神奈川の鶴巻温泉治療院は医師も推薦する気功治療院です。

症状別ページ

糖尿病

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日本人の糖尿病

2型糖尿病の発症は民族差や地域差が大きく、アメリカのアリゾナに住むピマ・インディアンは成人の半数が糖尿病です。その原因のひとつが遺伝子の一箇所に変異が起こるSNPs(―塩基多型)で、β3アドレナリン受容体遺伝子にー塩基多型が起こっている事が分かっています。β3アドレナリン受容体は熱産生、脂肪分解に関係していて、そこが変異していると基礎代謝や脂肪の分解能が低下し、腹部肥満、高血糖、血圧上昇、インスリン抵抗性を引き起こすので糖尿病になりやすいというわけです。しかし考えてみればこの変異はエネルギーの節約遺伝子ともいえるわけで、厳しい食料事情の中ではかえって生き延びるには有利な変異だったといえます。さて、日本人は同様の変異を持っている人が多い事が分かっていて、その頻度はイヌイット、ピマ、インディアンについで世界3番目に高く、欧米人の2~5倍にもなります。欧米人では高度の肥満体型をよく見ますが日本人ではまれです。にもかかわらず日本人に2型糖尿病が多いのはこの遺伝子の変異によるものという事がいえるのです。この変異を持つ人はそうでない人に比べて糖尿病の発症が約6年位早く、減量がしにくく、インスリン抵抗性や血糖のコントロールが改善しにくいのです。さらに網膜症や腎症にもなりやすいようです。2型糖尿病の患者さんが全てこのパターンではありませんが、厳しく日常生活を律しても体重や血糖値をなかなかコントロールできない人はこの変異を持っている可能性が高いといえます。また家族の中に糖尿病発症者がいる人はこの遺伝形質を持っているものと考え、一層の注意が必要です。最もメキシコで伝統的な食事と労働をしているピマ、インディアンはアリゾナのピマ・インディアンに比べて平均で26kgも体重が少なく糖尿病も少ないのですから、食生活や環境でコントロールできるという基本は日本人でも同様です。
 
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脂肪の蓄積は赤信号

肥満には内臓脂肪型と皮下脂肪型がありますが、日本人は遺伝的に内臓脂肪型が多く、その内臓脂肪が糖尿病の危険因子なります。脂肪細胞は内分泌細胞で、様々なホルモン(生理活性物質アディポサイトカインと総称)を分泌している事が分かってきました。標準体重の正常な状態にある脂肪細胞は必要に応じて適切にホルモンを放出しますが、内臓脂肪が肥大、蓄積したBMI25以上の状態になると過剰に放出されたり、逆に放出されなくなるホルモンがあるのです。蓄積された脂肪細胞からは、TNFα(腫瘍壊死因子a)が過剰に分泌されています。その作用は筋肉の糖の取り込みを促すインスリンの働きを抑え、インスリン抵抗性が増して、糖尿病の発現に関連する事が分かっています。逆に放出され無くなるホルモンにアディポネクチンがあります。脂肪細胞から分泌されるのですが、脂肪が肥大、蓄積されるとその分泌量が少なくなるのです。このホルモンをインスリン抵抗性の高いマウスに与えると抵抗性が改善されるのです。標準体重の人の血中からはアディポネクチンが極めて濃度が高いのです。また皮下脂肪が増えても変化しないのですが、内臓脂肪が増えると低下し、糖尿病患者を調べると低下している事が分かりました。日本人の65%は太ってくると血中のアディポネクチンが低下する遺伝素因を持っているとされています。内臓脂肪が蓄積される陽な食習慣は糖尿病を抑制するアディポネクチンが減少し、インスリンの抵抗性をもたらすTNFαの分泌を増やすのです。過食と運度不足の為に脂肪細胞のバランスが崩れた結果が肥満からなる糖尿病につながるのです。内臓脂肪は運動すれば燃焼されやすい脂肪ですから、とにかく脂肪を蓄積させない事です。
 
 
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糖尿病と神経障害

糖尿病の三大合併症の一つが末梢神経障害ですが、一番早くから高い頻度で起こります。なかでも、足の痺れ、冷感など知覚神経障害は頻度が高い事で知られています。末梢神経には知覚や運動を担う体性神経と内臓器官を調節する自律神経があります。末梢神経が他の細胞と違うのは、エネルギー源として糖を直接細胞内に取り込む事です。この時インスリンは全く関与しないで、血液の糖の濃度勾配によって糖を取り込みます。ですから高血糖状態が長く続くと、細胞内で過剰な糖を休む事なく処理する事になり、末梢神経をカバーしている髄鞘が所々失われて神経の伝達が妨げられたり、神経内の細小血管が詰まったりして血統が途絶えて神経障害が起こる事になるのです。知覚神経が障害された場合、下肢の痺れ・ほてり・ピリピリ感・冷感・神経痛という症状が出ますが、手や足の左右対称に現れ、夜間に悪化するのが特徴です。この様な神経障害は糖尿病を放置すると5~6年で発生してしまいます。また交感神経と副交感神経にも次第に異常が起こってきます。無自覚性低血糖、起立性低血圧、心臓調律異常、血管運動機能異常、呼吸機能異常、発汗異常や瞳孔と涙腺の症状等出てきます。また消化器系では食道無力症、胃・十二指腸無力症、胆のう無力症、下痢、便秘等が起こります。泌尿器系では無力性膀胱やインポテンツがあります。 運動神経が障害されると眼筋麻痺・こむらがえり・腱反射の低下や消失等が起こり、足のつま先が上がらずにちょっとした段差でつまずいたりします。知覚神経が鈍感になると冷たいとか熟いという感覚が鈍って知らない内に火傷をする、小さな傷やケガに気付かないで細菌感染を起こすといった事もあります。なかでも危険なのが、自律神経障害を合併した糖尿病による突然死です。心拍数の減少や異常、頚動脈化学受容体の神経支配の障害や起立性低血圧等で致命的な不整脈を誘発する事で突然死が起きてしまいます。また糖尿病の進行で恐いのが、交感神経系の反応が鈍くなる為低血糖を自覚できない無自覚性低血糖症です。この様な患者さんのインスリン投与は非常にコントロールが難しくなり、頻繁に血糖測定を行わないと意識障害を引き起こしてしまいます。この様に糖尿病は血管ボロボロ病であると同時に、神経ボロボロ病であるのです。血糖値が高くて既に足の痺れ等を自覚している患者さんには、自律神経系の障害の恐さを喚起する必要があるのです。
 
 
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高血圧と糖尿病

高血圧を起す原因は色々で、腎臓疾患、内分泌異常、血管の病気、あるいは薬剤でも起こります。元になる病気が無く、原因が特定できない高血圧を本態性高血圧と呼んでいます。この本態性高血圧は肥満、運動不足、多量の飲酒、塩分の摂り過ぎ等が原因といわれていて、これらは糖尿病の原因に共通しています。実際、糖尿病に高血圧症、逆に高血圧症に糖尿病が合併しやすい事はよく知られています。高血圧症と糖尿病の合併症の場合は心臓血管病が多発する為に生存率が非常に低くなりますが、最近その病因や病態に関連がある事が明らかなってきました。その共通する原因が高インスリン血症なのです。耐糖異常等で血中に高濃度のインスリンがあると臓器や神経に色々と影響を与えます。腎臓では糸球体で濾過されたナトリウムは尿細管で再吸収されますが、インスリンはその再吸収を促進してしまいます。その為、体内にナトリウムが増え、それにつられて水分も増えてしまう結果、心臓の拍出量が増えて血圧が上がります。また、インスリンは脳の糖代謝や血圧調節の中枢に働いて、交感神経を興奮させる働きもあります。その為交感神経系が亢進して、末梢血管抵抗の増加と心機能の活性により血圧が上がります。更に、インスリンは血管の平滑筋の膜に働いて、細胞内のナトリウムやカルシウム濃度を増加させ、その結果、平滑筋が収縮しやすくなり血圧を上昇させます。また、インスリンはこの血管平滑筋を増殖させる働きもあり、血管の壁が厚くなる為内腔が狭くなり、末梢血管抵抗が増大してしまいます。ですから、糖尿病でなおかつ高血圧という合併症は非常に危険である事を理解すべきです。
 
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ストレスと糖尿病

血糖値を下げる働きは膵臓から放出するインスリンですが、上昇させるホルモンは多種多様です。同じ膵臓から出るグルカゴン、神経伝達物質のアドレナリン、甲状腺ホルモン、副腎皮質ホルモン、成長ホルモン等が血糖を上げるホルモンです。ですから、これらのホルモンを分泌する器官に何らかの病変があっても糖尿病が起こる事があり、この様な糖尿病を二次性糖尿病といいます。さて、ストレスは糖尿病に深く関係しているのですが、こうした様々なホルモンの過剰分泌が影響していると考えられているのです。イライラして交感神経が緊張状態になるとアドレナリンが過剰分泌して血糖値が上がります。アドレナリンは膵臓のβ細胞からのインスリン分泌を抑制し、膵臓のα細胞からのグルカゴン分泌を刺激するからです。また、ストレスによる過食や飲酒の習慣によって内因性モルヒネ様物質やセロトニン等の脳内伝達物質が過剰に分泌されると、摂食中枢が刺激され続ける事も明らかにされています。それによって肥満→耐糖能異常→高血糖→更に糖尿病へとエスカレートして行くのです。ですから家族間のトラブルや職場の問題等で悩んだりイライラする等のストレス状態が糖尿病の発症に大きく関係してきます。この様なケースではストレスを上手くコントロールできない為に糖尿病になってしまうのですから、厳格な食事制限や持続的な運動という自己管理を強いられる事自体もストレスになってしまいます。ストレスの強い糖尿病患者さんは、教育入院等でセルフコントロールの必要性をしっかり教えられても、中途で諦めてしまって、より悪化の道をたどるケースが出てきてしまうのです。
 
 
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インスリンと代謝異常

インスリンというホルモンは一般には血糖値を下げる事に働き、糖尿病はインスリンが足りなくなって起こると解されています。しかしインスリンには、血液に入ったブドウ糖を骨格筋や肝臓や脂肪組織の細胞に送り込み、肝臓や筋肉中でブドウ糖がグリコーゲンに合成される作用を促進し、かつ肝臓からブドウ糖がむやみに血液中に放出されるのを抑えるといった幾つもの働きがあります。そして糖質だけでなく、脂肪や蛋白質・水分・ミネラルの代謝にも深く関わっています。糖尿病ではインスリンが体内に充分あっても細胞で働けない状態(インスリン抵抗性)が起こって、ブドウ糖がエネルギー源として利用できなくなり、身体は不足のエネルギーを脂肪酸で補おうとします。普通だと脂肪組織に蓄えられた脂肪が分解して脂肪酸になり、この脂肪酸が更に分解してエネルギー源となるのですが、インスリンの作用が不足している状態では脂肪の代謝も滞ります。分解が途中までしか進まない脂肪酸はケトン体というものになり、これが増加して処理しきれなくなったものが血中に溢れ、血中ケトン体が増加して血液が酸性に傾き、尿中にアセトン体となって出てきます。健康人なら1~3 mg/d1である血中ケトン体濃度が重い糖尿病では30~40 mg/dl という値を示し、血液がアシドーシスとなって酸性の血液が脳の機能を抑制し、糖尿病昏睡に陥らせる事もあります。糖尿病が進行して糖質や脂肪がエネルギー源に利用できなくなると、骨格筋の蛋白質を分解して補わざるを得ない為、いくら食べても体重が減って痩せてきます。また高血糖状態が続くと、浸透圧によって細胞内水分と共にカリウムが細胞外に引き出されて電解質のバランスも崩れ、水分代謝の異常は腎臓の機能障害も引き起こしてしまうのです。
 
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骨に注意を

糖尿病においてカルシウムの摂取は大切です。カルシウムはインスリン分泌調節に影響しています。食事によって徐々に血糖値が上がっていくと、ラングルハンス島のβ細胞は活動電位を発生させます。これが電位依存性カルシウムチャンネルを開き、細胞内にカルシウムが入り、インスリン分泌顆粒が刺激されて、細胞外にインスリンが分泌されるのです。この血中のカルシウムが不足するとインスリン分泌障害が起きるのです。更にインスリンはビタミンDにも作用して活性型ビタミンDを腎臓で作りますが、インスリンが不足すると活性型ビタミンDが不足して食品からのカルシウムが腸から吸収されにくくなってしまうのです。また高血糖で細胞の浸透圧が高まると、細胞内の水分が出る事で尿が増え、その時に尿中のカルシウムも一緒に出てしまいます。その為に骨が脆くなる糖尿病性骨粗鬆症の危険性が高くなるのです。骨粗軽症には2種類あり、閉経等により急激にカルシウムの流出が多くなる場合と、糖尿病など他の2次的な病気によるものがあります。骨にはインスリン受容体があり、このインスリンが新しい骨芽細胞を増殖させる作用があるのですが、欠乏すると骨芽細胞の機能や数を低下させ、その為に骨の形成能力が落ちるのです。また高血糖のためにコラーゲン等の骨に含まれている蛋白質が糖化され、骨の正常な新陳代謝を障害する為に骨の強度を減弱させると考えられています。1型糖尿病ではインスリンの欠乏が子供の時に発症するので、骨が十分に成長できずに、成人後の最大骨量が少なくなく、健常人に比べ2倍の割合で骨折の危険があります。2型糖尿病患者では成人後に発症するので骨の減少は無いという事が言われていますが、2型でも糖尿病の罹患期間が5年以上であれば骨塩量が低下しているという報告があります。骨量減少を防ぐ為には、血糖値のコントロールと食事の時にはカルシウムをしっかり摂る事も忘れないで下さい。
 
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妊婦と糖尿病

妊娠の10ヶ月の間は、血糖値に充分留意する事が大切です。この期間は母体も大きく変化していきます。妊娠中特有のホルモン分泌が起こり血糖値に関係する糖代謝も変化します。胎盤ではインスリン桔抗ホルモンであるエストロゲン、プロゲステロン、プロラクチン等が大量に分泌されます。また、胎盤ではインスリン分解が起きるので、血中のインスリンが減少する為血糖は上昇しやすくなります。その為正常な女性では妊娠の過程で膵臓からインスリンを多く分泌する事により、インスリン抵抗性に対応して血糖値を安定させます。なかでも妊娠中期の36週から38週頃にインスリン需要量が最大の妊娠前の約1.5倍から2倍になる頃が要注意となります。特に妊娠前に糖尿病であったり、糖尿病になりやすい因子を持った妊婦は妊娠初期から血糖値が上昇する為、母体や胎児に様々な影響が出る可能性が高くなるのです。例えば、母体では網膜症、腎症の悪化、流産、早産、妊娠中毒症等が起こりやすくなります。また胎児では高血糖による奇形が発生しやすくなります。この奇形の有無は受胎後第7週までに決定されているといわれています。妊娠に気付くのは早くても受胎後第3週以降なので、障害を受ける器官形成が終わっている可能性が高いといえます。ですから、妊娠を望む女性はあらかじめ血糖値をしっかり知っておくことが大切なのです。また、妊娠中を通して血糖値を安定させるためにも、ストレスのない穏やかな生活が必要なのです。
 
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糖尿病と酸化ストレス

活性酸素が体に与える影響のことを酸化ストレスといいます。体は活性酸素を処理するシステムを持っていますが、老化やストレス等によって処理が追い付か無くなる事があります。その様に酸化ストレスがひどくなると、細胞内の伝達が異常になったり、DNAを傷つける様になります。酸化ストレスは様々な病気に関係していますが、糖尿病にとっても大きな影響がある事が次々に分かってきています。グルコースは反応性が高く、高血糖が続くと、蛋白質と反応してその過程で活性酸素が発生するとみられています。またミトコンドリアでも高血糖の為過剰な活性酸素が作られている様です。このような酸化ストレスによってインスリンを分泌する膵β細胞が破壊され機能異常が起こる事が確認されています。更に糖尿病患者の体の中では様々な酸化ストレスが増加していて、反対に抗酸化活性が落ちている事も分かっています。しかも血糖コントロールが悪ければ悪い程酸化ストレスが溜まっています。だとすれば、抗酸化物質を摂取すれば糖尿病による障害が軽減されるのでは、と考えるのは当然の事で、実際ビタミンEの投与が効果的であるとの報告があります。ビタミンEその物は血糖値に影響するわけでは無いのですが、網膜の血涙を改善したり、クレアチニンクリアランスで過剰な濾過が改善してるという様に、症状の改善や悪化を抑えるのに有効だといえる様です。またβカロチンも改善効果がある様です。既に糖尿病の人はもちろん、境界型の人も抗酸化物質を充分に摂る事が必要です。
 
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糖尿病とミネラル

糖尿病の治療は食事療法が第一ですが、原則として食べてはいけないものはありません。しかしカロリーにばかり目がいって軽視されがちな注意点があります。カロリー制限をしていると食事量が少なくなりどうしてもミネラルが不足気味になる上に、糖尿病では尿への排泄が大変多くなっているので益々ミネラル不足になってしまうのです。中でも亜鉛、マンガン、クロムは糖尿病にとって絶対に不足させてはいけないミネラルです。亜鉛はインスリンの構成成分です。膵臓は腸からいち早く亜鉛を吸収します。膵臓はインスリンと亜鉛をβ細胞内に貯めて、むやみにインスリンが分泌されないようにしています。亜鉛が不足すると膵臓の亜鉛は真っ先に枯渇し、インスリンがどんどん分泌されてしまうのです。つまりインスリンの血中濃度を調整しているのです。亜鉛が不足すると糖尿病になります。マンガンはインスリン生成に関与しています。クロムも大変重要なミネラルで、インスリンの作用を助けています。インスリンが細胞に糖を取り込む時、インスリン受容体に働いて細胞の扉を開けますが、この時クロムが無ければ糖は細胞内に取り込めないのです。つまり血中にインスリンが溢れていても働かないというインスリン抵抗の状態にさせてしまうのです。これを食べれば大丈夫という特定の食べ物はありませんが、牡蠣はダントツに亜鉛が多く、上記のいずれのミネラルが多く含まれているものにはカボチャやスイカの種を始め松の実、アーモンド等のナッツ類、豆や精製度の低い穀物等があります。米や麦等、ミネラル摂取の面からだけでなく、インスリンの分泌量の面からも精製度の低い雑穀が望ましいといえます。
 
 
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運動の効用

インスリンが足りなければより有効に働かせなければなりません。しかし糖尿病および糖尿病予備軍ではインスリン抵抗性も高まっているので働きが悪く、これをいかに改善するかがポイントになります。糖尿病の治療にとって、運動は食事療法と共に車の両輪です。極端な食事療法だけで肥満を解消しても体脂肪そのものは減少し難く、脂肪が減らなければインスリン抵抗性も改善し難いのです。脂肪は単なるエネルギーの貯蔵庫ではなく、インスリン抵抗性を強めるサイトカイン等を分泌させる臓器でもあり、脂肪細胞の数は変わらなくても太った脂肪細胞を細らせればインスリン抵抗性が改善されます。その運動は無酸素運動では血中の乳酸が蓄積して脂肪の分解が抑えられるのでウォーキングなどの有酸素運動が適しています。1日の歩数とインスリン抵抗性の改善度は正の関係にあります。ダンベル等のレジスタンス運動も負荷を軽くして有酸素運動的にすればOKです。運動強度は中以下が良く、軽くても激しくてもインスリン抵抗性の面からいえば効果は変わりません。また運動効果は3日以内で低下、1週間で無くなりますから1回10~60分を週3~5回というのが無理なく妥当といえます。特別に運動の時間が取れない忙しい人では日常生活の動きを活動的にし、とにかく歩数を稼ぐ事だけは心がける事です。ただし1型糖尿病の人、合併症のある人には運動療法は薦められません。また既に糖尿病薬を飲んでいる人は低血糖の危険性が伴うので、細心の注意が必要です。
 
 
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患者さんが飲んでいる薬

糖尿病といっても、インスリンの分泌量が足りない場合、インスリン抵抗性が強い場合とがありますが、更にその混在もあって、薬はその判断で処方されます。糖尿病の患者さんが飲んでいる薬は以下のものが多いと考えられます。
 
SU剤(スルホニルウレア剤)一般名:グリベンクラミド
効能:膵臓からのインスリン分泌を促進。まだインスリンが出ている人に処方。様々な種類があり注意点:肝臓病 白血球減少血小板減少低血糖の危険あり
 
フェニールアラニン誘導体
効能:速やかにインスリンを分泌させる注意点:食事の直前に飲む。飲んで10分以上置くと低血糖の危険性。
 
BG剤(ビグアナイド剤)一般名:塩酸メトホルミン
効能:インスリン抵抗を改善して血糖値を下げます。注意点:高齢の患者さんで肝臓や腎臓、心臓の機能障害を持つ高齢者では乳酸アシドーシスの危険性催奇形性がある(妊娠中には使用できない)母乳に移行して赤ちゃんが低血糖になる危険性も
 
αグルコシダーゼ阻害剤一般名:アカルボース
効能:小腸粘膜の酵素に働いて糖の分解や吸収を遅くして食後の血糖値の上がり過ぎを抑える。他の薬と併用される事もある。注意点:低血糖の危険あり(この場合は砂糖ではなく、ブドウ糖のみ有効)副作用として腹部膨満感、放屁の増加、消化器症状がある。定期的な肝機能検査が必要
 
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子供の2型糖尿病に注意

子供の糖尿病というと1型糖尿病が多かったのですが、最近の調査では若年の糖尿病の8割が2型糖尿病であるという報告があります。2型糖尿病は大人の糖尿病と考えられていましたが、13~16歳で発症するケースが増え、その原因の70%が肥満によるものと報告されています。横浜市立大学病院が横浜市の小・中学生で2型糖尿病と診断されたのは、1982~86年人口10万人あたりl.89人が87~91年では3.19人、92~96年では4.97人と15年間で2.5倍以上に増えているのです。92年から全国的に学校の健康診断に尿糖検査が義務化された事で、発見される事が多くなってきたのですが、約3300の自治体の内、学校の尿糖検査で血糖値が100㎎/dl以上の数値が出た子供に、より詳しい診断の為の精密検査をしている所は約2割、医療機関の受診指導が3割、保護者の判断に任せるが5割というのです。最近の子供の食生活は高カロリー食や炭酸飲料等が氾濫しています。その生活の中で食事療法が主体になるのですが、大人でも大変な食事制限や減量を発育期の子供達がどうやってするのか、それを保護者に任せているだけでは難しい問題です。糖尿病が悪化する前に学校と医療機関が連携する事や、家族に糖尿病歴がある場合には当然、運動や食事の指導がより重要となります。糖尿病が続くと合併症の危険もあり、30歳代には重い合併症に直面する事が十分考えられます。子供にとっては家庭での食や運動等の生活習慣が問題で、お母さんが太っている家庭の6割に肥満児がいるというデータもあり、子供の肥満は親の責任といえます。子供の糖尿病を防ぐ為には親の認識が問題なのです。
 
 
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糖尿病と精神的問題

糖尿病は初期に糖尿病を指摘されても患者の自覚症状が無いばかりに甘くみて、症状を悪化させるケースが非常に多い病気です。初期の治療法は食事療法と運動療法、進行すればインスリン注射や内服薬という自己管理による血糖値のコントロールが大切ですが、多くの患者はこの自己管理が困難といいます。糖尿病治療薬大手のノボ・ノルディスク・ファーマ社(本社デンマーク)が世界13ケ国の患者約5500人を対象にした実態調査で、自己管理できていると答えたのは3分の1に留まりました。調査結果から、何故自己管理が上手く行かないのかを分析すると、病気に対する不安や周囲の無理解から来る心の問題が一因である事が判明しました。更に抑うつに近い状態であると判定された患者が33%を占めたのです。日本人の回答は、「体重がとても気になる」64%、「病気が悪化しないか心配」47%、「糖尿病をとてもストレスに感じている」41%(複数回答)等でした。糖尿病の治療は患者に求められる項目が多くてやりこなすのが大変なのに、医師や家族は自己管理が上手くいかない責任を患者のせいにして、このままでは合併症が起きると脅してでも徴底させようとする傾向が強かったのです。しかし実態調査にあたった医師らは、従来のプレッシャーをかける指導法では患者の精神的負担が増すばかりで、結果的に逆効果だったと分析しています。今後はカウンセリングや行動療法など、医師や家族と共に社会全体でのサポート体制を充実させる事が求められています。糖尿病は現代社会が生んだ病気という認識が広まれば、症状をより軽く改善できる可能性があるのです。
 
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医療費からみた糖尿病

古い統計ですが、1994年に糖尿病の治療にかかった診療費は8、700億円強で医療費全体の約4%にあたります。これは脳血管疾患、ガン、高血圧に続いて4番目ですが、伸び率は最も高く、それまでの過去5年間で4.4倍にもなっていてトップです。しかもこの数字は純然たる糖尿病の治療にかかっているもので、糖尿病による合併症の治療費は含まれていませんから、それらを含めると数兆円以上になるものとみられます。 1996年度のある調査では糖尿病の医療費は1人年平均約23万円ですが、合併症があると平均約44万円、複数の合併症があると当然ますます高額になっていきます。これは外来の費用ですが、糖尿病による入院は1入あたり平均79万円です。しかもこれらには糖尿病性腎症による人工透析などの医療費は含まれていません。1人あたりの透析費用は外来で年間約550万円、入院では1、040万円で、2012年には304.592人が受けており、さらに毎年糖尿病性の腎症で透析を受け始めますから膨大な医療費になっているのです。ましてや重症化したり切断手術が必要となれば医療費ははるかに膨らみます。問題は、現在糖尿病の治療を受けている糖尿病患者は約316万人ですが、それ以外に950万人が糖尿病を強く疑われる人との厚生労働省の推計で明らかになったいう現実です。糖尿病の放置は当人はもちろんですが、パンクしそうな医療費を益々圧迫させる社会問題でもあるのです。
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