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習慣性流産

2021.06.11 | Category: 免疫

妊娠24週未満に胎児が死んだり母体外に出てしまって妊娠が途絶することを流産と言いますが、自然流産が3回以上連続する場合を習慣性流産といいます。その習慣性流産の原因は胎児では無く母体にある事が多く、検査によって免疫の異常、子宮奇形、子宮頚管無力症、膠原病、ホルモン異常等が分かる事があります。しかし60%は原因不明といわれています。母体にとって、赤ちゃんの半分は自分の細胞ですが、残り半分は「異物」である夫の細胞です。通常、妊娠中は胎児を「異物」として拒絶しないように免疫機能が働きますが、これを生殖免疫といいます。この免疫バランスが崩れると、母体が胎児を拒絶してしまうのです。現在考えられている説では夫婦の免疫型HLAの違いが大きいほど流産し難いといわれています。これは胎児が着床した事がきっかけで母親の体の中に胎児を排除しようとする免疫反応を抑える遮断抗体ができるのです。異物度が高いほどこの抗体が多くでるのです。HLA型の共通項が多く異物度が少ないほど遮断抗体が少ないので流産するというのです。治療としては異物度が高める為の免疫療法が行われ、夫の血液中のリンパ球を母体に接種する事で、胎児を排除しようとする免疫反応を抑制するのです。また最近では自己抗体である抗リン脂質抗体があると流産率が高い事が分かってきました。細胞や血小板等の膜成分はリン脂質が主成分で、その膜を通して色々な物質が交通するのですが、この抗体が陽性であると、胎盤内の微小血管に血栓が生じて血管が詰まってしまい、胎盤の機能が低下して、流産、子宮内胎児死亡が発生すると考えられています。従来、流産や死産を繰り返すと精神的な過度のストレスから異物を排除する働きのあるNK細胞が活性化され、免疫異常が起こるともいわれています。習慣性流産は、多くの場合お母さんが仕事を続けていたからとか、重い物を持ったからといった不節制な生活が原因ではないのです。


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