような拡張性病変もあります。
特に四肢に表れる血管病変は視診が重要です。
血行に何らかの障害があれば、下肢などの皮膚に色調の変化(蒼白あるいは紅斑)、チアノーゼ、腫脹、浮腫、硬化、肥厚、乾燥等が表れます。
更に手足の先の潰瘍や壊死の形成に進む場合もあります。
慢性的な動脈病変の場合には、栄養が障害され足が細くなったり、爪の変形、脱毛もよく起こります。
また虚血の状態を知るには重力に抗するように手足を挙げると皮膚は蒼白になり、下げると暗紫色に変色する事もあります。
更に正常の足に比べると皮膚の色の回復する時間が長くなります。
また、血管の病気がある側の皮膚温はおおむね冷たく、両手で両下肢を触り皮膚の温度の左右差を見る事も大切です。
動脈を触知できる脈の強さも左右で違ってきますから、脈を見る事も重要です。
この様な視診や触診で四肢に表れた状態は全身の状態を知る上でも大切です。
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