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激化する特許戦争

2021.06.15 | Category: 遺伝子

病気に関する遺伝子の研究が進むにつれて、遺伝子の特許争奪戦が激烈になっています。

その先端にあるのがアメリカですが、米特許商標庁は「ステルス特許」を禁止するガイドラインを発表しました。

ステルス特許とは、“何の遺伝子かは分からないが、とりあえず遺伝子だから特許をとっておこう”という様な特許です。

こういった特許を禁止するというのは当たり前と言えるでしょうが、一方で、はっきり何かは分からないが何らかの有用性(それを利用して薬を作る事が可能など)を証明すれば遺伝子の断片でも特許を認めています。

そもそも自然に存在する遺伝子に関して特許が認められるかという疑問の一方で、遺伝子の研究には膨大な研究費が必要であり、その為にも特許が必要であるとの立場が優勢です。

しかし、一度特許が得られると、その遺伝子を研究するにも特許料を支払わなければならなくなったり、その為に利益を生みそうに無いと分かった研究(極まれな病気に関した遺伝子のような場合)が進まないという事も起こってきます。

現にカナバン病を発症した子供の病原遺伝子を発見したマイアミの子供病院は、特許をとって他病院ではカナバン病の検査ができなくなるという様な事や、ある会社が持つアルツハイマーを診断するための遺伝子が自由に使え無くなり、特定の場所でしか研究でき無くなった等という事が起こっています。

また特許に触れるのを恐れて研究を中断したり断念するという研究所や研究者も増えているといいます。

特許を取った会社が安価な薬を提供するのか、治療に莫大なお金を使わなければならなくするのかは会社の意向次第という事になるのです。

このような事態は法的には問題がないとしても、倫理的には問題が大きいと言わざるを得ません。


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