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高齢者の大動脈疾患

2021.06.13 | Category: 老化

高齢者が増えるに連れて大動脈疾患も年々増加しています。大動脈疾患には大動脈解離、胸部大動脈瘤、腹郭大動脈瘤があります。

生命を直に脅かす大変危険な大動脈疾患の背後には生活習慣病があり、動脈硬化、高血圧等の疾患が伴い、それに連れて悪化していきます。

ですから、早期に発見する事が重要です。大動脈解離による突然死の大部分は上行大動脈の破裂で起こります。

大動脈内膜の亀裂(エントリー)が発端になり、次第に大動脈壁が中腹外層で解離して、最後には破裂してしまいます。

適切な治療を受けなければ予後は不良です。典蛮的な初発症状は、突然の激烈な胸背部痛、腹痛、下行動脈解離では腰痛も起こります。

また胸部大動脈瘤と腹郭大動脈瘤も動脈硬化症と高血圧が主な原因です。

胸部大動脈瘤では瘤が大きくなり、瘤径が5cm、あるいは正常径の2倍を超えると破裂の危険性が高くなりますので手術が必要です。

また、動脈瘤の場所によっては、気管支、食道、反回神経、脊椎の圧迫による、喘鳴、嚥下障害、嗄声、胸背部痛等を起こします。

腹部大動脈瘤では、我々に関連する症状としては腰痛です。

ちなみに腹部大動脈瘤は破裂前に外科的手術をすると98%の確率で予後良ですが、破裂後では50%以下になります。

80才以上の高齢者の手術も現在では積極的に行われていて、年齢によるマイナスはあまり無いそうです。

いずれにしても高齢で高血圧や生活習慣病を抱えた患者さんの背部や腰部の急激な痛みは我々にとって極めて要注意の症状なのです。

下手に治療すると大動脈の破裂を招く事になりかねません。


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