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がん | 伊勢原市笠窪 鶴巻温泉治療院の記事一覧

癌治療予測の歴史

2021.04.30 | Category: がん

1990年代の始め、これからの10年間(つまり2000年頃までの間)で癌治療はどの様になるかを見通した調査があります。

癌専門家はこの10年間の間に基礎研究の分野で癌の全容が分かると予想する人が4~5割もいて、7~8割は2010年までには分かるだろうと考えていました。

診断の上で著しい進展があるとしたのはダントツが遺伝子診断で、ついでMRI、内視鏡、腫瘍マーカー等を有望視していました。

治療の面では遺伝子治療と抗癌剤が最も有望視され、骨髄や臓器の移植、内視鏡手術、免疫系の活性化による治療も進むと予測していました。

全体的には10年前、癌の解明はすぐに手が届く所まで来ているという楽観的な見方がされていたといえます。

一方、一般有識者では遺伝子治療に対する予想は低く、治療の面では手術と抗癌剤の併用、化学療法やレーザー療法が進展するだろうと考えていました。

特定の癌の決定的な検査法や抗癌剤が開発されて、大部分の癌が治癒可能になるだろうという見方も多く、癌専門医よりも更に楽観的な見方をしていた様です。

こうした事からみても癌医療の進歩の予測は楽観的になり易い事が分かります。

天寿癌?

2021.04.29 | Category: がん

先進国では毎年死んで行く人の8割は60才以上で、平均年齢は70才以上になっています。

つまり多くの人が長生きをする様になり、若死には珍しい時代になって来たといえます。

日本での死亡原因の第1位は癌で、1950年代から急カーブを描いて増加し、これからも増えると予想されています。

癌は生活習慣と関連がありますが、原因は遺伝子の異常によるものです。

老化した細胞は遺伝子異常を起こしやすく、その意味では癌は老化の一面であるとも考えられる訳です。

人が長く生きればほぼ全員癌になると言います。

従って高齢者が増えれば当然癌の発生率も高くなる事になります。

現に老化による影響を補正して死亡率をみると、癌が増加しているとは言えず、男性では横ばい、女性では減少傾向になるのです。

つまり癌が増えているのは高齢者が増えた為で、高齢化は更に強まりますから、癌その物が無くなる事は無いと考えられます。

よく言われる事ですが、高齢者の癌は若い人の癌と進って、正常組織とあまり変わらない構造を保つ分化型の癌が多く、進行がゆっくりして転移も少ないという特徴があります。

生活に気をつけて癌になるのを伸ばしたり早期発見早期治療で共存しつつ逃げ切れば、癌でも天寿を全う出来るかもしれません。

オーダーメイドの抗癌剤

2021.04.27 | Category: がん

抗癌剤の認可の条件は、実際の患者で薬を試す臨床試験で、2割程度の患者の癌が小さくなる事です。

現在100種程度が厚生労働省から認可されていますが、延命効果は認可後に改めて証明する事になるので、抗癌剤では、癌が縮んでも患者が長生きするとは限らないのです。

抗癌剤には、癌細胞の特徴である分裂が盛んな細胞を殺す薬が多いので、正常でも分裂が盛んな胃腸の細胞や、白血球や赤血球を作る骨髄の細胞を傷つけ、吐き気、下痢、白血球減少による免疫力低下、貧血等の副作用を起こします。

実際の患者で効果が証明された薬を適切に使わなければ、単なる毒薬となってしまうのです。

ゲノム解析が進んだ現在、人の遺伝子は基本的に同じですが実際には個人間で微妙な差がある事が分かってきました。

この微妙な差を多型と言い、数百個の塩基の中から遺伝子の中で塩基一つだけが異なっている事から、一塩基変異多型(SNPs)とよばれています。

このSNPsが個体毎に違う為に患者毎に薬剤の効果が異なるので、このSNPsが薬剤の効果のある患者を識別する薬理ゲノムに活用出来る事が判明したのです。

この事から、患者の癌の性質に合わせ、個別的な薬を作るという、オーダーメード医療が期待されているのです。

自宅で出来る癌検診

2021.04.26 | Category: がん

集団検診や人間ドックはすっかり定着していますが、一方で、忙しい、病院が嫌い(怖い)の理由で心配しながら検診を受けない人も多い筈です。

そんな人の為に郵便で検診を受ける方法があります。

大腸癌については保健所でも郵便で検査出来る様ですが、最近では検査方法や検体採取の方法に工夫が加えられて、様々な癌の自宅検診が受けられる様なシステムが出来ています。

スクリーニング出来る癌は胃癌、膀胱癌、大腸癌、肺癌、子宮癌などで、申し込めば検査キットや説明書、問診票が送られて来て、指定通り検体や問診票を送り返せば結果を知らせてくれます。

検体は内容に応じて血液、尿、便、痰、子宮分泌物等を送ります。

例えば胃癌検診では数滴の血液によって前癌症状である萎縮性胃炎のチェックをすると同時にヘリコバクター・ピロリ菌の抗体の有無を調べてくれます。

血液尿では前立腺癌も調べる事ができます。

大腸癌ではスティックに便を採って1日だけの分を調べる法と、繊維質を飲んだ後2日間に渡って便の表面に触れて調べる方法があります。

子宮頸癌は諭粘膜をこすったスポンジを送る事で検査します(子宮体癌の検査は腫瘍マーカキットしか出来ません)。肺癌は3日分の痰を採って送ります。

電話で話す事によって喉頭癌かどうかを調べてくれる所もあります。

いずれも大丈夫かどうかの検査なので確実な診断が出る訳ではありませんが、ひとつの目安として利用できるシステムでしょう。

諸外国とのモルヒネ使用量の差

2021.04.25 | Category: がん

癌の痛みは病状が進行するほど発生頻度が高くなり、しかも次第に増強するという特徴があります。

日本で今年癌で亡くなる約38万人のうち、少なくとも12万人は完全には除痛されないままの死を迎えているといわれています。

痛みを取り除くことは、末期悪者だけで無く全ての患者のQOLの改善をもたらす医療で、手術や放射稼治療といった癌を治す為の医療と対立するものではありません。

強い痛みの鎮痛薬としての医療用モルヒネの大部分が、癌の痛みの治療に使われていて、各国での年間使用量が癌の痛みの治療の進展度を示す指標になっています。

日本では、1999年医療用麻薬モルヒネ換算201㎏から比べると2010年5.736㎏と大きく年々数字を伸ばしているのに対して2011年には5.179gと逆に減っている年もあります。

国際比較でみると100万人1日あたりの消費量換算(モルヒネ、フェンタニル、オキシコドン合計)2007年~2009年のデータでオーストラリア1.502.2gアメリカ1.725.0gに対して日本96.8gといった国々に比べて、まだ少ない使用量です。

医療者の対応が遅れている事の原因に、一定の量以上を使ってはいけないとか、使う対象は予後の短い患者に限るといった過去の医学教育があり、日本の麻薬取締法が厳しかった事もあります。

また患者側も、癌の痛みには有効な治療法が無いという誤解、医療目的の麻薬についての誤解、痛みは我慢するべきといった考えなどがあります。

しかし癌の痛みの治療を要求する事は患者としての権利であり、充分な痛み治療を行う事は医師の義務です。

痛みによる睡眠不足や食欲不振、病気への怖れや不安が取り除かれるならば、末期の癌患者でも家庭で安らかに過ごす事は充分可能なのです。

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