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くすり | 伊勢原市笠窪 鶴巻温泉治療院の記事一覧

高齢者の薬

2020.11.12 | Category: くすり,老化

治療経験が長いと患者様が薬でろれつが回らない状態でぐったりされている現場を何度か経験しています。脳疾患の可能性もあるので救急医療に連絡しますが、結果は全て薬の作用によるものでした。高齢者は複数の疾患を持っている事が多く、飲んでいる薬も多種類、多量である事は少なくありません。元になる疾患に加えて老化による生理的変化も重なるので、壮年期とは違った薬の効き方になります。一般的に高齢者は体内脂肪率が増える上に脂肪の代謝が落ちるので脂溶性の薬が体内に蓄積されやすくなります。また体内水分量は減りますから、水溶性の薬も濃度が上がります。加えて肝臓での薬物代謝酵素が減ったり肝血流量が減って機能が落ちる為に薬の代謝が悪くなり血中濃度が上がります。更に腎機能が落ちて老廃物が尿中に排出され難くなっても血中濃度は上がります。この様に高齢者の生理は薬の効き方が強くなり過ぎる傾向があり、それだけ副作用も強く現れたりします。詳しい統計では無いのですが、ボケ症状で受診する高齢者の2割位は薬による副作用だとみなす事が出来るとも考えられます。治療院に来る高齢の患者さんが日常どの様な薬を飲んでいるのかを把握し、症状の変化にも副作用の可能性を常に考えておく事が大切です。
要注意 高齢者の薬による副作用
睡眠薬→ せん妄、記憶障害
抗不安薬・抗うつ薬→ パーキンソニズム
ステロイド→ 糖尿病、消化管出血、白内障、緑内障、骨組穀症
カルシウム桔抗剤→ 急激な降圧、便秘、浮腫
利尿降圧剤→ 低K血症、尿酸値上昇、血糖値上昇
β遮断剤→ 心不全、うつ病
ベンザミド誘導体の消化薬→ パーキンソニズム
H2ブロッカー→ せん妄、昏迷

プロザック

2020.06.30 | Category: くすり,メンタル

抗うつ剤のプロザックは米国で売り出され、憂鬱な気分のアメリカ人たちにとって奇跡のして広まってきました。

90年代になると「ニューズウィーク」の表紙になり、さらに一般の人にまで浸透していき、現在はアメリカだけで約500万人以上の気分障害の人が副作用も少ないという事で常用しているそうです。

ところで、脳内化学物質の中で、気分や意識等に影響を与える神経伝達物質として、ノルエピネフリン、ドーパミン、セロトニンなどがあります。

これらの化学物質は、単に神経細胞にメッセージを伝えるだけでなく、その放出量により強く伝えたり、逆に弱く伝えたりするフイードバツクにも関与しています。

このなかで、現在うつ状態に関わっているといわれているのがセロトニンです。うつの人は、健康な人よりセロトニンを含有するシナプス小胞が少なく、神経の刺激に対して十分な量のセロトニンをシナプス間隙に放出する事ができません。

このプロザックはセロトニンの量を増やす作用のある選択的セロトニン再摂取阻害剤( SSRI)の一つです。

確かに、今までのうつ病薬の副作用からいえば、画期的な薬とはいえアメリカではこの薬による副作用によって自殺や衝動的暴力が起きたとして訴訟が発生しています。

抗菌剤の正しい使用の勧め

2020.06.14 | Category: くすり

MRSAに有効とされるバンコマイシンも効かない新たな耐性菌(VRE)が出現、院内感染が多数発生して問題になっています。

今日、病院・医院で感染症と診断されると極めて簡単に抗菌薬が出されます。

抗菌薬には、細菌の細胞壁や蛋白質の合成を妨害して死滅せる、ぺニシリンやストレプトマイシン等の抗生剤や、細菌のDNAの機能を妨害して殺すキノロン系の化学療法があり、各病原体に応じた作用と容量が決められています。

その薬理作用は様々に異なるので、各病原体に応じた抗菌薬を決められた量で規則正しく服薬しないと、体内の病巣で病原体を十分殺すだけの抗菌薬の濃度が得られません。

個人の判断で、強い薬だから控え目に飲もうとか、症状が無くなったからと言って直ぐに服薬を中止してしまうと、完全に死滅しなかった菌がまた増える事になります。

そこでまた薬を飲んで抑えると言った事を繰返す内、遺伝子の変異や新しい遺伝子の獲得により耐性を得た菌が選択され、各薬剤に対する耐性菌が出現する事になります。

一旦抗菌薬を使い始めたら、病原体を十分にやっつけたと確認されるまで、薬の便用を勝手に止める事は危険です。又、処方された抗菌薬を安易に家庭内で回し飲みする等すると耐性菌の家庭内感染の恐れもあるのです。

薬の食べあわせ

2020.03.16 | Category: くすり

高血圧をコントロールする薬は、飲み始めると長く飲み続ける事になります。所が案外見過ごされているのが、薬と食べ物との相性です。例えば減塩を厳しく守りながら利尿剤を飲むと、薬の効き目が強くなって急激に血圧が低下したり低ナトリウム血症になる場合があります。またβ遮断薬はアルコールとー緒に飲むと薬の血中消失が旱くなり効か無くなくなりますし、タバコと一緒でも薬効が失われてしまいます。Ca桔抗薬とグレープフルーツジュースを一緒に飲むと急な血圧降下や動悸、吐き気等が起こるのはグレープフルーツだけに含まれるある種のフラボノイドが肝臓の薬物代謝酵素のP450を阻害する為に、身体の中での薬の可動率が2倍以上にもなるからです。また血管を拡張させて血圧を下げる塩酸ヒドララジンは亜鉛を多く含む食べ物と一緒だと頭痛や頻脈、起立性低血圧等の副作用が出る事があります。亜鉛を多く含むのは牡蠣や豆類、カボチヤ等。所がACE阻害剤では亜鉛の吸収を阻害するので、長く服用している間に味覚異常が起こる事があります。最近の降圧剤は副作用も少なくなっていますが、食べ物やお酒、タバコによって影響を受ける事もあるので、軽視せず、変だなと思ったら医師、薬剤師に詳しい説明を求める事が必要です。

バイアグラの作用機序

2020.03.02 | Category: くすり

1998年4月に米国で、ファイザ一社が 開発した経口インポテンツ(ED)治療棄バイアグラが発売され、爆発的な人気を呼び、バイアグラ、シアリス、レビトラなどのED薬の偽薬が問題になっています。多数の輸入代行業者がインターネット上で個人輸入を募ったりしていますがほとんどの業者は問題無いと思いますが中には悪徳業者が存在します。バイアグラの主成分はシルデナフィルで、これは本来心臓の血管を広げ血圧を下げる目的で開発されたのですがそちらの方の薬効はいまひとつで、「困った前作用」として報告された症状が薬効に昇格したものです。勃起のメカニズムは、性的興奮により大脳から陰茎中の化学物質サイクリックGMPを増量せよという信号が出されます。これは海綿体をリラックスさせ、GMPにより局部の動脈が広がり、一気に大量の血液を流れ込ませるのですが、静脈からは常に流出、しかし一時的に血液の流入の方が多い為に勃起が持続します。インポテンツの男性はGMPの分泌、が少ないのか、もしくGMPを破壊する酵素の分泌量が多すぎる為静脈から必要な血液が流れ出してしまうのです。バイアグラはこのGMP を破壊する酵素の的きを弱める事により、勃起を促進させるのです。日本ではバイアグラを処方箋で手に入れられますが中高年、高齢者が快楽追求の為規定量以上飲んだりするケースもあり、心臓疾患や高血圧の薬を服用しているのであれば、医師に相談のない併用は命取りになりかねません。

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