神奈川の鶴巻温泉治療院は医師も推薦する気功治療院です。

症状別ページ

遺伝子

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人のゲノムでわかったこと
 
2000年にヒトゲノムの塩基配列がほぼ分かりました。しかし塩基配列が分かったといっても、本当はそれだけでは意味がありません。それはまるで、カタカナだけで書かれて句読点もなければタイトルも無い、おまけに間に意味の無い文字の羅列が挟まっている様な、31億6500万文字の文章に過ぎません。おまけにその文章の意味のある部分(遺伝子)は全体の3~5%ですから、意味のある部分を確定し、文字を意味のある文章(遺伝子)として確認する作業が必要となります。その遺伝子の部分もこれまで人で10万個程だと予想されていましたが、実際には3~4万個だという事も分かったのです。この数は細菌の遺伝子の10倍、ショウジョウバエの2倍にしか過ぎません。哺乳類でいえば遺伝子の数だけで無く9割が同じかよく似た遺伝子であり、チンパンジーでは98%がヒトと同じ遺伝子です。しかも細菌由来の遺伝子が200個以上もあって、実際に遺伝子としての働きをしている事も分かっています。つまり人は生物として特別な存在ではなく、あらゆる生物は人間が思っていた以上に近い存在だと言えるのかもしれません。
【DNAデオキシリボ核酸】
細長い糸状の科学物質で2本のDNA鎖が4種類の塩基で結びついていて二重らせんを作っています。塩基はアデニン(A)チミン(T)グアニン(G)シトシン(C)で必ずAはTとGはCとペアを作ります。この塩基の中でタンパク質を作る部分が遺伝子。
 
 
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遺伝子治療とは
 
遺伝子治療と言っても、遺伝子その物を治療する遺伝子治療と、遺伝子は使うが遺伝子その物は治療しない遺伝子治療とがあります。現在アメリカ等で盛んに行われている遺伝子治療とは、遺伝子を使う方の遺伝子治療で、遺伝子その物の治療を目的としたものは少数です。がんに対する遺伝子治療を例にとれぱ、例えば遺伝子異常によってがん抑制遺伝子のp53が慟かなくなった場合、p53を作る遺伝子を持ったベクターを体内に導入する事でp53を作らせてがんを抑えるといった方法です。つまり遺伝子そのものには手を加えなくても、細胞増殖やサイトカインなどに関する遺伝子を入れて、必要な部位で一定期間だけ作用させる事を目的にします。このやり方の遺伝子治療なら、安全性さえ確認できればほとんどの病気に対して治療法のひとつとして広く使われる事になるでしょう。ただし、この方法では遺伝子が働かない為に起こる遺伝子病には有効ですが、働いてはいけない遺伝子が働いた為に起こる遺伝子病は治療できません。その場合は遺伝子その物を作り変えるだけで無く、その遺伝子の発現を調整している要素までも考えなければなりません。
しかもその病気に関わる遺伝子は1つとは限らない上に、外来遺伝子を目的の所に組み込むという究極の遺伝子治療技術はまだできていないのが現状です。
【遺伝子治療事故】
遺伝子治療はすでに世界中で行われています。がんが約7割遺伝病1割弱、その他(AIDS含む)です。1999年にアメリカで遺伝子治療事故が起こりましたが、これはベクターのウイルスに対する非特異的免疫反応が過剰に起こった為と考えられています。この事故以来アメリカでは技術改良だけでなく厳しい見直しがされています。
                                                         
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性の決定と遺伝子
 
20001年2月の「ネイチャー」で、性染色体の男性だけが持つY遺伝子染色体には僅か26個の遺伝子しか無いと発表しました。この遺伝子の中で注目されているのがSRYと呼ばれている遺伝子です。マウスの実験で、このSry(動物ではSry)をXXの性染色体を持つマウスの受精卵に入れると精巣をもつ雄のマウスが産まれたのです。ヒトの胎児の発達過程をみると受精後7選目までは男も女も形態的には変わりません。この頃までは同じ生殖腺原基を持っているので、精巣にも卵巣にもどちらにもなれる潜在的な能力を持っているのです。ところが、性差が生じるこの時期にだけSRY遺伝子が働いて、精巣を作り男性化を促すのです。
そしてこの時期を過ぎるとSRY遺伝子は2度と登場しません。ですからSRYは最初のきっかけを作る性決定遺伝子といわれています。もちろんこの男女の性差を決定して行く遺伝子はSRY遺伝子の他にもあり、Y染色体以外の常染色体に数多くある事も知られています。ところで、ヒトではXXの性染色体を持ちながら身体は男性になる場合があります。
この場合、SRY遺伝子がX染色体にあったのです。逆に、XY染色体を持ちながら身体は女性になる例では、Y染色体上にSRY遺伝子がありませんでした。生殖細胞は減数分裂をしますが、この分裂の時にエラーが発生した為に、遺伝子の組換えが上手くいかなかった為なのです。
 
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遺伝子と蛋白質
 
ヒトの体は蛋白質や脂質、糖質、無機質からできていますが、中心は蛋白質です。体を形づくるのも蛋白質なら、体内で化学反応を起こしている膨大な酵素も蛋白質です。酵素は消化、エネルギー製造、神経や免疫の働きに必要な生命現象の担い手といえます。ですから途中どの酵素が欠けても生命活動がスムーズに行きません。また細胞自身が複製、分裂する時にも蛋白質が必要です。その生命の基礎である蛋白質は1万種類以上もあるといわれていますが、それを作っているのは僅か20種類のアミノ酸です。1つの蛋白質はこのアミノ酸がどんな順番でいくつ繋がっているかによって違うのです。遺伝子は体の設計図だというのも、適当な時期に適当な量の適当な蛋白質を作る指令を持っているという意味です。DNAは3コの塩基を使って1つのアミノ酸を作りますが、ひとつの遺伝子はそのアミノ酸の並び方が書かれいるというわけです。DNAの塩基配列が分かったという事は、この蛋白質の作られ方が分かるようになったという事で、生物間の本質的な違いや病気の原因など、生命現象が解明される基礎を手に入れたという事なのです。
【必須アミノ酸】
20種類のアミノ酸は細菌から哺乳類まで共通。ただし人では12種類のアミノ酸を合成できますが、8種類は合成できません。それが必須アミノ酸と言われるものです。必須アミノ酸は動物の種類や年齢によって違いがあり、例えば大人のラットの必須アミノ酸は10種類です。必須アミノ酸はどの動物も体外から摂取しなければなりません。しかし微生物や植物は20種類すべてのアミノ酸を合成できます。結局動物は植物がなければ生きていけないのです。
 
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ミトコンドリア病
 
ミトコンドリアは細胞の中にある小さな器官で、エネルギーを作る働きをします。DNAといえば核の中にある1セットの核DNAを思い浮かべますが、ミトコンドリアの中にはそれとは別のDNAがあります。それはわずか37個の遺伝子を持つ環状になったDNAで、ミトコンドリア1個の中に5~10セットあります。ひとつの細胞の中のミトコンドリアは数十から数百個ですから、ミトコンドリアDNAとしてはひとつの細胞の中に数千セットもある事になります。さて、ミトコンドリアはどの細胞にもあるので、そのDNAが障害されれば全身のあらゆる器官に症状があらわれることになります。健康なミトコンドリアであっても、少量の遺伝子変異は誰でもが持っているという報告もあり、病気の発症は変異が溜まった量や割合にもよるのでしょう。ミトコンドリアのDNAは変異しやすく、環境等の色んな要因によっても影響を受けます。最近の研究では、ミトコンドリア脳筋症等といわれていた病気や眼筋麻庫だけでなく、インスリン非依存の糖尿病、パーキンソン病、アルツハイマー、ライ症候群、心臓病等もこのミトコンドリアDNAの異常と関係ある事が分かっています。また老化とも強い関係があると考えられています。
 
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遺伝子と薬の効き目
 
薬の量は年齢や体重等をおよその目安にしています。しかし、これほどいい加減な目安はありません。漢方は例外ですが薬のサジ加減など今の投薬医療では存在していないと言えるでしょう。抗がん剤の様な副作用の強い薬も人によってまったく効かないケースがあります。そんな薬をおよその目安だけで投与されてきました。そこでオーダーメード医療、つまりサジ加減を復活させる医療が注目されてきたのです。この薬理ゲノミックスと呼ぶ新しい方法は、あらかじめ病気に関連のある遺伝子を調べ、どの薬が効果があるか無いかを確認するやり方です。基本的には薬の効くという事は、体内で薬が結合する分子(標的分子)である受容体や酵素の様な分子に上手く結合する事ができるかにかかっています。これらの分子は蛋白質ですが、その構造は遺伝子によって決定されています。例えば血液型を決める遺伝子は第9遺伝子の長腕の端の方にある決まった遺伝子の上(遺伝子座)にありますが、A、B、○型と人によって違います。この様に一つの遺伝子座に複数のタイプの違う遺伝子がある場合を多型性といいます。これは何も血液型だけで無く、各種の酵素の遺伝子や受容体の遺伝子、免疫反応を起こすヒト白血球型抗原(HLA)等他にも多型性の遺伝子座は沢山あります。この多型性の遺伝子座の遺伝子が違えば、その命令書で作られた蛋白質の構造や能力に違いが出てきて、それが薬の効き目に影響を与える事になるのです。
 
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ゲノムの次は一塩基多型
 
遺伝子分野ではゲノム解読の次に注目されているのが一塩基多型(SNP=Single Nucleot ide Polymor-phimの略)です。遺伝子配列が各個体の間で異なる存在の事を多型といい、DNAを構成する30億塩基の内、塩基配列の違いは個人個人で0.1%の約300万あるといわれています。一塩基多型は「DNAが4つの塩基配列で大半の人ではシトシンなのに、ある人ではチミンに置き換わっている」という事です。この一塩基多型の多くは成長や健康に影響しません。しかし、一塩基多型がたまたま遺伝子部分にあった場合、たった1塩基違うだけで遺伝子の活性や構造に影響し、蛋白質の違いが生じて、それが個人の体質差に繋がるのです。このー塩基多型が病気の罹りやすさや薬の効力に関連していると考えられています。そこでDNAチップに被験者の血液を数滴落として、塩基のパターンを解析することで、心臓病、アルツハイマー、糖尿病など、どの病気にかかりやすいのか、マーカーとして役立てる事ができるのです。また薬の効き具合は蛋白質の量や質が徴妙に違う為と考えられているので、この解析から効果が高く副作用の少ない薬を枚与するオーダーメード医療が実現する可能性があるのです。無駄な薬の投与を省いたり、特定の病気や生活習慣病にかかりやすい人が予防的な医療を受ける事で医療費が抑制できる事も期待されています。
 
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Y染色体アダム
 
子が親から受け継ぐ遺伝子は、半分は母親由来で半分は父親由来のものです。第15染色体にある胚の発生に関するものは、父親から受け継いだ遺伝子が胎盤を作り、母親から受け継いだ遺伝子が胚の大部分を作ります。哺乳類の胎盤は、胎児に栄養を与える為に作られた母体側の器官では無く、母体の血管に寄生しながら拒絶反応を起こさせない為に作られた父親由来の胎児の器官なのです。さて男性固有のY染色体はもちろん父親由来で、3万5千もの塩基対がありますが、遺伝子の数はX染色体が407個あるのに対し性決定遺伝子など僅か26個と少ないのです。遺伝子以外の塩基はヘテロクロマチンと呼ばれるほとんど意味をなさない単純な繰り返し構造となっています。理化学研究所ゲノム科学総合研究センターの藤山博士は、Y染色体にあるヘテロクロマチンの長さは個人によって異なるといい、受精の時に常染色体は対になって組み換えを起こすがY染色体は相手がいないので組み換えの為の切り出しが行われず、親の形質をそのまま受け継ぐのだといいます。この事は「必ず父親から受け継ぐ」「組み換えがあまり起こらない」といったY染色体だけの特微なので、これを利用して人類進化の道筋をたどろうという試みが行われました。細胞形質にあるミトコンドリアのDNAは母親由来という事から、人類最初の女性「ミトコンドリア・イブ」を探そうという研究のように、Y染色体の最初の持ち主「Y染色体アダム」を探しアフリカのアダムにたどり着いたのです。
 
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性格と遺伝子
 
「三つ子の魂百まで」というように性格傾向が生まれつきなのは昔から経験的に知られていました。それが、実際性格に影響を与える遺伝子が存在すると考えられる様になってきました。最近では特定の性格を脳内ホルモンや神経伝達物質、またその受容体など、脳の機能的あるいは器質的なものとして説明する事ができるようになっていました。ですから遺伝子という命令書までさかのぼる研究も割りと容易であるわけです。例えば、ドーパミンは脳のやる気を与える物質ですが、少ないと気分が落ち込みやすい性格になるといわれています。量的な問題だけでなくドーパミン受容体の能力の低下でも同じ事が起こります。このドーパミンの受容体を合成する遺伝子が第11染色体の短腕上にあるD4DR遺伝子です。この遺伝子の真ん中には変異しやすい反復配列がありますが、その反復回数は2回から11回と人により違うのです。この反復回数が多いほどドーパミン受容体の能力が弱まる事が分かりました。反復回数の多い長い遺伝子を持っている人の脳内のいくつかの部位で、ドーパミンに対する反応性が低下している事が明らかになっています。そこで一時この遺伝子がうつ病の原因遺伝子では無いかと疑われましたが、現在では否定されています。うつ病に関してはX染色体にある種のうつ病に関与している遺伝子があるらしいと言われたり、18番目の数カ所と21番目の1ヵ所に躁うつ病の発症しやすさと関係する遺伝子がある等と示唆されていますが、証明されていません。このように脳内の伝達物質や受容体に関与する遺伝子が特定されても、実際は人間の精神の営みは非常に複雑な要素を含んでいるので、性格や精神、精神疾患を遺伝子レベルで特定する事は極めて難しいと言えます。
 
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高血圧は減塩それとも薬
 
第一染色体にあるAGT遺伝子はアンジオテンシンノーゲンという昇圧ホルモン前駆物質を作りますが、その遺伝子の235番目のアミノ酸がスレオニンであれば高血圧になりやすいT型、メチオニンであればなり難くM型と遺伝子診断をされます。高血庄と塩分の関係からみると、T型体質の人は代謝への塩分の影響が大きく、少ない塩分でも血圧が保てる様に体内に水分と塩分を過剰に貯め込み、高血圧体質になると考えられています。高血圧は本態性と2次性があり、90%は遺伝的素因のある本態性です。両親から遺伝子を受け継ぐと、TT型、MT型、MM型の3パターンに分かれますが、これを分析すると本態性高血圧の79%はTT型、MT型は19%、MM2%型になります。高血圧症の治療でTT型体質は減塩が非常に効果的で、一日の塩分量は5から8グラムに抑える事です。MM型の人には減塩ではなく薬による治療法になり、MT型は減塩による効果を見ながら薬を併用する事になります。高血圧は遺伝的素因があれば誰でも起きるものでは無く、それに食生活や日常生活等の環境因子が重なっているので、注意を払う事が大切です。
 
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臭いと遺伝子
 
嗅覚は感覚器の中で最も原始的です。鼻には通常の臭いを感じる嗅覚と性的シグナルを感知するヤコブソン器官があります。ところで、我々の身体から出てくる臭気といえば汗ですが、汗には水分や塩分の他に多数のアミノ酸が混ざっています。また皮脂腺からは温厚で透明な脂肪質の分泌物が出ていますが、そこには遊離した脂肪酸が豊富に含まれています。この皮脂腺は思春期まではまったく活動しない事から、この分泌物には性的なシグナルを放出する物が含まれていると考えられています。特に腋、頭皮、陰部、臍に密集しているアポクリン腺はそれ自体には臭いが無いのですが、バクテリアが脂肪分とホルモンを分解して強烈な臭いを出します。ところでマウスの実験結果で次のような結論が出ています。雌のマウスは、他の条件が全て同じなら、自分と大きく違うMHC(主要組織適合性抗原遺伝子複合体)という遺伝子群の雄を選択するそうです。その際、この遺伝子群の違いを雄の尿の臭いで嗅ぎ分けるといいます。この第6染色体上のMHCといわれる遺伝子群は免疫系の中での自己・非自己を明確に区別していて、病原体の侵入に対応する役割があります。また病気への耐性に関わる多くの遺伝子が含まれています。ですから対立する遺伝子を獲得する事は有効な自己保存の選択といえるのです。人の場合としては、男女に二日の間防臭剤や香水を禁じてTシャツを着てもらい、男女の被験者のそれぞれの異性の好きな臭いの順番を付けるという実験がありました。この結果もやはりMHC遺伝子が大きく違う臭いを選択したのです。
 
 
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高齢出産で寿命が延びる
 
自然淘汰の力は若い頃には働きますが、生殖が終わってしまうと弱くなります。つまり淘汰される様な弱い個体は生殖期まで生き延びる事ができないし、生殖が終わればそれ以降に発症する病気はすでに子孫に伝わっているからです。ですから高齢になればなるほど自然淘汰は働かないというわけです。とすると、高齢での生殖は自然淘汰に打ち勝った事であり、自然淘汰の時期を引き延ばす事にもなります。現に高齢での生殖を意図的に遅らせて寿命を伸ばすと活動も活発で、長い間歩いたり動ける力を持ち続けると言います。ただしこれはショウジョウバエで確認された実験。人間に応用するには10世代は必要で、寿命が延びたと実感するには1世紀はかかります。残念ながら自分や子の世代の寿命が伸びるわけではありません。
 
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アルコールで多重がんの危険
 
酒をどれだけ飲んでも健康な人と、少ししか飲まないのに身体を壊してしまう人がいます。アルコールは主に肝臓でアセトアルデヒドに分解され、毒性の無い酢酸に分解されます。アルコールを無毒化するアセトアルデヒド脱水素酵素は、肝臓にある細胞質可溶性の酵素1とアセトアルデヒド脱水素酵素遺伝子がつくるミトコンドリア性の酵素2の2種類あります。白人のほとんどはこの2種類ともある正常型ですが、日本人を含むモンゴル人種は酵素2を欠く人が多いので東洋人は白人よりお酒が弱いのです。日本人の6割は正常型、1割は完全欠損、3割は中間型といわれ、飲酒後の血中アセトアルデヒド濃度は正常型では完全欠損の10%、中間型では完全欠損の25%と低いのです。このアルコールに弱い人が習慣的に飲んでいると、口の中や食道にも同時にがんが広がる多重がんになる危険性が高いという事を千葉の国立がん束病院の研究チームが日本癌学会で報告しました。のどや口の中にできる頭頸部がんの患者78人の内、食道にも複数のがんができた29人の体質、生活習慣の調査の結果、酵素が一つしかない酒に弱い人が習慣的に飲んでいる事が分かり、正常型の人の約18倍も罹りやすい事が分かったのです。弱いけれども会社のお付き合いで飲んだり習慣的に飲んでいる人は、がんになる危険性が高いのでアルコールは慎んだ方がいいでしょう。
 
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究極の禿治療は
 
頭部脱毛症は世の多くの男性の悩みとなっていて、市販の育毛剤や発毛剤は常に売り上げの上位です。しかし発毛促進の効果が高いといわれる最新の薬剤でも、誰にでも効果がある分けではなく、毛嚢や毛根に活力を与え頭皮の血行を良くするといった表面的な事をどれだけ努力しようと、やがては遺伝子の設計図に従って髪の毛は抜け落ちていきます。巨大な市場が見込める禿治療法をゲノムベンチャーや創薬会社が見逃す筈がなく、禿遺伝子の研究は先進各国で行われてきました。'99年にはドイツの皮膚研究者たちが、マウス実験で2種類の脱毛素因遺伝子を発見し脱毛のメカニズムを解明したと発表しました。一般に哺乳類の毛嚢は一定の活動期間の後休止期に入りますが、この休止ゲノム情報を伝えるのが脱毛素因遺伝子です。この遺伝子はあるレセプターと結びつくとそれぞれ「BDNF」「ニュートロフィン4」という毛嚢を収縮して脱毛させる化学物質を作るスイッチを押します。既にこの種のレセプターの働きを抑える薬は脳神経細胞脱落痴呆症の治療薬として実用化されているので、脱毛を抑えるゲノム薬としての発売も間もないかもしれません。またアメリカや北欧では、既に脱毛してしまった場合でも、遺伝子操作で毛嚢を新生させるポリペプチド鎖系タンパク質を創り出すことで、発毛させる動物実験に成功したということです。いずれ禿で悩む人がぐんと少なくなる時代がくるのでしょうか。
 
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分子時計で系統樹が変わる
 
生物の教科書等に生物の進化を表す系統樹があります。進化の段階を1本の木に見立てて生物を当てはめた物で、大元に真核細胞と原核細胞があり、真核細胞から真核生物ができ、動物界、植物界、菌類界が出現したという表現になっています。このお馴染みの系統樹は解剖学的な類似点を頼りに作られてきました。ところが生物がゲノムのレベルで解析されるようになった為、この系統樹が大きく変わりました。この新しく手に入れた生物の進化を調べる武器は『分子時計』というもので、ある2つの生物が分かれた年代を調べる場合、両者のゲノムの塩基配列やアミノ酸配列の共通する部分、違う部分を比較する事でそれらがどの位前に分化したのかが分かるというのです。それによるとこれまでの系統樹では重視されなかった細菌類こそが地球の生命の大元をなしている事が分かりました。動物の先祖はミドリムシや繊毛虫等である事もこの分子時計によって分かっています。実際の生物では遺伝子の共通がその生物の姿形とが共通するとは限らず、解剖学的な分類では無理な事が沢山出て来そうなのです。例えばこれまで鯨目のクジラと偶蹄目のカバが同じ祖先である事も分かり、これ等は分類の仕方が目のレベルから間違っていた事になります。多くの生物のゲノムが分かり生物同士の意外な結び付きも分かっています。
系統の順序:
門(もん)→綱(こう)→目(もく)→科(か)
 
 
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遺伝子組み換え植物の戦略
 
日本国内で流通している遺伝子組み換え作物は大豆、なたね、トウモロコシ、ジャガイモ、綿、トマト、テンサイ等で、組み込まれた遺伝子によって除草剤や害虫に耐性があるとされています。従来、交配による品種改良は同種生物の間でしかできなかったものが、遺伝子組み換えでは植物に動物の遺伝子を組み込む事もできます。あるトウモロコシは、葉を食い荒らす害虫が食べると死んでしまうBtタンバク質を出す細菌の遺伝子を組み込み、殺虫剤を散布しなくてもいいといわれています。でもBtタンバク貿に感受性のない害虫に対しては当然ながら無効です。さてアメリカの多国籍ハイテク企業の最大手のモンサント社は、毒素を出す遺伝子を組み込んだ作物が次世代の種子を残せないようにした「植物遺伝子の発現抑制」別名ターミネーター・テクノロジーを開発しました。しかしこの技術が世界中から非難を浴びると、今度はさらに巧妙な「トレーター・テクノロジー」と呼ばれる技術を開発しました。植物は成長過程で病気に対する抵抗性を発現したり種子を実らせる性質を発現したりしますが、トレーター・テクノロジーはこうした能力を発現する遺伝子とそのプロモーターの間をいちいちブロックしておく技術です。この作物をうまく育てるには、この段階でこの薬をかけなさい、次の段階ではこの薬をかけなさいというように、ブロックを外す薬を次々と農家に買わせていき、もしもどこかの段階で薬をかけるのを止めるとその作物は正常に育たなくなるのです。特許料のかかった種子と薬剤のセットを買わせる為の巧妙な戦略ですが、貧しい国では遺伝子組み換え作物で飢餓を救うどころか種子さえ買えない事になりそうです。
 
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激化する特許戦争
 
病気に関する遺伝子の研究が進むにつれて、遺伝子の特許争奪戦が激烈になっています。その先端にあるのがアメリカですが、米特許商標庁は「ステルス特許」を禁止するガイドラインを発表しました。ステルス特許とは、“何の遺伝子かは分からないが、とりあえず遺伝子だから特許をとっておこう”という様な特許です。こういった特許を禁止するというのは当たり前と言えるでしょうが、一方で、はっきり何かは分からないが何らかの有用性(それを利用して薬を作る事が可能など)を証明すれば遺伝子の断片でも特許を認めています。そもそも自然に存在する遺伝子に関して特許が認められるかという疑問の一方で、遺伝子の研究には膨大な研究費が必要であり、その為にも特許が必要であるとの立場が優勢です。しかし、一度特許が得られると、その遺伝子を研究するにも特許料を支払わなければならなくなったり、その為に利益を生みそうに無いと分かった研究(極まれな病気に関した遺伝子のような場合)が進まないという事も起こってきます。現にカナバン病を発症した子供の病原遺伝子を発見したマイアミの子供病院は、特許をとって他病院ではカナバン病の検査ができなくなるという様な事や、ある会社が持つアルツハイマーを診断するための遺伝子が自由に使え無くなり、特定の場所でしか研究でき無くなった等という事が起こっています。また特許に触れるのを恐れて研究を中断したり断念するという研究所や研究者も増えているといいます。特許を取った会社が安価な薬を提供するのか、治療に莫大なお金を使わなければならなくするのかは会社の意向次第という事になるのです。このような事態は法的には問題がないとしても、倫理的には問題が大きいと言わざるを得ません。
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