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肺容量の減少手術

2021.06.03 | Category: 呼吸器

肺への空気の流れが悪くて呼吸困難を起こす病気を慢性閉塞性肺疾患といいますが、慢性気管支炎と肺気腫を総称してこう呼ぶようになってきています。

肺気腫は肺を形成する肺胞が、主に長期の喫煙によって壊れて弾力性を失い、硬くなって縮むができなくなった肺組織が膨らんだままになる病気です。

胸郭一杯に膨らんだ肺は下部の横隔膜まで圧迫して、呼吸運動をする隙き間がなくなるので、少し体を動かしただけでも非常に息苦しくなってきます。

一度壊れてしまった肺胞を元に戻す方法はなく、呼吸機能を完全に復活させるには肺の移植しかないといわれています。

血管拡張剤や酸素吸入等で息苦しさを軽くすることはできても、その効果は十分とはいえません。

そこで考案されたのは外科手術で傷んだ肺の一部を切り取り、肺の容積を小さくして呼吸運動をする余地を作り出す方法です。

90年代初めは大きな傷跡が残る手術だったのが最近では内視鏡手術が主流になってきています。

胸の脇に3.4ケ所の小さな穴をあけ、内視鏡や自動縫合器等手術器具を入れ、肺尖部を肺全体の8~6分の1程度切除します。

手術によって呼吸機能がどの程度改善されたかは、福岡大学病院のおよそ100例の平均によると、1秒間の呼気量(肺が1秒間に吐き出す量)が手術前に比べて約50%増えています。

しかし肺気腫なら誰でも手術できるわけではなく、休み休みで50メートル位歩ける体力が要求されるのです。

そして肺容量減少手術は根治治療ではないので、5年も経つと呼吸機能が手術前に戻ってしまう患者もいるといいます。

しかし呼吸困難で苦しい症状が手術で大幅に改善され、日常生活を自力で行える様になるのは大切な事です。


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