- Blog記事一覧 -眼 | 伊勢原市笠窪 鶴巻温泉治療院の記事一覧
眼 | 伊勢原市笠窪 鶴巻温泉治療院の記事一覧
涙は睡眠中には出ていませんが。目覚めている間は絶えず涙腺から分泌されています。
その割には汗や唾液や消化液などの分泌液と比べてその量は極燎に少ないのです。
1日16時間起きているとしても僅か1mlより少し多い位の量で、1年でもたった缶ビールー本程度にしかなりません。
これには感情の高ぶりや刺激物を摂った時等に出て来る涙の量は入っていません。
いわゆる悲しくなって「泣く」時は副交感神経の興奮によってドッと溢れてきますし、わさび等の刺激物で鼻の奥がツーンした時は反射的に涙が出て来ます。
涙腺は目尻の上方近くにある主涙腺と目の周りに散在している数多くの小さな副涙腺がありますが、全体の90%は主涙腺から出ています。
この涙の役割は目の表面に必要な酸素や栄養分やビタミンや成長因子を補給したり、角膜や結膜を絶えず潤す事で細菌感染を防ぎ、異物を除去しているのです。
最近、目の使い過ぎでドライアイになる人が増加して人工涙液が市販されていますが、成分的には完全なものではありません。
しかし医療用では既に血清を用いた涙液で劇的な治療効果が確認されていますので、いずれ細胞成長因子等の必要成分を含んだ人工涙液が開発されるでしょう。
人工涙液は目を酷使する時代が産んだ副産物と言えます。
不安や恐れ、怒りなどの感情の変化は相手の目をみる事で本能的に察知する事ができます。
犬嫌いの人が犬に吠えられやすいのも、目に恐れや不安が出る為に、犬に威嚇されると言います。
ところで、目だけでなくまばたき(瞬目)の回数が心理状態を反映しているという研究があります。
例えば、ストレスを強く感じている時は、まばたきは多発する傾向があります。このまばたきの回数が多ければ、それを見た人に神経質な印象を与えてしまいます。
1988年の米国大統領選挙前のテレビ討論で、互角の戦いをしていたデュカキスとブッシュの瞬目率を比較した心理学者トエッツがブッシュ有利の予想を新聞に書きました。
その予想は当たっのですが、ブッシュの方が瞬目率が低く落ち着いたイメージを与え、デュカキスは神経質で不安なイメージを有権者に与えた事が勝敗の分かれ目だと分析したのです。
また、トエッツは感情(快、不快)と注意の方向(外的一内的)の2要因が瞬目率に作用すると言う仮説を提唱しています。
それによると快感情と外的注意が瞬目を減少させ、不快感情と内的注意は瞬目率を増加させるとしています。
患者さんの瞬目で治療に対する効果も分かるといえます。ちなみに、通常のまばたきは、日本人では、リラックスしてぼんやり正面を向いている時は1分間に平均20回です。
身体の各所が老化して行くのと同じく、眼も歳を取ります。
眼は近くを見ようとすると輪状の毛様体が緊張して輪が小さくなり、それに繋がるチン小体が緩んだ結果、水晶体が自らの弾力で膨らみ、それにより近くの物にも焦点が合います。
それが老化すると水晶体が徐々に硬くなり、弾力を失って膨らま無くなります。
水晶体が最大に膨らんだ時、ピントが合う一香近い点を近点といい、これは10歳の時8cm位で、20歳で10cm、30歳で14cm、40歳で20cmと遠ざかり、50歳前後から一挙に50cmに遠ざかってしまいます。
この近点より近くの物にはピントが合わなくなり老眼鏡の使用になります。
水晶体が膨らまない分、凸レンズで補えば良いのです。
近視だった人が老眼になった時は、本を読む時に近視用眼鏡を外さないと良く見えません。
しかし良く見えた人や遠視だった人が老眼になった場合は、遠くの物を見る時には何も掛け無くても良いのに近くの物を見る時には老眼鏡が必要になります。
40代になって、新聞や本を読んだ後に眼が疲れると感じたなら、眼の老化が進んで来たというサインです。
加齢により身体は小さく縮んできますが、肝臓など他の臓器と比べれば脳の萎縮の割合は大きいものでは有りません。
とは言え、加齢に伴って神経細胞は脱落して脳は縮んで来ます。
高齢になると確実に増えるアルツハイマー病の脳は脳の萎縮、脳への老人斑の沈着、神経原線継の変化が特徴ですが、それらは痴呆の無い老人の脳にも認められる物です。
では病気とは違う脳の生理的老化とはどの様な物なのでしょう。
一言でいえば生理的な脳の老化はバランスを保っていると言う事です。
例えばパーキンソン病では黒質と呼ばれる部分の色素を持った神経が異常に脱落していって、色素を持たない神経とのバランスを壊して行きます。
さて、大脳皮質は脳の中でも萎縮度が大きい場所で、神経細胞が20代の半分になってしまう部分もあります。
この大脳皮質は6層になって一つの単位を作っていますが、生理的な老化の場合、全体に萎縮していてもこの6層が保たれているのに対して痴呆の場合には例えば第2層と3層の神経細胞だけが崩れてしまう等、バランスが壊れてしまうのです。
つまり、脳が萎縮するにしてもあくまでも全体のバランスは保たれているのが正常な脳の老化と言えます。
また、脳と言っても大きく大脳・小脳・脳幹とありますが、老化に伴う萎緯度は違います。
大脳の萎縮度が一番大きく、脳幹と小脳は大脳ほどではありません。生命維持に必要な部分、つまり原始的な部分は萎縮が少ないのです。
糖尿病性網膜症は、後天性失明の原因の第一位で、年間3000人もの人が失明しています。
糖尿病歴10年で50%が網膜症を合併すると言われていますが、最初は自覚症状が殆ど無い単純網膜症で、血糖値が正常化すれば症状が消える可能性があります。
まず糖尿病によって網膜の毛細血管に瘤が出来たり、小さい出血や侵出斑が出来たりします(単純網膜症)。
しかし、この時期を過ぎて、循環障害で酸素不足になった網膜の上に、酸素を補うために新たに血管が伸びて来る「増殖期」になると悪化はいっきにスピードアップして網膜剥離を起して失明してしまうのです。
この増殖期になる前なら、しっかりした血糖のコントロールによって改善させたり、進行を止めたりする事も可能です。
また、光凝固法という、レーザーで酸欠になった神経の一部を焼いて新生血管が出て来るのを予防する方法も可能です。
自覚症状が無いだけに、いっきに失明もあるので、糖尿病になったら、必ず定期的に眼科の検診を受けて網膜症の早期発見を心掛けなければなりません。