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老人のうつ病

2021.06.11 | Category: うつ病

中年頃までのうつ病が内因性のうつ病である事が多いのに対して、老人のうつ病では身体性や心因による傾向が強まります。風邪等、壮年であれば何でも無い軽い疾患が引き金になったり、脳卒中やパーキンソン病など脳の変性による事も多くなります。また老年期そのものが、配偶者や友人など人間関係を始め、仕事や社会的役割、経済力、更には自分の健康など、様々なものを喪失していく時期でもあって、そうした新しい状況が一層うつ病へと追いやります。老人のうつ病の症状では不安や焦燥感、神経症的傾向が強く、自殺率も高いのでより注意が必要です。症状としては身体化された症状がよく見られ、中でも便秘の訴えは非常に多く、身体症状への強いこだわりも起こります。身体症状の中身はめまいや頭痛等多彩ですが、共通的なのは睡眠と食欲に障害が起こっている事です。また妄想も起こりやすく、貧困妄想や罪業妄想、被害妄想等で自分はいない方が良いとか、迷惑をかけている等と信じ込む事もあります。また身体活動も思考も低下して、-見痴呆の様なうつ病性の偽痴呆が起こる事もあります。痴呆の症状が急激に起こった時はまずうつ病が考えられますがうつ病による偽痴呆では抗うつ剤によって可逆的に回復する事ができます。ただ、高齢では薬の副作用も出やすく、他の疾患の治療薬との相乗作用も起こりやすいので細心の注意が必要となります。


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