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高齢者の腸炎と薬剤の腸炎

2021.04.05 | Category:

高血圧や糖尿病、動脈硬化、心臓病などの持病を持つお年寄りが急激に腹痛、下血、下痢を起こす虚血性腸炎が増えています。

大腸には無数の細い血管が取り巻いていますが、S状結腸や下行結腸付近の血管はもともと血流が少なく、急に血圧が下がると血流が悪くなります。

血流が通常の30%以下になると、腸の表面が浮腫、ただれ、潰瘍ができて、そこから血管が破れて出血するのです。血圧が下がる睡眠中に突然発症しやすいのも特徴です。

出血量は100~200ccで自然に止まるのが普通です。

腹痛は6~12時間程度続き、安静にする事で自然に治ります。

止血剤は血管を収縮させるので逆効果です。

絶食して腸を休めていれば、90%以上は数日で治りますが、持病のコントロールや便通を良くしておく事が予防になります。

また薬が原因によって腹痛、下血、下痢が発症する薬剤性腸炎にも注意が必要です。

気管支炎、肺炎等には抗生物質が使われますが、健康な人の腸内には多数の腸内細菌叢が形成され、均衡が保たれていますが、抗生物質を服用すると腸内細菌叢のバランスが崩れ、有害な細菌が異常に増加する菌交代現象という状態になります。

発症の仕方は不明ですが、内服した抗生剤により細菌の種類が異なる事で、出血性大腸炎、偽膜性腸炎、MRSA腸炎と症状に違いがでます。

また抗生剤以外の薬剤としては非ステロイド系消炎鎮痛剤、降圧剤等による腸粘膜の傷害や腸管の血流障害でも発症します。


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