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症状別ページ

がん

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がんと炎症

がんを引き起こすウイルスには肝臓がんのB、C型肝炎ウイルス、バーキットリンパ腫や鼻咽頭がんのEBウイルス、子宮がんのパピローマウイルス、白血病のHTLV(ヒト白血病ウイルス)等がよく知られています。これらのがんは癌を発生させる遺伝子を持っています。しかし、がん遺伝子だけが原因では無いと言う研究も出て来ているのです。それはがんウイルスによって標的の臓器が慢性的な炎症になる事でがんの発症に関与していると言うのです。ですから慢性的な炎症を起こすものはウイルスばかりで無く、細菌や寄生虫も挙げられます。話題の胃がんの原因となるヘリコバクター・ピロリ菌や口腔内連鎖球菌のーつストレプトコッカス・アンジノズスが食道がんの原因ではないかと言われています。更に膀胱がんは住血吸虫と言う寄生虫が関与している場合がある事も分かって来ました。がんの原因の約10%はこのようなウイルスや細菌による慢性的な炎症によるのではないかと言う報告もあります。最近では抗炎症剤は炎症を抑える効果だけで無く、同時にがんを抑制する事が分かってきました。非ステロイド系の抗炎症剤のアスピリン等が大腸がんの発生を抑える事が出来ると言う報告もあります。また、癌が出来てしまった為に、がん細胞から作られるサイトカインが炎症を起させ、その炎症によって益々がん細胞が増殖すると言う事も明らかになってきました。従来は因果関係がハッキリしていなかった癌と炎症には深い関係がある事は間違いないところです。

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DNAメチル化と癌
 

正常な細胞には、無制限な分裂を抑える「細胞増殖のブレーキ」役とも言うべき、癌抑制遺伝子がいくつも備わっています。代表的な癌抑制遺伝子には、DNAの損傷を修復する酵素蛋白を作る「p53遺伝子」や、細胞分裂を促進させるE2F転写因子を制御する「RB遺伝子」といった物があります。細胞核内に1対づつある癌抑制遺伝子の両方が壊れて、初めて癌化が促進されるのですが、遺伝性の癌と言われる人は生まれながらに片方の遺伝子が欠失や変異しているので、癌になりやすいのです。ところが最新の研究では、癌抑制遺伝子にまったく欠失や変異が認められないのに、機能していない為に癌が発生する事があると分かってきました。遺伝子の塩基配列をコンピューターのハードに例えれば、どの遺伝子をいつ機能させるかというソフトが遺伝子の「機能スイッチ」にあたります。癌抑制遺伝子の塩基配列が正常なのに機能しないのは、遺伝子の「機能スイッチ」が「オフ」になっているからで、このスイッチ役をしているのが「メチル基」という化学物質です。炭素1個と水素3個からなり、塩基配列の内「…CGAT」のCの位置に取りついて「メチル化」して遺伝子の機能を止めます。受精卵から各器官に分化、アポトーシス、成長と老化といった生命の機構にこのメチル化は深く関わっています。いつどういう機序でメチル化が起きるのか、世界の癌研究で注目を集めている分野のひとつです。

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抗癌剤はなぜ効かない?
 

癌治療の化学療法や放射線療法は、癌細胞のDNAを破壊して殺す為に抗癌剤や放射線を利用すると言うものです。しかし最近分かって来たところでは、これらの抗癌剤や放射線はDNAを破壊しているのでは無く、抗腫瘍因子の遺伝子p53を活性化させ、癌細胞にアポトーシスを引き起こさせて自死させていると言うのです。p53はゲノムのコントローラーと言える意伝子で、化学物質やエラーコピーによってDNAに傷を負った細胞の増殖に、待ったをかける働きを持っています。傷があまりにも大きければそのままアポトーシスに持ち込み、修復可能であればp53が作用して増殖を一時停止している間に別の修復装置が働きます。このp53が働か無ければ細胞はどんどん増殖していく訳で、癌の半分位はこのp53の遺伝子が変異していると言うのです。薬や放射線はDNAの破壊ではなく、p53を剌激して癌細胞を成長させない様にし、アポトーシスに持ち込んでいたという訳です。ですからp53が全く機能し無くなったタイプの癌ではアポトーシスの状態に持って行く事が出来ない為に化学療法や放射線療法が効果を上げる事が出来ません。その場合には別の方法をとらなければ意味が無いと言う事になります。正常細胞が癌化する過程にはいくつものステップがありますが、どのステップの異常が癌化させたのかが分かれば無駄な治療をする事が避けられるでしょう。

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細胞分裂が癌を作る
 

遺伝子に突然変異をもたらす危険な物質は沢山ありますが、それ自体は変異原では無いのに癌を誘発してしまう物があります。アルコールや肝炎ウイルス等がそうです。細胞増殖する時DNAがコピーされますが、どんな細胞でも100万塩基に1回の割合でエラーが起こり、癌発生の第一歩となる可能性があります。この確率は決して高い物とは言えないのですが、細胞が増殖する回数が多くなればなる程当然エラーが発生しやすくなります。アルコールの場合、度の強い酒を多量に飲むと口や喉の細胞が死んでしまいます。すると回りの細胞は分裂して補うように促され、増殖が活発になります。その時タバコを吸うとタバコの煙は変異原ですからDNAのコピーはより一層エラーが多くなります。増殖中のDNAはそうで無いDNAに比べて変異原の攻撃を受けやすいのでエラーの確率はずっと高くなるのです。お酒を飲みながらタバコを吸うと口腔癌のリスクが30倍にもなるのはこう言う訳なのです。一方肝炎ウイルスの場合、肝細胞はウイルスによって破壊されていきます。正常な場合、肝臓の細胞分裂はさほど起こらないのですが、このような状況では強い増殖力を持つ肝臓は新しい肝細胞を作り続けます。つまりこの肝炎ウイルスによって細胞分裂が盛んになるとそれだけエラーが重なって肝臓癌になってしまうというわけです。つまり細胞分裂の活発な部位は癌にもなりやすく、それ自体は発癌性がなくても細胞の増殖を促すものは癌化に手を貸すとも言える訳です。 

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高齢者と癌
 

老化その物が癌に繋がる事は明らかです。国立癌センターの山口直人氏は、大体40歳から5年毎におよそ2倍ずつ癌のリスクが高くなると報告しています。老化によって癌になる確率が高くなるいくつかの原因が考えられます。まず、癌の発症には長い潜伏期間があり、短くても5年、長ければ20数年と言われています。その間に年を取り、結果的に高齢者になってから発見される訳です。また、老化と共に遺伝子を傷つける活性酸素によって作られた酸化物質が細胞のミトコンドリアから漏れて、それに対抗する抗酸化作用が上手く行かなくなります。この様な状態が長い年月続けば、当然遺伝子の突然変異の頻度が多くなります。元々、それを修復する遺伝子もあるのですが、それを修復する能力も老化によって落ちて来ますので、癌になる確率が高くなるのです。また、癌や老化で注目されているのが染色体の末端にあるテロメアです。このテロメアは寿命遺伝子とも言われ、細胞分裂を繰り返す度に短くなっていきます。テロメアが短くなると染色体上の遺伝子が非常に不安定になってきて、エラーを起し易くなり、その為に細胞がより癌化しやすくなると言われています。このように高齢化によって癌化する確率は高くなるのですが、癌細胞も老化現象の中で毛細血管新生能力の低下が起こり、活発に増殖出来ずにゆっくりした物になります。三大生活習慣病の中で癌が死因のピークを迎えるのは男性で60~69歳、女性で50歳前後です。40歳を過ぎたら定期検診を受けたり、生活習慣の見直しに心掛けて、癌の予防と早期発見に努めるべきです。

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血管新生と癌
 

癌抑制遺伝子に欠失や変異があっても、正常な細胞を悪質な癌細胞に変貌させるにはまだ至りません。少なくとも3~4回の遺伝子変異が起こり、変異細胞が「無制限に細胞分裂する能力」「血管を新生する能力」「新しい組織に転移する能力」といった力を得て「悪性の癌」となります。この中でも癌化には「血管を新生する能力」が、不可欠で、血管新生によって癌組織内に酸素や栄養を運び込んで大きく成長し、離れた組織にも血流に乗って転移します。その為癌細胞の多くは血管新生を促す為に、血管内皮増殖因子や塩基性繊維芽細胞増殖因子等を生産します。普通の成人で血管新生が起こる事は無く、例外として妊娠した女性の子宮内で胚が成長する時だけに起こります。こうして癌組織が成長すると、今度は逆に「血管新生を妨げる因子」を分泌し始めます。この血管新生阻害因子を分泌するのは、初めに出来た一次腫瘍だけで、大きく成長した一次腫瘍は、阻害因子を分泌する事で転移した二次腫瘍の成長を押さえ込むのです。あたかも群を離れた仲間を攻撃する様に、利用出来る栄養を一人占めしようとするのです。外科手術で一次腫瘍を切除すると、突然二次腫瘍が表れる事があるのは、血管新生阻害因子の分泌が無くなった為と考えられています。血管新生を妨げる事が出来れば、これは有効な癌治療となるので、現在「アンジオスタチン」「インターフェロン」等、様々な血管新生阻害剤の臨床試験が進められています。

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肺癌がトップ
 

肺癌は全癌死亡のトップです。肺癌の最大の危険因子は喫煙である事は確かです。煙中のべンツピレンが体内に吸収されると、化学物質を分解するチトクロームP 450 という肝臓の酵素によって活性化され、DNAを傷つける力が非常に強い中間代謝物質に変化する事が明らかになっています。しかし、肺癌の中で喫煙との因果関係が明らかになっているのは扁平上皮癌や小細胞癌ですが、一方で喫煙とは因果関係が無いと言われている腺癌も急速に増えています。煙草以外の環境汚染による空気中の有害化学物質や生活習慣の中にその原因があると推測されていますがハッキリした原因は分かっていません。また、肺癌の予後については、残念ながら5年生存率は他の癌より極端に低く、15%未満と言われ、癌の中でも存命率が非常に低い癌といえます。二次予防である集団検診による効果も胃癌や大腸癌等の他の癌と比較しても早期に発見する事が難しい癌でもあります。また、実際発見されても外科的切除適応は40%に満たないのです。更に手術が成功しても、早期では無い肺門や縦隔リンパ節に転移をした物の予後は5年生存率で30%未満なのです。何より早期に発見する事が大切なのですが、症状が風邪や気管支炎に酷似しているので、自覚症状として認識し辛い面があります。しかも肺癌を疑う血痰やリンパ節腫脹等はかなり進行してから表れると言う厄介な面もあります。肺癌に対する一次予防としては、やはり禁煙と大気汚染に注意する事や全般的に抗癌作用のある食べ物の摂取位しか今の所有りません。

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胃癌とピロリ菌
 

胃癌の発生は食品、環境因子、ニトロソ化合物、癌遺伝子、EBウィルス、胆汁の逆流等の因子が発癌過程で作用していると考えられていますが、どの段階でどの因子が作用しているのかまだ解明されていません。その中で消化性潰瘍の一要因であるピロリ菌(ヘリコバクターピロリ)です。ピロリ菌はウレアーゼという酵素を有する事が特徴で、胃内の尿素を分解してアンモニアを発生させ、自らアルカリ性の環境を作り胃内の強い酸から身を守って生き延びています。このアンモニアが胃粘膜の障害を引き起こす一つの要因になっているのです。まだ仮説ですが、胃癌はピロリ菌の感染により、正常な胃粘膜に表層性胃炎を起し、感染の長期持続により萎縮性胃炎を生じます。更に胃内低酸性状態がニトロソ発癌物質を形成し、この作用によって腸上皮化生、異型上皮、胃癌に至るというのです。日本での感染率は40歳以上の人で約60~70%とされていますが、厚生労働省では1997年より「癌克服新10か年戦略研究事業の一環としてピロリ感染の早期発見とその除菌による胃癌の予防に関する研究」を開始しました。今はピロリ菌の検査・除菌が医療保険の適用になりました。

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大腸癌と脂肪
 

肺癌と共に急速に増えている癌が大腸癌です。大腸癌は癌の中で食べ物との因果関係が割とはっきりしています。勿論、ポリープや憩室の出来易い遺伝的体質や腸内細菌叢も関係していますが、大腸癌の最大の原因は脂肪の取り過ぎです。40年前の日本人の脂肪摂取量は1日26gでしたが、5年前の統計では60gと倍に跳ね上がっています。この摂取量と正に正比例する様に癌が増加しているのです。この食の欧米化により同時に食物繊維の量も減少してきました。この二つのうち動物性脂肪がプロモーター(促進因子)で食物繊維はインヒビター(抑制因子)として大腸癌に関与している事が明らかになっています。動物性脂肪と大腸癌との関わりは、小腸で吸収された脂肪は肝臓でコレステロールを経て胆汁酸になりこれが胆嚢に貯えられます。また、脂肪を沢山摂取されるとそれだけ胆汁が多く十二指腸に放出されますので、相乗的に胆汁酸の量は増量されていきます。大腸癌の多いアメリカ人の便中胆汁酸量は、日本人の3倍あると言うデータもあります。この胆汁酸が大腸の中の悪玉大腸菌(腐敗菌)により二次胆汁酸になるのですが、これが大腸癌を促進する作用があるのです。癌の中では早期に見つかると存命率が非常に高く、検診の効果もあり、最も予防しやすい癌とも言えるのですが、肛門からの検査に対する抵抗や症状が痔に似ている事がネックになって発見が遅れるケースがあります。

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5年生存率
 

癌が治ったかどうかは、治療してから5年間生存したかどうかで判断されます。5年というのはその間に再発しなければ、その後の再発の可能性が少なくなるからです。癌は発生部位や癌細胞の性質によって生存率に大きな違いがありますが、5年生存率では乳癌の90%を最高に、子宮体癌85%、他に喉頭癌78%、膀胱癌76%が比較的生存率が高く、結腸癌73%、直腸癌73%、胃癌70%いずれもステージⅣで大幅に低下します。ですが多くの人が治る可能性が出て来たと言えます。これらは検診等で比較的早い時期に発見が出来る為に生存率が高くなった為とみられます。卵巣癌、リンパ腫等の治癒率は40%以下です。全体では治療成績は向上していて、癌全体の5年生存率の平均が1997年は61.7%だったのが2005年では68.0%に向上しています。特に乳癌、胃癌、結腸癌、直腸癌、白血病では治癒率の向上が目ざましいので生存率が上がっています。ただし治癒率は癌のステージによって大きく違ってくるのは言うまでもありません。早期の癌は小さいだけで無く、悪性度も低い事が多いので、とにかく早期発見が生死の分かれ目となります。生存率が高いとされている癌でもステージⅢ、Ⅳの進行癌では生存率は極端に低くなります。更に依然として生存率が低いのは、膵臓癌6.8%、肝臓癌32.1%、胆のう癌27.0%、肺癌40.6%、食道癌38.4%で、早期発見もし難く、5年生存率が低めの数値を示しています。

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諸外国とのモルヒネ使用量の差
 

癌の痛みは病状が進行するほど発生頻度が高くなり、しかも次第に増強するという特徴があります。日本で今年癌で亡くなる約38万人のうち、少なくとも12万人は完全には除痛されないままの死を迎えているといわれています。痛みを取り除くことは、末期悪者だけで無く全ての患者のQOLの改善をもたらす医療で、手術や放射稼治療といった癌を治す為の医療と対立するものではありません。強い痛みの鎮痛薬としての医療用モルヒネの大部分が、癌の痛みの治療に使われていて、各国での年間使用量が癌の痛みの治療の進展度を示す指標になっています。日本では、1999年医療用麻薬モルヒネ換算201㎏から比べると2010年5.736㎏と大きく年々数字を伸ばしているのに対して2011年には5.179gと逆に減っている年もあります。国際比較でみると100万人1日あたりの消費量換算(モルヒネ、フェンタニル、オキシコドン合計)2007年~2009年のデータでオーストラリア1.502.2gアメリカ1.725.0gに対して日本96.8gといった国々に比べて、まだ少ない使用量です。医療者の対応が遅れている事の原因に、一定の量以上を使ってはいけないとか、使う対象は予後の短い患者に限るといった過去の医学教育があり、日本の麻薬取締法が厳しかった事もあります。また患者側も、癌の痛みには有効な治療法が無いという誤解、医療目的の麻薬についての誤解、痛みは我慢するべきといった考えなどがあります。しかし癌の痛みの治療を要求する事は患者としての権利であり、充分な痛み治療を行う事は医師の義務です。痛みによる睡眠不足や食欲不振、病気への怖れや不安が取り除かれるならば、末期の癌患者でも家庭で安らかに過ごす事は充分可能なのです。

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自宅で出来る癌検診
 

集団検診や人間ドックはすっかり定着していますが、一方で、忙しい、病院が嫌い(怖い)の理由で心配しながら検診を受けない人も多い筈です。そんな人の為に郵便で検診を受ける方法があります。大腸癌については保健所でも郵便で検査出来る様ですが、最近では検査方法や検体採取の方法に工夫が加えられて、様々な癌の自宅検診が受けられる様なシステムが出来ています。スクリーニング出来る癌は胃癌、膀胱癌、大腸癌、肺癌、子宮癌などで、申し込めば検査キットや説明書、問診票が送られて来て、指定通り検体や問診票を送り返せば結果を知らせてくれます。検体は内容に応じて血液、尿、便、痰、子宮分泌物等を送ります。例えば胃癌検診では数滴の血液によって前癌症状である萎縮性胃炎のチェックをすると同時にヘリコバクター・ピロリ菌の抗体の有無を調べてくれます。血液尿では前立腺癌も調べる事ができます。大腸癌ではスティックに便を採って1日だけの分を調べる法と、繊維質を飲んだ後2日間に渡って便の表面に触れて調べる方法があります。子宮頸癌は諭粘膜をこすったスポンジを送る事で検査します(子宮体癌の検査は腫瘍マーカキットしか出来ません)。肺癌は3日分の痰を採って送ります。電話で話す事によって喉頭癌かどうかを調べてくれる所もあります。いずれも大丈夫かどうかの検査なので確実な診断が出る訳ではありませんが、ひとつの目安として利用できるシステムでしょう。

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オーダーメイドの抗癌剤
 

抗癌剤の認可の条件は、実際の患者で薬を試す臨床試験で、2割程度の患者の癌が小さくなる事です。現在100種程度が厚生労働省から認可されていますが、延命効果は認可後に改めて証明する事になるので、抗癌剤では、癌が縮んでも患者が長生きするとは限らないのです。抗癌剤には、癌細胞の特徴である分裂が盛んな細胞を殺す薬が多いので、正常でも分裂が盛んな胃腸の細胞や、白血球や赤血球を作る骨髄の細胞を傷つけ、吐き気、下痢、白血球減少による免疫力低下、貧血等の副作用を起こします。実際の患者で効果が証明された薬を適切に使わなければ、単なる毒薬となってしまうのです。ゲノム解析が進んだ現在、人の遺伝子は基本的に同じですが実際には個人間で微妙な差がある事が分かってきました。この微妙な差を多型と言い、数百個の塩基の中から遺伝子の中で塩基一つだけが異なっている事から、一塩基変異多型(SNPs)とよばれています。このSNPsが個体毎に違う為に患者毎に薬剤の効果が異なるので、このSNPsが薬剤の効果のある患者を識別する薬理ゲノムに活用出来る事が判明したのです。この事から、患者の癌の性質に合わせ、個別的な薬を作るという、オーダーメード医療が期待されているのです。

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天寿癌?
 

先進国では毎年死んで行く人の8割は60才以上で、平均年齢は70才以上になっています。つまり多くの人が長生きをする様になり、若死には珍しい時代になって来たといえます。日本での死亡原因の第1位は癌で、1950年代から急カーブを描いて増加し、これからも増えると予想されています。癌は生活習慣と関連がありますが、原因は遺伝子の異常によるものです。老化した細胞は遺伝子異常を起こしやすく、その意味では癌は老化の一面であるとも考えられる訳です。人が長く生きればほぼ全員癌になると言います。従って高齢者が増えれば当然癌の発生率も高くなる事になります。現に老化による影響を補正して死亡率をみると、癌が増加しているとは言えず、男性では横ばい、女性では減少傾向になるのです。つまり癌が増えているのは高齢者が増えた為で、高齢化は更に強まりますから、癌その物が無くなる事は無いと考えられます。よく言われる事ですが、高齢者の癌は若い人の癌と進って、正常組織とあまり変わらない構造を保つ分化型の癌が多く、進行がゆっくりして転移も少ないという特徴があります。生活に気をつけて癌になるのを伸ばしたり早期発見早期治療で共存しつつ逃げ切れば、癌でも天寿を全う出来るかもしれません。

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癌治療予測の歴史
 

1990年代の始め、これからの10年間(つまり2000年頃までの間)で癌治療はどの様になるかを見通した調査があります。癌専門家はこの10年間の間に基礎研究の分野で癌の全容が分かると予想する人が4~5割もいて、7~8割は2010年までには分かるだろうと考えていました。診断の上で著しい進展があるとしたのはダントツが遺伝子診断で、ついでMRI、内視鏡、腫瘍マーカー等を有望視していました。治療の面では遺伝子治療と抗癌剤が最も有望視され、骨髄や臓器の移植、内視鏡手術、免疫系の活性化による治療も進むと予測していました。全体的には10年前、癌の解明はすぐに手が届く所まで来ているという楽観的な見方がされていたといえます。一方、一般有識者では遺伝子治療に対する予想は低く、治療の面では手術と抗癌剤の併用、化学療法やレーザー療法が進展するだろうと考えていました。特定の癌の決定的な検査法や抗癌剤が開発されて、大部分の癌が治癒可能になるだろうという見方も多く、癌専門医よりも更に楽観的な見方をしていた様です。こうした事からみても癌医療の進歩の予測は楽観的になり易い事が分かります。
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