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うつ病 | 伊勢原市笠窪 鶴巻温泉治療院の記事一覧

高齢者のうつ病の特徴

2021.06.13 | Category: うつ病,加齢

高齢者のうつ病では、一般に下記にある様な症状が出ますが、不定形に現われる事が多く、身体疾患を伴うのが特徴です。

また風邪、下痢、腰痛、外傷などの一見軽い病気がうつ病の誘因になる事も多くあります。

脳卒中などの脳の器質的、機能的変化も原因になりますし、がん等の重大な病気の数週間前から数ケ月前に先立ってうつ状態があらわれる警告うつ病と言われているものもあります。

また、配偶者や友人や仲間の死、子供の独立あるいは同居、家族の病気の看病、夫婦関係、親子関係等の精神的ストレスが誘因になる事がかなりあります。

またうつ病に伴って被害妄想や幻聴等をきたしやすく痴呆症と間違われる事もあります。

更に高齢者のうつ痢は一般に自殺率が高く、特に不安、焦燥、妄想のあるものは要注意です。また、栄養不良、食欲不振、脱水等をおこしやすいので身体状態に特に注意が必要です。

アメリカ精神医学会のまとめた
DSM-IVの大うつ病性障害の診新基準
以下の症状のうち5つ(またはそれ以上)が同じ2週間の間に;存在して、病前の機能からの変化を起している。
これらの症状のうち少なくとも1つは、抑うつ気分または興味または喜びの喪失である。
(1)患者の主訴(たとえば、悲しみまたは、空虚感を感じる) か、他者の観察(たとえば、涙を流してしているように見える)によって示される、ほとんど1日中、ほとんど毎日の抑うつ気分。
(2)ほとんど1日中、ほとんど毎日の、ほとんどすべての活動における興味。喜びの著しい衰退(患者の主訴、または他者の観察によって示される)
(3)食事療法をしていないのに、著しい体重減少、あるいは体重増加(例えば、1ヵ月で体重の5%以上の変化)、またはほとんど毎日の、食欲の減退または増加。
(4)ほとんど毎日の不眠、または睡眠過多。
(5)ほとんど毎日の精神運動性の焦燥または制止(他者によって観察可能で、ただ単に落ち着きが無いとか、のろくなったという主観的感覚ではないもの)
(6)ほとんど毎日の筋疲労性、または気力の減退。
(7)ほとんど毎日の無価値観、または過剰であるか不適切な罪責感(妄想であることもある。単に自分をとがめたり、病気になった事に対する罪の意識ではない。)

抗うつ薬とチラミン

2021.06.11 | Category: うつ病

興奮性の神経伝達物質のうち、ノルアドレナリン・セロトニン・ドーパミンは、アミノ基を1個だけ持っている「モノアミン」という構造をしています。

これらを酸化分解する「モノアミン酸化酵素(MAO)」が盛んに働くと、体内のモノアミン濃度が異常に低くなり、神経伝達物質が不足してうつ病発生率が増加することが確認されています。

さてモノアミン酸化酵素はヒトの腸壁や肝臓にあって、チーズやワイン等に含まれるチラミンや、マグロやブリ等の魚類に多く含まれヒスタミンに変化するヒスチジンなどの成分を代謝しています。

ところが抗うつ薬のMAO阻害剤を服用している場合、チラミンとヒスタミンが分解されなくなって体内に蓄積され、交感神経に過剰に働きかけて、顔面紅潮・腹痛・頭痛・血圧の変動等を引き起こします。

チラミン中毒とヒスタミン中毒は症状が似ていますが決定的に違うのは血圧の点で、チラミン中毒は血圧が上昇するのに対し、ヒスタミン中毒では低下します。

特にチラミン中毒では血圧が激しく上がる事があり、脳出血やクモ膜下出血を引き起こしたりします。MAO阻害剤を使用中の人はチラミンを含むチーズ・ワイン・ビール・そら豆・にしん・レバー等を摂らない事となったのです。

現在の日本では副作用の強いMAO阻害剤はあまり使われませんが、中毒を起こさない選択性の高い新しいMAO阻害剤を開発中です。

また他の薬でも、三環系抗うつ薬や抗不安薬をアルコールと一緒に摂取すると、血中アルコール濃度が急激に上がる事が分かっています。

中枢が強く抑制される為に運動障害・呼吸抑制にまで至ると危険です。

うつ病気質

2021.06.11 | Category: うつ病

うつ病になりやすい性格とは、几帳面、仕事熱心、堅実、律儀、責任感が強い、秩序志向等だといわれます。

これは執着気質といわれる性格ですが、ドイツのテレンバッハという精神病理学者はこうした性格に加えて、対人関係においても秩序志向や几帳面さが強く、他人に対して誠実で気を使い、衝突を避けるといった性格をメランコリー親和型としました。

うつ病になりやすい型の一つとして取り上げたものです。

しかし、このメランコリー親和型のタイプというのは多くの日本人にとっては望ましい、模範的とされている性格です。つまり日本の文化、社会構造、メンタリティーそのものがメランコリー親和型うつ病の病前性格を理想としているとも言えるわけです。

しかも管理が強化された社会ではメランコリー親和型の人にとっては過剰適応から適応破綻につながりやすいのです。

このメランコリー親和型うつ病では重症化すると自殺念慮も強くなりがちですが、抗うつ薬に反応しやすく、治療しやすいうつ病といえるようです。

一方、時代の流れで社会的規範が多様化する中、最近ではメランコリー親和型とは違う傾向のうつ病が注目されてきています。

過保護で葛藤のない養育過程や母子分離がなされないままに成長する等の自立不足による未熟的な逃避型抑うつの増加です。

自分に対する関心が大きく、病気に対する過度な気遣いをしたり、対人関係において過敏に反応しがちで、仕事にムラがあったりする事が特徴とみられています。

現実逃避的になり急に自殺を図ったりして周囲の人を困惑させたりします。

性格や環境の影響が大きく、依存や甘えが強い傾向があります。

長引く事が多くて抗うつ薬に反応しにくく、うつ病というより神経症に近いとみられています。

いずれにしても感情に関する障害は文化や社会状況と関係が深く、日本の文化的な特性という面から考える事も必要といえるでしょう。

女性特有のうつ病

2021.06.11 | Category: うつ病

女性のうつ病患者数は男性の2倍となっています。

思春期に入るまでのうつ病の発症率は男女同等で、11~13歳の間に少女のうつ病率がぐっと上昇し、15歳になると大うつ病の発症率が男性の倍に達します。

生殖可能な年齢でのうつ病の発生が男性よりも多い事からも、情緒や精神的問題と女性ホルモン産生が深く関連している事が分かります。

また結婚や出産がきっかけでうつ病になる事がよくあります。

出産後2、3日で新しく母親となった女性の半数が、理由も無く泣いたり赤ん坊に否定的な考えを持つ「ベビーブルー」という症状がありますが、この様な感情は正常であって1週間位で治まります。

しかし「産後うつ病」は出産後4週間位までに現れるもので、大うつ病と症状が重なるものが多くやや重症です。

女性ホルモンのバランスが劇的に変化する事によって、気分を調節している脳の活動に影響し、ストレスに対する抵抗力が弱くなるのです。

更に出産はホルモンの変動という生物学的な事だけで無く、身体的・精神的にもストレスが増える時期であり、これらが重なってうつ病が起きやすいと考えられます。

また更年期もうつ病が発症しやすい時期です。

この時期も女性ホルモン分泌の変化によって身体的・精神的な不調が現れやすくなります。

また家庭内でも、子供の進学や就職・夫婦関係の問題・親の病気や介護・老後への不安等、様々なストレスが更年期の女性にのしかかる事が多く、うつ病が発症しやすいのです。

老人のうつ病

2021.06.11 | Category: うつ病

中年頃までのうつ病が内因性のうつ病である事が多いのに対して、老人のうつ病では身体性や心因による傾向が強まります。

風邪等、壮年であれば何でも無い軽い疾患が引き金になったり、脳卒中やパーキンソン病など脳の変性による事も多くなります。

また老年期そのものが、配偶者や友人など人間関係を始め、仕事や社会的役割、経済力、更には自分の健康など、様々なものを喪失していく時期でもあって、そうした新しい状況が一層うつ病へと追いやります。

老人のうつ病の症状では不安や焦燥感、神経症的傾向が強く、自殺率も高いのでより注意が必要です。

症状としては身体化された症状がよく見られ、中でも便秘の訴えは非常に多く、身体症状への強いこだわりも起こります。

身体症状の中身はめまいや頭痛等多彩ですが、共通的なのは睡眠と食欲に障害が起こっている事です。

また妄想も起こりやすく、貧困妄想や罪業妄想、被害妄想等で自分はいない方が良いとか、迷惑をかけている等と信じ込む事もあります。

また身体活動も思考も低下して、-見痴呆の様なうつ病性の偽痴呆が起こる事もあります。

痴呆の症状が急激に起こった時はまずうつ病が考えられますがうつ病による偽痴呆では抗うつ剤によって可逆的に回復する事ができます。

ただ、高齢では薬の副作用も出やすく、他の疾患の治療薬との相乗作用も起こりやすいので細心の注意が必要となります。

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