神奈川の鶴巻温泉治療院は医師も推薦する気功治療院です。

症状別ページ

上部消化器

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消化管の痛み
 
一般的には内臓は痛みを感じないといわれています。確かに胃を半分にしても腸管を切断しても痛みは感じません。だからといって痛みの受容内の臓器の痛みは病態生理学的に直接的には内臓痛、体性痛、間接的には関連痛に分ける事ができます。例えば腸管の平滑筋を過度に収縮させたり、拡張させたりすると痛みが起こります。もちろん平滑筋の痙攣でも起こります。また食道や胃に直接的な化学的刺激が加わると痛みになります。更に、急性の無酸素状態や炎症等によって神経終末の痛みの受容器が刺激されれば痛みが起こるのです。この内腰痛の特徴として急性に発症し、いわゆる鈍痛、シクシクした痛みで、どの領域か明瞭では無い痛みが持続的に存在している様に感じます。この内臓痛以外にも体性痛である腹腔内の痛みで、体壁内面から発生する腹膜痛があります。これは壁側腹膜や腸間膜等の炎症、機械的刺激で起こり局在性の激しい痛みとして感じる事が特徴で、筋性防御(デファンス)がその例といえます。また、消化管等に強い刺激が持続すると、特定の皮膚領域に知覚過敏、痛覚過敏が生じてきます。これを関連痛といいます。消化管の痛みで最も注意しなければならないのは、急激に腹部激痛がある時です。このような病態を急性腹症といいます。原因疾患としては様々なものが考えられますが、消化管の穿孔、虫垂炎、イレウス、急性腹膜炎、腹部大動脈瘤の破裂等緊急を要するものばかりですので、素早い対応が必要です。
腹痛の部位から考えられる疾患
心窩部痛
上部消化管・胆嚢・膵臓の疾患
右季肋岳痛
肝・胆道、右腎疾患
左季肋部痛
膵臓、左腎・脾臓の疾患
臍部痛
腸疾患、イレウス
右下腹痛      
急性虫垂炎、イレウス、尿管結石
左下腹痛
潰瘍性大腸炎、尿管結石
 
 
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感染性胃腸炎SRSV

細菌やウイルスなどの病原体の感染によって嘔吐、嘔気、腹痛、下痢といった症状を表すものを感染性胃腸炎といいます。この胃腸炎は冬の時期に発生が多く、その原因としてはロタウイルスあるいは小型球形ウイルス(SRSV : small round structured virus)があります。風邪と似た症状が見られる場合もあり、丁度インフルエンザのシーズンと重なるので「吐くインフルエンザ」「お腹の風邪」とも呼ばれます。最近ではSRSVによるものが圧倒的に多く、平成9年に食中毒の原因物質に指定され、冬場の食品による食中毒で最も多いのです。平成10年度の原因別食中毒患者の12%がこのウイルスによるものです。感染経路はこのウイルスを含む糞便が下水を通じて河川、海へ流れ、カキ等2枚貝等に取り込まれて濃縮されます。カキの中では増殖できないのですが、そのカキを生食するとヒトの腸内で増殖するのです。更に水を介したり、飛沫感染等人から人ヘ伝播し、秋から冬にかけて流行する事が明らかになったのです。予防法としては、カキ等の貝類は、生食を避け、十分に加熱調理して食べる、飲料水は煮沸してから飲む、下痢や嘔吐など風邪に似た症状があらわれた場合には調理しないようにします。二次感染の予防としては手洗いやうがいが有効です。潜伏時間は24~48時間。発症後3日程で治癒しますが、高齢者や乳幼児など抵抗力の弱い方では重症になる事もあります。治療は対症療法のみで、熱があっても抗生剤は効果がありません。吐いたり、下痢、そして発熱は体から水分を失い、元は軽い病気であっても悪化する事もあります。スポーツ飲料、お茶、薄いジュース等、水分を補給する事が大切です。
 
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胃食道逆流症
 
胃酸が逆流して食道の下部粘膜が炎症を起こすものを胃食道逆流症といい、最近特に増えている疾患です。症状は胸焼けや呑酸が中心です。日本人はもともと胃酸分泌能が低いので胃食道逆流症は少ないとされていて、内視鏡検査でも40年位前までは3%位しか無かったものが20年ほど前から15~19%と急増しています。これは診断する側に胃食道逆流症に対する認識が高まった事が一因ですが、高齢者が増えた事にも増加の原因がある様です。胃食道逆流症は食道下部の括約筋圧が低下したり食道の運動機能が障害されると、本来は逆流しない胃酸が逆流する為、食道下部が胃酸にさらされ、食道炎となります。すると更に括約筋圧が下がり食道炎が悪化するという悪循環を招いてしまうのです。特に高齢者では食道下部の括約筋が弛緩しやすかったり、裂孔ヘルニアがあって胃酸が逆流しやすくなっている為にどうしても胃食道逆流症になりやすいといえます。また食生活の欧米化により脂肪の摂取が増えた事も大きな原因といえます。脂肪の摂取は胃酸過多を招くからです。またピロリ菌に感染すると萎縮性の胃炎によって胃酸の分泌が少なくなる事が多いのですが、ピロリ菌の除菌によって胃酸分泌能が回復して胃食道逆流症が発症しやすくなるという報告もあります。この疾患は内視鏡で下部食退部に炎症がある事を確認して診断されますが、炎症が無くても症状だけが強く現れたり、はっきりと食道炎の所見があるのに症状が出ないという事もめずらしくありません。生活上では脂肪の摂取を減らす事、食道括約筋を弛緩させない為にも大食を避ける事、腹圧を上げるような服装や姿勢を避ける事、就寝時には上体をやや高くする事などが対策になります。
 
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胃の粘膜を守る
 
胃の中にはPH1.5~2.0の胃酸、蛋白質を分解する消化酵素ペプシンがあります。入の身体は蛋白質からできていますが、この物質によって胃に穴が開く事はありません。胃粘膜上の細胞からは、胃酸などが胃粘膜の細胞に直接触れないように、防御槽の役目を果たす粘液やアルカリ(重炭酸イオン)を分泌します。粘液層のPHを計測すると胃酸と接する粘液の上層部はPH2、粘液の底の部分はPH7とほぼ中性になっているのです。粘液は細長い糖蛋白で立体的な厚い絨毯のようになっているので分子量の大きいペプシンは通されないのです。しかし、この粘液も分子量の小さいアルコール、薬物等の人工物質は通してしまい、粘液が洗い流されてしまうのです。その部分の粘膜を胃酸、ペプシンが消化し傷つけることになるのです。胃粘膜は少しぐらい傷ついても、胃粘膜の血涙が正常であれば、血液からどんどん栄養を補給し、約3日半で全く新しい細胞に生まれ変わるといわれています。しかしストレス、アルコール、タバコ、薬剤等によって胃粘膜の血流が低下し、それが持続的であると、胃の粘膜は荒れ、傷付きます。胃粘膜の細胞が病的にはがれ落ち、新しく細胞が生まれ変わろうとする力も弱まってしまうのです。その為に胃酸の働きが強くなり、痛み、むかつきといった、胃の不快な症状が発生するのです。胃粘膜血流の低下が胃炎・胃潰瘍の始まりなのです。胃の健康のためには胃の血流を良くする生活が大切になるのです。
 
 
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悪性貧血と胃内因子
 
悪性貧血といえばビタミンB12や葉酸の欠乏によって起こります。全身の倦怠感やめまい、耳鳴り、肩こり、頭重感、動悸等の貧血症状等があり、更に下肢知覚障害も出てきます。この神経症状は早期に治療すれば回復しますが、遅いと元に戻らない事もあります。基本的にはビタミンB12や葉酸の摂取不足によって起こりますが、充分摂取していても起こる事があります。その時に重要な働きをするのが胃なのです。胃の働きの中で最も生命維持に必要な仕事は実は胃底部と胃体部で作られる「内因子」と呼ばれる蛋白質を分泌している事なのです。この内因子は食物に含まれているビタミンB12と結合し、胃の奈賀でビタミンB12内因子複合体となります。このビタミンと蛋白の複合体は腸では消化されずにずっと下っていきます。そして、小腸の最後の部分の回腸の特殊化された細胞によって初めて認識され、そこでビタミンB12は吸収されるのです。ですから、胃の内因子が欠乏したり、機能が異常になるとどんなにビタミンB12を摂取しても、吸収できないのです。このビタミンは脳脊髄の神経細胞の維持と赤血球の生成に必要なので、これが体内で欠乏すると、最終的には死に至ります。この内因子を作る細胞は実は塩酸を創る細胞と同じ壁細胞なのです。ですから胃酸の欠乏症の患者さんの中には、壁細胞が破壊されている時には、当然悪性貧血も合併する事になります。いずれにしても、胃がん等で胃を全摘出した人の場合は、直接注射等でビタミンB12を体内に送りこむ事が必要です。症状が不定愁訴ばかりですので、治療しても治りの悪い患者さんで胃の手術や胃腸障害を持っている人はこの悪性貧血も留意する必要があります。
 
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ストレスと消化管の疾患
 
過剰なストレスは消化管を直撃します。ストレスの影響は消化管の機能を支える内分泌系、自律神経系、消化管ホルモンに現われます。その代表的が胃・十二指腸潰瘍です。潰瘍は粘膜が胃酸に障害されて発症します。粘膜側からみれば胃酸は攻撃因子です。一方、粘膜は防御の為の粘液を分泌しますが、それを支える粘膜血流呈、粘膜再生能が防御因子になるのです。このバランスがどこかで崩れれば、潰瘍になってしまいます。この攻撃と防御のバランスを調節しているのが内分泌系、自律神経系、消化管ホルモンで、これらの調節機能がストレスによって完進したり低下したりします。内分泌系では視床下部が影響を受け、下垂体前葉からACTHの分泌が促進され副腎皮質から生体の代謝を高めるホルモンが分泌されますが、それが消化管では胃酸分泌亢進を促してしまいます。また、自律神経系では副交感神経系の興奮により、胃酸分泌が亢進して、粘液分泌は低下してしまいます。また交感神経系の興奮は、粘膜血流量を低下させ、粘膜の再生能も低下させます。自律神経は桔抗的に働きますが、ストレスが過剰になると攻撃因子が優勢になり、潰瘍が発生しやすくなります。また、過度のストレスが加わるのは、オーバーワーク、不規則な食事、睡眠不足等の生活習慣の乱れがありますが、再発性、難治性の潰瘍の患者さんはそれらの事を自覚していないケースがみられます。A型人間の様な完全主義や過剰適応の性格の人が多いといわれています。
 
 
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幽門括約筋
 
胃の中に送り込まれた食物は粥状に細かくされ、強度の塩酸で消毒されて、一部消化された状態で十二指腸に送りこまれます。その時に重要な役割を担っているのが幽門括約筋です。この幽門括約筋は開いたり閉じたりして十二指腸に送りこむ食物の量を微妙な匙加減で調節しています。ですから幽門括約筋が閉じている時には、胃の内容物は十二指腸に漏れ出す事はありません。この幽門括約筋を調節する信号は迷走神経によって大脳との間を行き来しています。迷走神経は幽門括約筋を開くタイミングを脳が決めるのに必要な情報を届けます。また脳は胃からの信号を解読して、括約筋を開けと命令して、食物が通り抜けたという信号が届くと脳は閉じろで命令します。これは胃の内容物と共に流れ込む強度の胃酸や消化酵素のペプシンが十二指腸の粘膜上皮にとって大変危険な物だからです。胃酸に対する胃の防衛策は上皮をアルカリ性粘液で覆いますが、小腸ではその機能はありません。そこで、胃酸を中和させる事が大切なのです。十二指腸に開口する膵臓の内壁に分泌器があり、更に十二指腸の壁にもブルンナー腺というアルカリ性の液体を分泌する細胞があります。これらの分泌液によって中和するのですが、この時アルカリ性に傾き過ぎても、十二指腸の粘膜を溶かしてしまいます。ですから、正しく中和する為にセンサーがあり、分泌液の量の調節をしているのです。その調節には幽門括約筋による開閉とも連動して、胃酸の流入を調節しなければなりません。この中和が上手くいかないと、消化、吸収の為の膵臓の酵素も上手く働かないのです。ところで、このセンサーによるアルカリ分泌の調節のシステムは、十二指腸の上皮の細胞から分泌するホルモンのセクレチンが関与している事は明らかになっていますが、この精妙なシステムの全体像は未だ謎なのです。
 
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大食い
 
大食い競争のテレビ番組があります。そこに出演している人の体型は一見して普通の体格なのですが、一度に食べる量は驚くべきものです。通常、胃の消化システムは飲み込まれた食べ物は食道を通り、胃に送り込まれて停滞して、腸が栄養をとりやすいように柔らかくされますが、その消化活動は胃の中に入ってから2~4時間たってから腸に送られるのです。大食いの胃はどの様になっているのでしょうか。胃の形には、釣型、エル字型、ルシュカ型、牛角胃の4種類あります。特に牛角胃では食物が停滞しないで、下に押し出しやすい構造なので西欧人や相撲取りなど、大食いの人に多いのです。しかし痩せの大食いの胃をレントゲン撮影したところ、普通の食欲よりもむしろ小さい胃であったのです。更にその胃では食べ物が胃に送り込まれると即座に腸に送られ、常に上部に空きができ、通常の胃に比べ数倍の活動量があるというのです。また満腹感は胃や腸の膨張を感じる神経の反応と、血糖値の上昇による信号が脳の満腹中枢にキャッチされて得られるのですが、大食いの人はその情報がキャッチできないで食べ続ける事ができると考えられます。ところでお腹―杯の食事をした後にケーキ等のデザートは別腹といいいます。この状態をレントゲン撮影でみると、食事した後は胃の上部には全く空きがないのに、ケーキが目の前に出された瞬間に胃が活動しケーキが入るスペースができます。視覚、味覚の記憶から空腹中枢が刺激され、胃の活動が活発になり、実際に別腹の部分ができるのです。大食いの人達も食べ物を見る事で、中枢からの刺激が通常の人より、数倍の胃の活動をさせているのかもしれません。
 
 
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消化管ホルモンとは
 
消化管ホルモンは胃や上部小腸の消化管粘膜に広い範囲で散らばっている多数の分泌細胞から分泌される複数のホルモンの総称で、膵臓のホルモンの用に内分泌腺から分泌されるのではありません。消化管ホルモンの中で最もよく知られているガストリンは、胃幽門洞や十二指腸粘膜に散在するG細胞から分泌され、塩酸や胃液の分泌を促進すると同時に下部食道括約筋の緊張を強めて食道への逆流を防ぎ、反対に幽門括約筋の緊張を緩めて十二指腸への排出を促す働きをしています。ガストリンが大量に放出されると、胃粘膜の血流が増加し(胃体の成長促進)、インスリン分泌を促し、腸管や胆嚢等の平滑筋の運動を促進して、胃液分泌を抑えます。セクレチンは最初に見つかった消化管ホルモンで、十二指腸や上部小腸粘膜のS細胞から分泌され、膵臓や肝臓からの重炭酸イオンの分泌を促進して、胃で酸性になった消化物を中和して小腸の消化吸収を促進しています。消化管ホルモンは他にも十数種類もあり、分泌細胞の場所は胃から十二指腸、空腸の上部に在ります。これらのホルモンはいずれも化学的構造がポリペプチドで作用の点でも共通する所が多く、膵臓・胆嚢・肝臓からの消化液や酵素の分泌と抑制、胃や腸管や絨毛運動の充進と抑制等、総合的に働いています。
 
 
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嚥下障害
 
普段何でもなく飲んだり食べたりする行為も、実は高度なシステムによって支えられていて、色々な条件で上手くいかなくなります。器質的には舌や喉、食道の炎症や腫瘍によって起こりますが、機能的には舌や喉を動かす神経や筋肉に異常があって起こります。一番多いのが脳血管障害等の後に残る機能障害ですが、パーキンソン病や脳腫瘍等でも起こります。また老化に伴う嚥下障害も多く、徐々に衰えて行く飲み込みの悪さは自分でもあまり意識されない様です。老化による嚥下障害は、嚥下筋力や神経の衰え、咀嚼力の低下、唾液の変化や減少、喉頭の位置の下降等、また粘膜の知覚や味覚が変化しても起こります。無症候性の脳梗塞の可能性も無視できません。高齢者の嚥下障害で一番気をつけなければならないのは誤嚥で、食べ物が気道に入り、それが元で肺炎を起こしやすくなります。嚥下障害の兆候で目立つのは食べ物にむせる事ですが、誤嚥があったり食事中や食後にむせや咳が多い場合、食後に嗄声がある場合には嚥下障害が疑われます。また肺炎を繰り返したり、食事時間が1時間以上かかる場合、更に夜に咳き込む時も嚥下障害が疑われます。
 
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口臭は体調のバロメーター
 
胃が悪いと口臭がすると言いますが、ゲップ以外で胃の内容物が食道を通って臭うという事は構造上ありえません。虫歯や歯同病などのトラブルが無いのに口臭があるというのは呼気性口臭と考えられ、肺でガス交換が行われて排気される、その臭いに他なりません。つまり臓器が代謝した物が血液に溶けて呼吸によっても排出しているわけで、呼気性口臭は内臓の状態を反映していると考えられます。特に腸内フローラのバランスは大腸の状態をストレートに反映し、悪玉菌によるガスは大腸から吸収され、呼気の臭いにも反映する事になります。メタンガスの様な口臭がある場合は大腸のフローラが相当悪くなっている筈です。他の原因でも口臭は起こり、糖尿病や耳鼻科的要因、ストレスによっても強くなります。またホルモンとの関係も強く、女性では思春期や更年期、生理中や妊娠中にも口臭が強くなる事があります。
 
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店で買う胃腸薬
 
薬店で買う胃腸薬の数は数え切れないほどですが、大まかに分けて3種類があります。胃酸を抑える制酸剤、消化を助ける消化剤、胃を丈夫にする総合胃腸薬です。制酸剤と消化剤とでは働きが反対なので選び方を間違えると効かないだけで無く症状を悪化させます。胸焼けや呑酸、げっぷは胃酸過多によるものですから胃酸を抑える制散剤、胃もたれや食欲不振等は消化酵素等が入った消化剤を選びます。何とも判別がつかない場合等は制酸効果もあり、消化も助けるという総合胃腸薬を選ぶという事になります。スイッチOTC薬のH2ブロツカーはヒスタミン第2受容体に直接働いて胃酸の分泌を抑えるものですが、効き目が高い分、全身のヒスタミン受容体にも影響を与える事もあるので、副作用に注意しなければなりません。他の胃腸薬も、市販薬とはいえ他の薬との飲み合わせもあるので、他疾患の薬を飲んでいる人は薬剤師にしっかりと説明を受けるべきでしょう。一部ですが、ごく一般的な市販の胃腸薬は以下のとおりです。
○制酸剤系
・サクロンS(成分:水酸化マグネシウム、無水リン酸水素カルシウム等) / エーザイ
・パンシロンAZ(成分:炭酸水素ナトリウム、重質炭酸マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等) / ロート製薬
○消化剤系
・ハイウルソ顆粒(成分:ウルソでオキシコール酸、ビオジアスターゼ、リパーゼAP6等) / 佐藤製薬
・第一三共胃腸薬プラス細粒(成分:タカヂアスターゼN1、リパーゼAP12等) / 第一三共ヘルスケア
○総合胃腸薬系
・キャベジンコーワα / 興和
・太田胃散 / 太田胃散
・パンシロンAZ /ロート
強力わかもと・新三共胃腸薬・大正漢方胃腸薬・新中外胃腸薬顆粒・キャペ2コーワなど
○H2ブロッカー系
・ガスター10(成分:ファモチジン等) / 第一三共ヘルスケア
・アシノンZ錠(成分:ニザチジン等) / ゼリア新薬
・アルタットA(成分:ロキサチジン酢酸エステル塩酸塩等) / 興和
・大正胃腸薬Z(成分:ラニチジン塩酸塩等) / 大正製薬
・アルサメック錠(成分:シメチジン等) / 佐藤製薬
 
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ピロリ菌
 
1983年にヘリコバクター・ピロリ菌が発見されてから、ピロリ菌は胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因になっていて、胃がんの原因や慢性胃炎とも関係があるとみられています。実際にピロリ菌を除去すれば胃潰瘍や十二指腸潰瘍が消えたり改善される事からピロリ菌原因説は間違いなく、現在では潰瘍患者のピロリ菌除去は保険適用となっています。ピロリ菌をなくせば胃炎や胃潰瘍のほとんどが良くなる様な期待がされましたが、最近ではそう単純には行かない事が分かってきています。ただ十二指腸潰瘍に関しては胃潰瘍よりもピロリ菌の影響が大きい事は間違いないようです。ピロリ菌は胃や十二指腸の粘膜その物も傷つけますが、ピロリ菌の毒素が粘液細胞に隙間を作ったり、ピロリ菌の出すアンモニアが粘膜を傷つける事によって強い酸に腸壁をさらす事になると考えられています。またピロリ菌をやっつけようと集まってくる好中球が出す活性酸素も粘膜を破壊してしまいます。つまり一つのやり方ではなく、これらの様々なメカニズムが重なって症状を作って行くのです。さて、日本人はピロリ菌感染が非常に多く、40歳以上の7~8割は感染しているといわれていますが、感染すれば全てが胃潰瘍や十二指腸潰瘍になるわけではありません。ピロリ菌の菌株によって潰瘍にさせやすいものやそうでないものがあり、また感染者個人の胃酸分泌能力や免疫機構によっても違ってきます。動物実験ではピロリ菌に感染がある上に濃い濃度の塩分を摂ると胃がんになる事も報告されているので、塩分の摂り方も問題となる様です。また最近では耐性菌も出てきているので、除菌薬の使い方も要注意です。
 
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胃を切る
 
胃がんや胃潰瘍などで、胃の一部あるいは全部を外科手術で摘出しなければならないことがあります。胃潰瘍の手術数は80年以降H2ブロッカーなどの特効薬の登場で激減していますが、それでも難治性胃潰瘍や胃穿孔や幽門狭窄等には手術が必要です。胃の手術の安全性は昔に比べて格段に高くなってきていて、手術による直接死亡率は0.2~0.5%、です。胃や腸など消化管を切除した場合、食物の通り道を作り直す事を消化管再建といいます。残胃と十二指腸を直接つなぎ合わせるビルロートI法、残胃と空腸をつなぐビルロートn法、又は十二指腸上部を縫合して閉じ、残胃を空腸の約30cm下につなげるルーワイ法などがあり、残す胃の大きさや食道への逆流の問題等を考慮して選択されています。さて胃を切除した後、食欲は起こらないのではという疑問がわきますが、食欲をコントロールしているのは胃では無く脳の視床下部にある満腹中枢・空腹中枢で、2つの中枢のバランスをとるシグナルが血糖値なのです。胃の摘出手術後は食道と空腸の吻合部は直径約1.5cmで、この吻合部が伸びて大きくなる事は無く、この穴より大きな食物はつかえてしまうので、小さく刻んだ食べ物をゆっくり十分に咀嚼する事が大切です。よくある後遺症としてはダンピング症状といって、食後2時間程で脱力感・めまいなどの低血糖症状を起こす事があります。
 
 
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今でも怖いスキルス胃がん
 
胃がんは早期発見、早期治療で治癒率が非常に良くなっています。しかし定期的に胃がん検査を受けているにもかかわらず、見つかった時には既にがんが非常に大きくなっていて手遅れだったという胃がんがあります。テレピタレントの逸見致孝さんが自分のがんを発表してわずか3ヵ月で逝った原因もこのスキルス胃がんでした。ほかのタイプの胃がんが潰瘍形成や浸潤の形態をとって内視鏡等で発見されやすいのに比べて潰瘍形成も無く、周囲粘膜との境界もハッキリしないので見つかりにくい上に、進行や転移が非常に早いのです。30代や40代の若い人にも多いのが特徴です。また胃がんその物は女性より男性の方が多い(10:6)のに、このスキルス胃がんに限っては女性の方が多く(10 :11)、女性ホルモンが関係しているのではないかと見られています。欧米ではスキルス胃がんは手術しない事が多い様ですが、日本では手術と合わせて化学療法を術前にも行う等の治療が行われています。手術ができる場合には胃全部の他にすい臓、肺臓、胆嚢、副腎、横行結腸までも切除する拡大手術が比較的に有効とされていますが、治癒率は非常に低いのが現実です。早期発見が難しいとはいえ、胃がんの検査をするのであれば、毎年同じ場所でレントゲン写真を比較してもらって胃が縮んでいないか調べてもらう事も早期発見につながります。
 
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小腸の働き
 
小腸は全長約6mのうち十二指腸が約25cm、空腸は前2/5ほどで回腸はその後3/5ほどを占めていますが、空腸・回腸の境界はあいまいで鮮明ではありません。腸管壁の厚さは下部にいくほど薄くなり、粘膜ひだも十二指腸下部から空腸上部にかけてよく発達していますが、その後は次第に薄くなっていきます。しかし小腸の免疫機構は空腸から回腸下端にいくほど発達していて、小腸のあちこちにあるリンパ小節が下部小腸では集合して発達し、集合リンパ小節(バイエル板)を形成しています。さて消化は胃で行われると思われがちですが、胃ではタンパク質のごく一部の消化が行われるだけで、食物を胃液と混ぜてドロドロのかゆ状にする機械的作用が主です。消化のほとんどは小腸で行われ、小腸粘膜の輪状ひだには無数の絨毛があって小腸管の表面積は膨大なものとなりていますが、絨毛の上皮細胞にはさらに細かな微小絨毛が密生しています。この微小絨毛の表層に種々の消化酵素が含まれ、豚臓で分泌された酵素も細胞膜表面の糖皮に吸着されていて消化に役立っています。小腸の管腔内で漂っている酵素と接触して消化されるのはごくわずかで、大部分の消化は微絨毛上皮の細胞膜に密集してうまく分布配列している消化酵素によって進められます。こうして効率よく最終段階にまで消化が進められ、分解されて生成したアミノ酸、単糖類、脂肪酸、グリセロールはただちに吸収過程に送り込まれる仕組みになっているのです。
  • 所在地〒259-1137 神奈川県伊勢原市笠窪383-3
  • アクセス小田急線 鶴巻温泉駅より徒歩8分
  • 責任者溝口 潔
  • 営業時間9:00~19:00 / 年中無休
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