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成長促進剤の抗生物質は禁止を

2021.06.07 | Category: くすり

抗生物質が耐性菌の出現で効かなくなってきています。同じ抗生物質を長期間服用したり、原因菌が完全に死滅する前に治療を中断したために耐性菌が出現したという報告もありますが、それ以上に畜産の集約農場における成長促進剤としての抗生物質の使用が問題と考えられています。

米国では抗生物質の全生産量1200万トンの約50%が畜産に使用されています。

人に使う抗菌薬と類似の抗生物質が腸の中の細菌を殺し、病気を予防し、短期間で太るという利点があるからです。

しかし微量の抗生物質が体内に常時あることが細菌に耐性を獲得する機会を与えることになり、それが糞尿と一緒に自然界にばら撒かれているのです。

耐性菌が知らない間に私達の身体に付着していたり、体内に定着する事になるのです。

また抗生物質が残留している肉を毎日食べれば抗生物質を服用している事になり、腸の中にいる菌が知らない間に耐性を獲得する事になります。

健康な時はいいのですが、病気になって抗生物質を服用した時に、耐性がない細菌が死滅する事で、腸の勢力バランスが崩れ、耐性菌が急激に増加し症状が悪化するのです。

この耐性菌を撃退する為には抗生物質の無い環境を作る事で、耐性菌が耐性を持た無い菌との競争に負けて、勝手に滅んでいく状態を作るしかありません。

1998年欧州ではこの問題で畜産の肥料に抗生物質の使用を禁止したのですが、我が国では厚生労働省のHPを読むと慎重使用との記述になっています。

2001年にはリカバロンという初めて化学的に合成された抗生物質が切り札として登場しましたが、すぐに耐性菌が確認されました。

細菌は生き残りを賭け、耐性を得るスピードが速くなってきているのです。

抗生物質の使用を厳しく制限しないと、感染症に薬剤が効かないという問題が更に深刻になっていくのです。


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