股関節痛は広範囲で多様であるが臨床上多いのはGroin pain syndrome鼠径部痛症候群です。スポーツによるアスリートやノンアスリートであっても日々の負荷がかかる生活習慣や姿勢により起こります。
股関節は柔軟性と可動性と腰椎の後湾可動性が必要です。それと支持性が必要となります。変形性股関節症は骨頭と臼蓋形成不全の変形性股関節症はこの鼠径部痛症候群に骨性の問題が重なったものとなります。
ゴリラなどと違いヒトの股関節は下腿を臼蓋に押し込む形になります。常に抗重力下で使われている為圧縮がかかりますので病態が出てきます。ヒト以外の哺乳類は骨盤の長さが長く股関節屈曲位になっています。ヒトになり腰椎前弯になって骨盤を立たせた事により伸展角度は出ましたが股関節前面部分が浅くなり骨頭と臼蓋の関係が浅くなりました。
立脚中期を頂点としてヒトは3㎝の上下運動をして歩行をしています。位置エネルギーを速度エネルギーに変えておこなう落下する事で筋活動を最小限にしてエネルギー消費を最小限に抑えて歩行をしています。
上半身を上に持ち上げるために足の伸展の際強く踏み込みます。その際に骨盤や股関節に負荷がかかります。
前が浅いとなると靭帯関節包が発達してきました。腸骨大腿靭帯、恥骨大腿靭帯、坐骨大腿靭帯その靭帯は斜めに走行しています。ソフトクリームのように付着をしています。
股関節伸展方向になると骨頭を臼蓋方向に押し込む力が生まれます。それだけでは上からの強度を補うには不足なので梨状筋、上双子筋、内閉鎖筋、下双子筋、大腿方形筋、外閉鎖筋、大殿筋などによっても骨頭を臼蓋方向に押し込む事をしていますが、中でも腸腰筋、外閉鎖筋は前と後ろ側からしめ縄の形で固定しています。梨状筋、上双子筋、内閉鎖筋、下双子筋、大腿方形筋、外閉鎖筋、大殿筋などにアプローチをいたします。
もう一つ内閉鎖筋は肛門挙筋腱弓を青矢印外側に引っ張り尾骨筋を引っ張ります。一部外閉鎖筋も働いています。
このハンモックの様に上下からの衝撃を骨頭に直達外力としてかからないように機能しています。なので初期の股関節痛であるなら閉鎖筋群の筋肉トレーニングも必要になってきます。高齢者で変形性股関節症は閉鎖筋群の低下により尿失禁の方もいます。
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