神奈川の鶴巻温泉治療院は医師も推薦する気功治療院です。

症状別ページ

循環器

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血管内皮細胞の働き

動脈は高い内圧に耐える事が出きるように3層構造になっています。繊雄性組織からなる外膜があり、その内側に主として平滑筋で出来ている中膜があります。そして、一番内側に内膜があり、その内膜には一層の血管内皮細胞があります。この内皮細胞は動脈だけでなく静脈や毛細血管やリンパ管系等、循環器系全般に広くある細胞です。ところで、通常血管の収縮や拡張は自律神経系や血液中の液性因子が調節していると言われてきました。つまり、末梢の細動脈では交感神経α受容体の刺激やアンギオテンシン等の血管収縮因子により収縮し、β受容体の刺激やキニン等の血管拡張因子によって弛緩すると。その細動脈の収縮と弛緩により、末梢循環の抵抗性の強弱が生まれ、血圧や血流の体内分布等が調整されているというわけです。この説明は間違っているわけではないのですが、他の原因として血管内皮細胞が注目されてきています。この血管内皮細胞は従来血管壁に血栓が付着したり、血液が固まるのを防ぐ、いわばコーティングのような働きがあると考えられていました。しかし近年の研究で、この内皮細胞が抗血栓性と血栓形成性の、拮抗する性質の生理活性物質を作る事が明らかになったのです。例えば内皮細胞から放出されるー酸化窒素等の血管拡張物質は細胞の増殖を抑え、血栓を予防して動脈硬化を妨げます。これに対して、エンドセリン等は逆の作用の血管収縮物質で、過剰に作られれば血管を傷付け、血栓を作り動脈硬化を進めてしまうのです。つまり、この2つの拮抗する作用により、血管自体が循環のバランスをとっていたのです。このバランスが崩れてしまうと、自ら血栓を作り動脈硬化を誘発する事も分かってきました。この血管内皮細胞は循環のバランスだけでなく、免疫や代謝等も制御しているという研究もあり、現在注目される先端研究のーつになっているのです。
 
 
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肺循環

肺循環は心臓の右心室から肺動脈に出て肺を経て肺静脈へ、そして左心房に帰ってきます。これは常識ですが、その肺循環の所要時間がなんと4~5秒というかなりのスピードである事はあまり知られていません。肺動脈は枝分かれして最終的には肺の膨大な毛細血管に到達します。この毛細血管を取り囲むように3~5億の肺胞が小さな泡のように並んでいます。そして肺胞上皮と血管内皮細胞の厚さ0.5ミクロン以下の薄い接触面を通してガス交換がおこなわれます。また、肺循環は体循環とは決定的に違う性質があります。それは肺の動脈は血圧が体循環と比べて著しく低いのです。肺動脈では25mm水銀柱なのです。心臓から心臓までの距離が短い為に低い圧力でも血液を流す事ができますし、あまり血圧が高過ぎると毛細血管がトラブルを起こすからです。その分、重力の影響を受けてしまいます。肺の上と下の毛細血管にかかる圧力は約2倍の差が出来てしまいます。つまり体を起している時は、肺の血液は肺の下部を流れやすくなり、肺上部には流れにくくなるのです。この不均衡があまり大きくなると血液が充分にガス交換されないで肺を通過してしまうため呼吸機能が低下します。しかし毛細血管の圧力が高過ぎると、毛細血管から出血したり、周囲に大量の溶出液が染み出したりします。また、肺循環では全身の生理機能調節にとっても重要な働きをしています。特に神経伝達物質であるセロトニン、アドレナリン、アセチルコリン等が肺循環で不活性化されているのです。この様な点からも、養生の基本に呼吸法があるのもうなずけます。
 
 
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毛細血管

動脈は段々細くなり最後には毛細血管になって栄養や酸素などの物質交換を行います。つまり毛細血管は新陳代謝を担う最前線といえます。太さは5~10ミクロンほどで、赤血球がやっと通れるほどの細さです。1秒間に50cmの速さで流れていた血液もこの毛細血管では毎秒1回とゆっくりした速さになります。血管自体は内皮細胞の薄いシートでできていて、やりとりする周りの組織液の種類や量によって、細胞がびっしり詰まっているもの、穴の空いた物、更には隙間の多い物と様々です。この毛細血管がきちんと働かないと、様々な障害が起こります。毛細血管の壁の透過性が高くなったり血液の中の蛋白質が少なくなるとむくみが起こります。毛細血管での血行障害の典型が冷え症や肩こり等で、これらの症状は女性に多いものです。女性は子宮や卵巣等の複雑な臓器を抱えている為ホルモンバランスや自律神経のバランスを壊しやすい事、筋肉が少ない為筋肉によるポンプ作用が少なく熱を保ち難い脂肪が多い事等によって毛細血管の血行障害が起こりやすい体といえます。赤血球が変形し難くても毛細血管を流れ難くなりますし、ドロドロ血液でも同様に血行障害が起こります。
 
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動脈硬化が怖いのは?

アテローム性の動脈硬化は、血管壁に脂肪のプラークが溜まって血管が狭窄したり閉塞すると思われがちですが、プラークが血管を塞いで、その為に組織が死んでしまうわけではありません。動脈硬化が怖いのは作られたプラークが破裂する事で、プラークが破裂すると凝血塊ができ、その凝血塊が動脈を塞いでしまうからです。問題はそのプラークが単なる脂肪の塊ではなく、常に炎症物質を産生させる働きを持つところにあります。悪玉コレステロールのLDLは血液と血管の内皮の間を行き来していますが、あふれたLDLは血管の内膜に溜まり酸化されたり糖化されます。すると血液中から単球やT細胞が内膜に入ってきてLDLを処理しようとします。単球はマクロファージになってLDLをたらふく取り込み(泡沫細胞)、それらがプラークを形成していくのです。この時マクロファージとT細胞は多くの炎症物質を作ります。泡沫細胞から作られた炎症物質は組織の結合を弱めてプラークを破れやすくし、そのプラークが破れるとそこに凝血塊ができるのです。つまり動脈硬化はプラーク内でさかんに作られる炎症物質によって破綻することでさまざまな危険を引き起こすのです。LDLの値が高くなくても心臓発作や脳梗塞が起こってしまうのは、プラークそのものというよりもこの炎症作用が影響が大きいからだと考えられます。善玉コレステロールのHDLが動脈硬化を予防するという働きには血液中のLDLを取り除く働きがあるとされていますが、それだけでなくLDLの酸化を抑えたり、炎症を抑制する作用があるのかもしれないとみられています。
 
 
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痛みがない狭心症

胸痛発作や胸部不快感等の症状は狭心症、心筋梗塞の虚血性心疾患でみられます。胸痛が起きるのは心臓を取り巻く動脈壁のあちこちに、小さな蛋白質からできた血管の圧力感知センサーがあり、血管が詰まったり、破れたりすると、血液の流れが落ちて、その異変が脳の自律神経中枢にある血圧調節機能に働き、血管の幅を広げたり狭くしたり調整します。その血管調整作業が緩やかに行われていれば、何も症状は出ませんが、血管が急に縮んだり、広がったりすると知覚神経の刺激となり痛みが出るのです。狭心症は心筋が虚血した為に胸痛が発生します。ところが最近、痛みがない狭心症ともいえる無症候性心筋虚血症が注目されています。痛みに対する閾値が高い人の場合や血管の反応が鈍い人の場合にあるようです。発症頻度は痛みのある狭心症と同じ位です。冠状動脈にひどい動脈硬化が数カ所あってしかも昼夜を問わず、虚血反応を起こしても胸痛がないのです。運動負荷心電図や24時間心電図で初めて分かる病気なのです。胸痛がないので病気に気づくのが遅れたり、油断して心筋梗塞に進行します。健康と思っていた人が過労で突然心筋梗塞になるのはこの事が考えられます。心筋梗塞は激痛が伴いますが、全体の10~15%には無痛性の場合があります。高齢者や糖尿病患者では更に割合が増えて発病する人の約35%は無痛性といわれています。動脈硬化で硬くなった血管は調整機能の働きが鈍くなっていると考えられています。また逆に血管の圧力感知センサーの過剰反応で血管が突然痙攣を起こす血管性攣縮性狭心症による胸痛発作があります。夜間から朝方にかけて睡眠中に起こり、冠状動脈の血管が約1cmの長さで攣縮して数秒から数分間血流が停止するのです。動脈硬化が合併していれば心筋梗塞の危険があります。
 
 
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拡張期高血圧

高血圧に合併する心筋梗塞や脳梗塞等の怖い循環器疾患はもっぱら収縮期の血圧を問題とする事が多いのですが、拡張期の血圧も90㎜Hg以上は高血圧です。高血圧という場合は収縮期、拡張期とも上昇する事が多いのですが、まれに収縮期血圧はさほど高くないのに、拡張期の血圧だけが上がる事があります。一口に血圧といっても、収縮期の血圧は血液の心拍出量に、拡張期血圧は血管の循環抵抗に関係しています。したがって下の血圧だけが高くなるという事は、大きな動脈まではあまり変化していないものの、小動脈や細動脈の血管抵抗が増加しているという事で末梢血管の抵抗が高まっている、つまり血液の流れが滞っている状態だといえます。血管そのものの状態に影響されるのはもちろんですが、細い毛細血管では、赤血球がくっ付いていたり、変形しにくくなって流れがスムーズでなくなっても、血管の循環抵抗が高まってしまいます。拡張期の高血圧は若い人では腎性の高血圧等のように二次性高血圧の可能性もありますが、そうでない場合の多くは、肥満、運動不足、大量飲酒、喫煙等の影響が大きいとされています。エアロビクス等、等張性運動の後等では拡張期の血圧が低下しますから、生活習慣の改善によって低下させる事ができやすい高血圧といえます。
 
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リンパ浮腫

リンパ浮腫は先天性のものもありますが、多くはがん(乳がん、子宮がん、前立腺がん)等の手術でリンパ節を切除後に二次性浮腫がよく起きます。術後すぐ起きるとは限らず、数年たってからでもケガ等による細菌感染から蜂窩織炎やリンパ管炎を起こすと、何度も炎症を繰り返して皮膚組織は固く象皮化してきます。片側の脚や腕が大くなりますが痛みは無く、放っておいても命にかかわるわけではないので、医者もあまり重要視せず、患者一人で悩む事になります。心臓の1日の血液拍出量は約8000リットルで、末梢の毛細血管壁の隙間から血液成分の一部が漏れだし(1日20ℓ)、細胞で使われた後毛細血管の静脈側に再び入っていき(16~18ℓ)、差し引き2~4ℓがリンパ管に集まって、首の付け根近くで静脈に合流して心臓に戻ります。リンパ液には赤血球は含まれず、血漿に近い成分で透明な淡いクリーム色ですが、腸管での脂肪吸収があると白濁します。リンパ管は静脈よりも細くて弱い管で、逆流しないよう弁膜があり、軽い圧迫で簡単にリンパの流れは止まってしまいます。リンパの流れは非常にゆるやかで重力の影響を受けやすく、リンパ節切除をした場合はゴムのきつい下着だと、流れが滞るので日頃から注意が必要です。寝る時には浮腫のある四肢をやや高くして自然な環流を促し、軽い運動やマッサージでむくみを減らし、弾性ストッキングやスリーブを着用してそれ以上むくまない様にします。マッサージのポイントはまず流れ込む先を空けるため、首の付け根(頚静脈角)を最初にマッサージし、ついで胸腹部、脇の下、上肢、あるいは鼠径部から大腿、下腿をそれぞれ求心的にマッサージします。二次性リンパ浮腫では皮下組織間隙に蛋白や脂肪の塊等ができている事があるので、それをほぐすように揉んだり圧迫したりなどの手技も必要となります。
 
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二次性高血圧

高血圧症の95%は遺伝や肥満等、複数の要因が関与していて原因が特定できない本態性(一次性)高血圧と、原因となる病気が特定できる二次性高血圧があります。高血圧全体からみれば二次性高血圧の頻度は低いのですが、原因さえ取り除けば高血圧が全快する事も多いので、きちんと治療する事が大切です。二次性高血圧の中で最も多いのが腎性高血圧で、次いで腎血管性高血圧が多く、後は内分泌性、薬物誘発性が知られています。腎性高血圧は主に腎炎(糸球体腎炎)と腎孟腎炎が原因で、腎炎は糸球体が炎症を起こし、尿を作り出す等の腎機能が低下してくる病気です。急性腎炎は溶連菌感染症の後で起こる事が多く、慢性腎炎は尿検査で蛋白尿や血尿等で発見される事が多いのですが、血圧は最初は低く、進行するに従って上がっていきます。腎孟腎炎でも腎機能低下が起きると血圧が上がります。腎血管性高血圧が起きるのは、まずアテローム性の動脈硬化症があり、腎動脈の入り□付近が狭くなって腎血流量と糸球体濾過量が少なくなります。すると強力な血管収縮作用を持つ腎ホルモンのレニンが傍糸球体から放出され、レニンは血管収縮因子のアンギオテンシンⅡ産生を増加させるのです。アンギオテンシンⅡは全身の血管にも収縮作用を及ぼし、副腎に働きかけてアルドステロンの分泌を促すので、ナトリウム・チャンネルの生産が高まってナトリウムの再吸収が促進され、体内の塩分貯蔵量が増します。またカリウムの排泄を促進するので、低カリウム血症になる結果、体液増加が起こり高血圧となるのです。
 
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脈圧

上の血圧(収縮期の血圧)と下の血圧(拡張期の血圧)の差を脈圧といいます。健康な人の血圧は上が100~130㎜Hg、下が60~80㎜Hgですから、脈圧は40~50㎜Hg位が望ましいという事になります。一般には高血圧では上も下も上昇すると思われがちですが、高齢者では上ほど下が上がるわけではなく、むしろ下がりがちになります。これは高齢になると動脈硬化が進むため、柔軟性がなくなる為だと考えられます。ですからどれ位の風圧がいいのかは年齢にもよるので一概にいえません。ただし脈圧が大きくなるということはそれだけで心疾患の危険性が増す事は分かっています。脈圧が60㎜Hgだとそれだけで心筋梗塞の危険性が高くなります。脈圧が極端に大きい時は大動脈閉鎖不全症や甲状腺機能亢進症も疑われます。さて脈圧が小さい場合、下の血圧だけが高い場合は拡張期高血圧ですが、高血圧だった人が高い方の血圧だけ低くなって脈圧が下がった場合は心機能の低下が疑われます。また上が170位もあって脈圧が小さいという事は下の血圧は130~140㎜Hgほどもあるという事になり、高血圧として危険域ですから腎臓の検査や眼底検査を行わなければなりません。
 
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動悸と不整脈

運動時や緊張した時等に日常的にみられる多くの動悸は病的ではありませんが、心臓疾患等の不整脈で最も多く訴える症状は動悸です。動悸を起こす原因は様々で、心臓疾患、甲状腺機能亢進進症、貧血、心理的要因による心臓神経症から、タバコの吸い過ぎ、コーヒー、紅茶、緑茶等の飲み過ぎ等でも動悸を生じるので原因を絞り込む事は大切です。拍動は洞結節から始まり刺激伝導系を使って心臓全体に伝わります。洞結節以外で刺激があると不整脈が起きますが、動悸は心臓の心拍出量の変化によるものです。最も多い不整脈はリズムが不規則になる期外収縮で、心房性(上室性)と心室性に分けられます。正常な拍動における心臓収縮で80~10mlの血液を送り出しますが、心室性期外収縮では20 ml位で60~80 m1の血液は心臓に残る事になります。期外収縮の後の正常な拍動の時に2倍近い血液を送り出す事になります。この解き大量の血液が大動脈壁にぶつかって壁に緊張がはしり、左胸や脇腹に血管痛がでます。頻脈性不整脈では1分間に100~150回以上の脈を打ち、心房細動に最も見られます。中には突然死に結びつく心室性細動の場合があります。送り出される血液量が少ないので脈が遠くなります。徐脈性不整脈は1分間に50回以下の脈を打ち、完全房室ブロックや洞不全症候群でみられます。徐脈によって、心拡張期の延長で一回の抽出量が増加して、遅く力強い拍動が起きるのです。心臓疾患を伴う極端な徐脈や頻脈による不整脈が起きると血液が脳に充分行かない為に、脳虚血状態になり失神、めまい、胸苦しい、呼吸困難、疲れやすい等の症状が見られます。この不整脈が数秒以内に回復しない場合は、心停止と同じ状態となる場合があるのです。動悸が起きたら、何がそのきっかけになったのか、脈を数え、どんな乱れ方をするのか、整理しておく事が大切です。脈に異常がある間に心電図をとってもらう事も大切です。
 
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下肢静脈瘤

施術中に、特に中年過ぎの女性の患者さんの下肢に静脈瘤をよく目にしているはずです。血管の病気の中で最も多く、女性では軽症の物まで含めると約40%に静脈瘤があり、中年以上では60%以上の人が何らかの症状を感じていると云われています。下肢静脈には沢山の逆流防止の弁がありますが、この静脈弁が障害されると静脈血がうっ滞して静脈瘤になります。表在静脈には20前後あり、深部静脈には10前後の弁があり、表在性の静脈瘤ではまさに蛇行して太くなった血管に何ケ所も膨らみがみえます。この静脈瘤の初期では足が疲れ易いとか重い感じがするといった症状が表れます。とくに、昼間より夜、長時間立ったままでいると起こります。また、下腿の痛みや足やくるぶしの辺りのむくみや、靴を履くと痛い等の症状も出てきます。また、見た目では判らない深部静脈の瘤の場合は、とくに強い痛みをひき起す箏があります。この様な状態が10年以上続くと、下腿の内側、くるぶしの周囲に血液がもれて褐色の色素沈着が起こったり、水泡を伴う静脈瘤性湿疹がおこります。この湿疹は強い痒みが起こり、掻きむしる為に、潰瘍になってしまう事もあります。この静脈瘤性潰瘍はなかなか治らないやっかいな合併症です。また静脈壁の炎症性傷害も起こる事があり、血流の悪くなる事で血栓ができ易くなります。静脈血栓症はチアノーゼや腫脹やひどい痛みをひき起します。この血栓が飛んで肺まで到達すると肺動脈塞栓症になる事もあるのです。ですから、静脈瘤はなにより早期の治療が大切です。治療法として軽症の場合は弾性ストッキングや足を高くしたマッサージが有効です。悪化した場合は静脈瘤の外科的な切除、瘤への硬化剤の注入等を併用します。
 
 
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血管性間欠性跛行

歩いていると足が動かなくなり一度に長く歩くことができず、暫く休むとまた歩ける、という状態を間欠性跛行といいます。高齢者に多く、脊柱の変形や圧迫で神経が障害されるために起こる事もありますが、四肢に行く動脈が詰まってしまう閉塞性動脈硬化によるものが増えています。間欠性跛行では大動脈下部から大腿動脈等が詰まって血行障害が起こるので歩けなくなるのですが、動脈硬化は全身病ですから、当然他の血管も詰まりやすくなっていて、2~3割は心疾患や脳梗塞に進むとみられています。血管性間欠性跛行の最初は歩行の困難さはなくても、足の皮膚色が悪く、冷えや痺れを感じる事があり、それが悪化すると間欠性跛行が起こってきます。更に悪化するとじっとしていても下肢が痛むようになり、最悪の場合は全く血流がなくなり壊死から足の切断へといたります。500m位歩ければ治療は可能で、運動をする事で血管をまたいで側副血行路が発達し、血沈が改善しますから、努めて歩くようにする事が大切です。この間欠性跛行は、閉塞性動脈硬化症からそれによって引き起こされる心疾患や脳血管障害のきっかけにもなるので、高血圧や特に糖尿病の人は要注意です。
 
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網膜症と毛細血管

糖尿病で高血糖状態が長く続くと毛細血管が障害されて、三大合併症といわれる網膜症、腎症、神経障害が起こります。これらの合併症の中の網膜症で毎年3000人が失明しています。網膜にある毛細血管は内側の内皮細胞とそれに対になって外側に周皮細胞があります。それぞれ細網線維の基底膜によって取り巻かれています。この周皮細胞が収縮と拡張を繰り返す事で毛細血管の中を流れる血流量は調節されています。そして、この血管内を流れる血液成分は内皮細胞間の間隙を通って網膜には運ばれます。しかし、むやみに透過しては神経細胞にとっては有害な物も出てしまいますので、内皮細胞間にはよく発達した接着装置があって血液成分の透過を厳しく制限しているのです。脳に脳関門があるように、これを血液一網膜関門と呼んでいます。ところが、高血糖が続くとこの血液一網膜関門に機能異常が起こってくるのです。そして、血管透過性の亢進、周皮細胞の脱落、基底膜の肥厚、毛細血管瘤の形成等が起こってしまうのです。初期症状としては、毛細血管がもろくなる為に瘤や出血が出現します。しかし網膜の中心部が侵されない限り視力は低下せず、きちんと血糖をコントロールすれば、改善も期待できます。少し進行すると「増殖前網膜症」といい、前記の症状以外に血管がつまって網膜に無血管領域が出現するために綿花状の白斑や網膜のむくみが現れます。この時期でもある程度進行を食い止める事ができるレーザー光線照射(網膜光凝固法)があります。しかし、これを過ぎると「増殖網膜症」といい、脆弱な新生血管がどんどん網膜に出現します。この時期でもまだ視力が良い事も多いのですが、突然新生血管が破れて硝子体出血や眼底出血を起こし、見えなくなったり、網膜剥離を起こしたりします。この段階になると治療が難しくなり、失明の可能性が高くなるのです。
 
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運動で循環器疾患を予防

循環器疾患というと心臓が第一ですが、その予防に運動は大変有効です。心臓は収縮期に動脈血を全身に送り、拡張期に静脈血が入り込みますが、運動によって筋肉は緊張時に静脈血を心臓に送り返し、弛緩時に動脈血を引っ張ります。全身の筋肉が伸縮を繰り返す事は心臓の働きである血液循環を補佐するので筋肉は第2の心臓とも言え、運動で筋肉を鍛える事は大切なのです。また運動する事で心拍数が増えると共に最大血圧も増加し、最小血圧はやや減少する箏で、脈圧は増加して、血管の弾力性を維持し動脈硬化を防ぎます。更に新しい毛細血管を作る生み出す力にもなり、全身の血液循環が良くなるのです。従来循環器疾患において運動は発作を起こす引き金になる事を恐れ、積極的には行われませんでした。しかし最近では狭心症や心筋梗塞等の再発予防の為に医師が運動のこの能力を促す為に運動処方がされる様になってきたのです。高血圧、高脂血症、糖尿病等の生活習慣病の予防、脳への血流が増加する事でボケ防止等、運動による効果は数多くあります。運動は有酸素運動であるウォーキングや水泳等が最も有効で無理なく身体を動かし、30~60分を週に3日行うのが理想です。運動強度は脈拍を見ながら決め、30代では120~125、40代では115~120、50代では105~115、60代では100~110が目安になります。汗をかくと血液の粘調度が増すので、必ず水分補給をする事が大切です。また、循環器疾患の薬を服用している場合は運動を行う前に必ず医師と相談する事です。いずれにしても運動は身体の血液循環を良くする為には欠かす事ができない予防法です。
 
 
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脳動脈瘤の血管内治療

脳クモ膜下出血の80%以上は、脳の動脹血管にできた動脈瘤の破裂によるものです。動脈瘤は、脳底へ向かう動脈が枝分かれする分岐点の股の間にできやすく、破裂する前の自覚症状はほとんどありません。脳動脈瘤破裂によるクモ膜下出血の死亡率は高く、病院に運び込まれる前に20%が、入院できても30%が出血と合併症のために死亡します。つまり2人に1人は亡くなります。運よく出血が治まっても適切な治療をしないと3入に1人が再出血で死亡するのです。治療はほとんどが関頭手術で、破裂した動脈瘤の根元をクリップで挟んで止める方法がとられてきましたが、動脈瘤の場所によっては開頭手術が難しい場合もあります。新な治療法は血管内治療で、先端に細いコイルのついたカテーテルを大腿部付け根の血管から入れて脳底まで進め、コイルを脳の動脈瘤の内部に丸めてつめるのです。この方法で塞いだ動脈瘤にはもう血液は入らず、圧力がかからないので破裂する心配がなくなります。欧米の医療チームが発表した論文によると、比較的軽いクモ膜下出血の患者2000入を2つに分け、関頭手術と血管内治療それぞれの方法を実施。1年後の状態を調べると、死亡していたり重い障害が残っている割合は開頭手術が30.6%、血管内治療は23.7%でした。日本でもデータでは、良好な成績が報告されています。血管内治療は脳に直接触れないため、身体への負担が軽くて回復が早く、重い後遺症が残る割合も少ないのです。脳動脈瘤の血管内治療の適応例は3割位あるのです。1.親動脈の直径が2.5~4mm以下 2.動脈瘤のネックが4mm以上またはドーム/ネック比が2未満 3.動脈瘤の最大径が7mm以上 4.抗血小板剤及び抗凝固薬が禁忌でない方  5.未破裂脳動脈瘤である。 脳神経血管内治療学会があり、認定医制度を設け試験に合格した医師を認定医とした事をしています。血管内治療ができる医師はまだまだ少なく、今後いっそう期待される治療法です。
 
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血管を強くする食事

健康に良いといわれる日本食のイメージは粗食と受け取られがちですが、血管を強くするには粗食ではいけません。血管は蛋白質でできているといってもよく、蛋白質の不足は血管をボロボロにします。飽食はいけませんが、蛋白質は十分に確保すべきです。またコレステロールは動脈硬化の原因というので目の敵にする人も多いのですが、コレステロール自体はホルモンや胆汁酸の原料や細胞膜の構成として欠かせない成分です。血中のコレステロールが減り過ぎると血管がもろくなり、脳出血を起こしやすくなります。必要なのはアテロームを作らせたりそれを不安定なプラークにしないために悪玉のLDLを減らすことです。そのためにはビタミンC等の抗酸化物質をしっかり摂る必要があります。抗酸化物質は炎症物質を産生するプラークの破裂を抑えます。一方、血管そのものを強化する成分としてはフラボノイドがあります。フラボノイドといっても多くの植物の中から4000以上の種類がみつかっていますが、その中でも血管強化に力を発揮するといわれているのがルチンです。ルチンはソバの実や葉、茎に多く含まれていて、内膜を厚くし、弾力性を強化するだけでなく、血液その物もさらさらにしてくれます。ソバの中でもモンゴルや中国産の韃靼ソバは日本ソバの100倍ものルチンを含んでいます。最近ではスーパーでも手に入ります。
 
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血圧の測り方

血圧は変動して当たり前、ちょっとした事で20㎜Hgや30㎜Hgは変化します。診察室で測ると高めに出る白衣性高血圧の事は大分知られてきましたが、軽症高血圧の2割位はそうだろうと見られています。一度位の血圧測定で高い数値が出たからといってすぐに薬を飲み始める事は危険です。WHOでも本来15分以上の安静座位の状態で血圧測定するのが望ましいとしていますが、実際の受診では無理でしょう。そこで患者さん白身ができる工夫として、測定前に10回以上の深呼吸をする事です。また腕で測定するときも衣服の上からで無い方が望ましいのですが、脱げない場合は薄い物の上からにしてマンシェットの中で衣類がゴロゴロしない様に気をつけます。家庭でも一定の時間に正しく測り、季節の変化や午前、午後の違い、精神状態によってどう違うか等、自分の血圧の傾向を知っておく事も大切です。家庭用の電子血圧計も様々な物が出ていますが、マンシェットを巻いて上腕で測る物が安定した値が出て最も正確です。リスト型や指先型では測る部位が心臓から離れているので値の変動が大きいのです。上腕で測る時は机に腕を置いたりして心臓の位置と近い状態で測ります



  • 所在地〒259-1137 神奈川県伊勢原市笠窪383-3
  • アクセス小田急線 鶴巻温泉駅より徒歩8分
  • 責任者溝口 潔
  • 営業時間9:00~19:00 / 年中無休
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