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感覚 | 伊勢原市笠窪 鶴巻温泉治療院の記事一覧

疲労感の正体

2021.06.12 | Category: 感覚

疲れに襲われ、日常生活も営めないという様な「慢性疲労症候群」の患者は、日本では0.3%位と見られています。

そこまでひどくなくても実際に慢性の疲労感で苦しんでいる人は多く、3人に1人は半年以上続く慢性的な疲労を感じているといいます。

そこで慢性疲労症候群が引き金となり、“疲労”の研究が進むに連れて様々な事が明らかになってきました。

慢性的な疲労の原因としては慢性的なストレスと慢性的な感染が考えられます。

慢性的にストレスが続くとナチュラルキラー細胞の活性が低下して感染症にかかりやすくなったり潜伏ウイルス等が再活性します。

すると免疫抑制のサイトカインが放出されて、内分泌を狂わされます。

その為幸福感や、やる気にかかわるDHEA-Sという神経ホルモンが異常に低下し、更にこれが脳の中での神経伝達物質の合成を阻害して強い疲労感となって行くのです。

検査しても特別な原因が見られない疲労感を訴える患者さんは、単なる気のせいでは無く、こうした体内での流れができていると考えられます。

時として慢性疲労症候群にうつの薬が効くのも神経伝達物質に上手く働きかける事があるからなのです。

この一連の悪循環を作るのはストレスだけで無く、サイトカインの放出を高める様々なウイルス、細菌、それも以前感染して潜んでいる病原によっても引き起こされます。

特にインフルエンザウイルス、サイトメガロウイルス、ボルナ病ウイルス(馬の脳炎を起こすウイルス)、ヒトヘルペスウイルス、クラミジア、マイコプラズマ等様々なウイルスや細菌が影響していると見られています。

治療として効果が期待される事は何でもやってみる様ですが、ビタミンCの大量投与(4g/1日)や漢方薬の補中益気湯や十全大補湯等に効果があるといいます。

慢性的な痛みはなぜ生まれる?

2021.06.12 | Category: 感覚

1987年に免疫学の抗体遺伝子でノーベル医学生理学賞を受賞した利根川進氏はMIT大学で痛みについてグループ研究を続けています。

その中で、外傷等で神経の障害によって引き起こされる慢性の痛みが起こる機序に重要な役割をしている物質を特定しました。

これは脊髄の中の細胞内伝達系のPKCγ(プロテイン・キナーゼ・ガンマ)という物質です。

痛みを伝える神経が障害されると、触覚を伝える神経が新しい枝を伸ばし痛みの神経に接触して痛みを伝える神経回路ヘバイパスが形成されます。

ですから軽く触られたり、触れられたりする非常に弱い信号を脊髄の中の痛みの神経に伝えるのです。

そこでPKCγがその信号を増幅させ大脳皮質に送る為に、強い痛みを感じるのです。

ですから、利根川らのグループの実験で遺伝子操作してこの物質を欠損させたマウスは神経を損傷しても神経障害性の疼痛は起ら無かったと報告しています。

この様な脊髄の中で痛みの信号を増幅させる物質は他にも見つかっています。

よく知られた代表的なものにP物質(サプスタンスP〉や神経の興奮を伝える興奮性アミノ酸(EAA)などがあります。

特にひどい外傷や手術の跡等に、激しい痛みの聘激が脊髄に伝えられ続けると、触角を伝える細胞にP物質を作る遺伝子が誘導されてしまいます。

この状態が形成されると、傷口が治った後でもそこを触っただけでも痛みや痺れが起こります。

この様な状態を特に「アフロディニア」(異痛症)と呼んでいます。

いずれにしても、慢性的な痛みが起こるのは末梢から中枢までの神経回路の中で複雑なプロセスが生じて起こっているのです。

内臓感覚を鍛える事

2021.01.18 | Category: 感覚

身体に与えられた情報は感覚器を通り、最終的には中枢神経によって意識されます。しかし、感覚の中で身体の内に起こっている現象を唯一察知出来るのが内臓感覚です。

この内臓の入り口と出口に有るのが味覚と尿意や便意で、これらの感覚は鮮明に意識出来ますが、内臓の中で起こっている不快さはかなり曖昧になってしまいます。

形態解剖学の三木成夫先生は「内臓の感覚は脳と連繋は一般にぼやけ、従って、そこに起こる全ての出来事は肉体の奥底に蟲く無明の情感として、ただそこはかと無く意識の表に姿を現わすに留まる。

内臓の不快が思考の不快に化けるゆえんは、ここに有るのではなかろうか」と述べています。三木先生は内臓感覚を鍛える事が豊かな情感や思考を生み、生命の営みを察知出来る重要な感覚であると力説しました。

その為に口腔感覚の練磨を提唱しました。つまりまだ原初的な生命の尻尾を持った乳児の時期に「舐め回し」や「母乳の吸引」をする事で内臓感覚は豊かになると言っています。

やたら清潔になり過ぎて舐め回しという行為を子供から奪う事は、腸管リンパ系を無し崩しに骨抜きにする事であり、恐ろしい去勢の行為と知らねばならないとまで断じています。

古来より東洋医学では内臓とあらゆる感覚が結ばれているとされてきました。現在の針灸の経絡理論も五行説も体表から内臓のバランスを整えると言う考え方に立脚しています。

人間は普段の生活の申で無意識の内に内臓感覚の実感をより深く認識しているのです。

聴力低下の危険因子

2021.01.17 | Category: 感覚

聴力は高齢者の日常生活動作(ADL)に深く関連する老化の指標ですが、実際に老化と共にどの様に変化し、どの様な因子の影響を受け易いのかはよく分かっていませんでした。

愛知県の国立長寿医療研究センターが6万6千人の人間ドック受診者を対象に、8年間に渡る追跡調査を行った結果、20代では変化が無いのに30代になると男女共に年齢に比例して聴力が低下するのが認められました。

男女差が出たのは4000ヘルツの高音レベルで、男性は60歳で聴力損失が30デシベルという軽度難聴(両耳を指で塞いだ位)に達し、70~80歳で50デシベルの高度難聴(ほとんど聞こえ無い)に達しました。

しかし女性は70~80歳でも高音域の聴力が余り落ちず、軽度難聴に留まりました。

加齢に加えて聴力に影響を与える危険因子を見つける為、血圧や肥満度、喫煙や飲酒の習慣、赤血球数等との関係についても調べた結果、特に女性で喫煙と聴力低下の関係が著しい事が明らかになりました。

平均して40歳代で毎日20本以上吸う人は、吸わない人に比べて約6年聴力の老化が進んでいると言います。

喫煙男性にも女性程では無いが聴力低下が見られ、また喫煙者と同居している非喫煙者も難聴になり易い事も分かったのです。

他には肥満やコレステロール等生活習慣病となる因子の悪化も聴力低下に関係していました。喫煙が最も聴力に影響を与えるのは、聴覚器官への血行が妨げられるのが原因だろうと考えられています。

嗅覚の一生

2021.01.16 | Category: 感覚

嗅覚は進化の面から見ると五感の中でも古い感覚です。発生の過程でも早い時期に作られ、妊娠5ヶ月頃になると匂いを感じる事が出来る様になります。

羊水の匂いが原始的な匂いの記憶になって母親への愛着など、その後の発達に役割を果たす事になるのです。子供の頃は匂いに対する好みは狭いのですが、性ホルモンが活発になる思春期になると匂いの好みが大きくに変化します。

それまで好きだったストロベリー等の匂いは好まれ無くなり、不快に感じられていたジャコウ等のフェロモン系の匂いを快く感じる様になるのです。

それも20歳以降では匂いの好みはあまり変化しません。匂いに対する感受性は30~40歳で最高に達し、50~60歳ではまだ匂いに対する感受性は健在です。

ところがそれ以降嗅覚は衰えて行き、80歳までの半数、80歳以上の4分の3は嗅覚がほとんど衰えてしまうと言います。この衰えは特定の匂いに対してでは無く、匂い全般が嗅げ無くなって行くのです。

原因は鼻腔障害や粘液層の乾燥、嗅細胞数や産生数の減少、脳の嗅皮質の退化等が考えられます。嗅覚は感情や気分、記憶と密接に結び付いているので、嗅覚の衰えは全身的な影響を与える事になります。

パーキンソンの初期には幻臭が起きたり、うつ病では自己臭感覚が強くなる事もあります。また痴呆症の前触れとして嗅覚が急激に低下する事があるので診断の一つの目安となります。

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