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カルシウムパラドックス

2021.06.11 | Category: ホルモン

カルシウムは骨や歯を形成し、更に筋肉の興奮、電気的な興奮、ホルモン分泌、等数え切れない程多くの作用に関与しています。人体のカルシウムの99%は骨、1%は血液中にあり、血清カルシウム濃度は一定濃度に保たれています。その濃度を保つカルシウム調節ホルモンには副甲状腺ホルモン、活性型ビタミンD、カルシトニンが働きます。カルシウム濃度が低下すると副甲状腺ホルモンが破骨細胞に働きかけ骨の成分が血液中に溶け出すのを促し、濃度を上げます(骨の吸収)。カルシトニンには濃度が上がったものを下げて骨を作る作用があります(骨の形成)。またビタミンDは体の中に入ると肝臓と腎臓で活性型ビタミンDと呼ばれる物に変化し、この活性型ビタミンDには腸からのカルシウムの吸収を促進し骨の形成や吸収の大切な働きがあります。食べ物からとる余分なカルシウムは腸に調節機能があるため腎臓から排出されるのですが、副甲状腺ホルモンによって骨から溶けでた余分なカルシウムは血管の細胞内に溜まります。正常な細胞内カルシウム濃度は細胞外の1万分の1と言う極微量で、細胞外と細胞内のバランスが崩れる事で細胞が機能停止するのです。カルシウムが不足すると、逆に細胞内のカルシウムが増加する現象を、「カルシウムパラドックス」(逆説現象)と言います。動脈硬化の発生するきっかけに、カルシウムの摂り過ぎが原因のひとつと考えられていますが、逆にカルシウム摂取不足で骨から血中ヘカルシウムが遊離し、そしてカルシウムが血管壁に沈着する事が分かってきたのです。高血圧症、糖尿病、痴呆症、免疫機能低下等あらゆる生活習慣病や老化の原因となるのです。カルシウムは毎日腎臓から尿と一緒に500~600㎎が排出されますが、日本人はカルシウム摂取量が400~500㎎の摂取量と少ないので、カルシウム不足に陥りやすく、厚生労働省は1000㎎の摂取を勧めています。摂取する場合には必ずマグネシウムと一緒に摂り、バランスを取る事が大切です。


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