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癌抑制遺伝子に欠失や変異

2021.04.19 | Category: がん

がんがあっても、正常な細胞を悪質な癌細胞に変貌させるにはまだ至りません。

少なくとも3~4回の遺伝子変異が起こり、変異細胞が「無制限に細胞分裂する能力」「血管を新生する能力」「新しい組織に転移する能力」といった力を得て「悪性の癌」となります。

この中でも癌化には「血管を新生する能力」が、不可欠で、血管新生によって癌組織内に酸素や栄養を運び込んで大きく成長し、離れた組織にも血流に乗って転移します。

その為癌細胞の多くは血管新生を促す為に、血管内皮増殖因子や塩基性繊維芽細胞増殖因子等を生産します。

普通の成人で血管新生が起こる事は無く、例外として妊娠した女性の子宮内で胚が成長する時だけに起こります。

こうして癌組織が成長すると、今度は逆に「血管新生を妨げる因子」を分泌し始めます。

この血管新生阻害因子を分泌するのは、初めに出来た一次腫瘍だけで、大きく成長した一次腫瘍は、阻害因子を分泌する事で転移した二次腫瘍の成長を押さえ込むのです。

あたかも群を離れた仲間を攻撃する様に、利用出来る栄養を一人占めしようとするのです。

外科手術で一次腫瘍を切除すると、突然二次腫瘍が表れる事があるのは、血管新生阻害因子の分泌が無くなった為と考えられています。

血管新生を妨げる事が出来れば、これは有効な癌治療となるので、現在「アンジオスタチン」「インターフェロン」等、様々な血管新生阻害剤の臨床試験が進められています。


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